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【村田町】蕎麦を求めて小旅行 後編

カテゴリー: 外食:蕎麦

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 千寿庵さん(前記事)から川沿いの道を少し走ると、幟旗が目に入ってきました。こちらは村田町の農家ほたる舞ファームさんが自家栽培、自家製分の蕎麦を食べさせてくれる週末手打ちそば屋けんちゃんちさんです。以前、イベントでこちらのご夫婦と知り合い、一度、伺ってみたいと楽しみにしておりました。



 小高い南斜面に立地した典型的な農家の佇まい。蔵の白壁も美しいですね。
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 けんちゃんちの幟旗と暖簾がなければ、ちょっとモダンな農家そのもの。どんな蕎麦を食べさせてくれるのでしょうか。


 
 店内はこじんまりとして全部で15席くらいでしょうか。
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 カウンター越しにけんちゃんこと渡邊賢治さんの姿が見えますね。^^


 
 献立は実に潔く、もり蕎麦と塩むすびだけ。
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 蕎麦には香の物や小鉢も付くようです。お替わりはいわゆる替え玉のことでしょう。


 
 お願いしましたもりそばです。
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 薬味には長葱と辛味大根が添えられます。

 
 山形の田舎蕎麦ほどではありませんが、やや色黒の蕎麦。
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 甘皮の部分を丹念に挽くことでつなぎの役割もしてくれるそうです。知らんかった。。。


 蕎麦を打っているのはけんちゃんのお父さんなのですが、色々ご教示頂きました。
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 蕎麦の美味しさは蕎麦の香りを感じる甘皮(実の外側)に近い部分にあるということで一致しました。


 蕎麦湯も頂き、至福のひと時を締めました。^^ 
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 けんちゃんは塩や醤油に相当の拘りを持ち、九州の塩や醤油に行き着いたそうです。


 
 こちらのもう一つの看板商品。ひとめぼれの塩むすびです。消費期限も今日中ですよ。
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 これは米の美味さが勝負ですね。確かに美味い。米粒一つ一つが生き生きとしている感じです。


 蕎麦処としては後発ですが、これからの発展を期待したい村田町蕎麦処とするためには、やはり何か個性が必要でしょうね。空豆を練り込んだ変わり蕎麦のような際物ではなく、蔵の街に相応しい蕎麦はあるはずです。

 大震災の風評被害から立ち直るために多大な苦労をされたけんちゃんちのほたる舞ふぁーむさん。蕎麦だけではなく、トマト狩り(30分500円)でも頑張っていますよ。村田インターからも近いので、是非、訪ねてみて下さい。


 けんちゃんち

・所在地   :宮城県柴田郡村田町大字小泉字北姥ヶ懐45
・電 話   :0224-83-4846
・営業時間  :11:00~15:00
・営業日   :土、日曜(予約すれば平日も営業)
・駐車場   :あり

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2017/03/14(火) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

【村田町】 蕎麦を求めて小旅行 前編

カテゴリー: 外食:蕎麦

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 宮城県は古くから米処であり、主食に蕎麦を加えなければならないほど厳しい環境ではありませんでした。そのため、宮城で蕎麦産地と言いますと、七ヶ宿や花山など山間部に限られていました。ところが、近年、宮城にも蕎麦専門店が増え始め、蕎麦の生産地も広がっております。その一つに村田町があり、「新そばまつり」で町の活性化を図っています。今回は村田町蕎麦処を探訪します。上の写真は「ふるさとおとぎ苑」に設置されています日本一の夫婦水車です。


 ふるさとおとぎ苑の向かいにありますのは田舎の蕎麦処千寿庵さんです。
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 幟旗と暖簾がなければ、よくある農家の佇まい。ご主人がリサイクルを活用して手作りで店に造り上げたとのこと。


 店内は吹き抜けの高い天井から自在鉤が下がり、釜神様が飾られています。
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 13時近くに入りましたが、駐車場はほぼ満車。席も辛うじてストーブの周りの待合席のようなところに座れました。相当の人気店のようです。土間の脇に小上りがあり、奥と二階に座敷があるようです。


 
 蕎麦は千寿と呼ばれる二八、十割、さらしな、外一と4種類もあります。
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 その他におろしやとろろなどがありました。温かい汁蕎麦は唯一花そばだけのようです。



 
基本の千寿を頂きます。もろにストーブと睨めっこ。^^
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 副菜に切り干し大根の煮物、白菜漬け、大根の甘酢漬けが付きました。薬味は長葱と山葵に辛味大根の粗おろし。


 
 蕎麦は星が多い藪くらいの色合い。透明感がありますので少し粗挽きのようです。
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 麺の幅や太さも微妙に変化があって楽しめそうです。



 蕎麦湯も白濁していてちゃんととろみがあります。
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 激混みで30分くらい待ちましたので、店員さんが最後に謝りに参りました。このような対応のあるかないかでリピートが分かれるのですよね。


 暖簾の裏側には見送りのメッセージが。
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 ご主人の渡辺千治さんのお人柄でしょうか。母親の太い田舎蕎麦しか知らなかった渡辺さんが独学で細打ちも習得して行ったそうです。苦労も多かったことと思われます。



 暖簾を潜って外に出ると、、、ご主人が寒晒しの蕎麦の実を乾しているところでした。
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 しゃがみこんで、すっかり蕎麦談義にはまり込んでしまいました。この寒晒しは裏の川に浸けて晒した後、1カ月くらい乾燥させるのだそうです。食べられるのはお彼岸過ぎからとのこと。寒晒し蕎麦を凍み豆腐に例えて説明して下さいました。



 蕎麦の品種名を伺うのを忘れてしまいましたが、こちらではたまゆらのそばと名付けた在来品種を栽培しておられますので、多分それでしょう。人気店だけに休日の昼時は外して伺った方が良いかも知れません。それでも蕎麦打ち体験も予約制でやっているそうです。蕎麦への愛情が伝わってくるお店でした。
 


田舎の蕎麦処千寿庵 http://senjuanmurata.web.fc2.com/


・所在地   :宮城県柴田郡村田町大字小泉字道端八
・電 話   :0224-83-5417
・営業時間  :11:00~15:00
・定休日   :月曜日(祝休日の時は火曜日)
・駐車場   :あり
2017/03/09(木) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

【山形県村山市】そばのみの食べくらべ

カテゴリー: 外食:蕎麦

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 山形県村山市の東沢バラ公園の近くに以前から気になっていた蕎麦屋さんがあります。山形の場合、蕎麦というと太打ちの田舎蕎麦が主流なのですが、近年は江戸風の細打ちも食べられるお店も増えてきています。かつて山形では細打ちの蕎麦をおやつのようだと軽じられたのですが、現在は食文化の交流と言いますか、混合が起きているようです。



 気になったお店はそばのみさん。山小屋のような展示ハウスのようなモダンな佇まいの蕎麦屋さんです。
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 バラ公園の1kmほど南にあります。駐車場も店の周囲に10台分ほどあります。




 店内も木の梁が見えて益々山小屋風。
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 薪ストーブもあって蕎麦屋というよりペンションのよう。実はこの店は建設会社が経営しているようです。よくある社長の趣味が高じてのタイプなのでしょうか。。。



 新そばの季節だったので期待が膨らみます。
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 こちらではでわかおりを使っているそうです。でわかおりは山形県農業試験場が1999年に品種登録をしています。



 献立はかなり絞り込んでいるようですが、温かい汁蕎麦もありました。
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 揚げそばがきとセットになった女性限定メニューなどもありました。



こちらは家内の温かいとり蕎麦。冷え性なのでこの季節冷たいものを嫌います。
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 見た目はごく普通でつゆも特に個性は感じられません。



こちらは私の食べくらべ。十割の太打ちと外二の細打ちが一度に楽しめます。
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 副菜に昆布の甘煮が添えられます。こういう食べ物の有効利用は好きですね。



 こうして並べてみると違いが歴然。どちらも角がしっかり立っています。
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 交互に食べると噛むリズムの使い分けが面倒です。^^同じ蕎麦でも太さの違いで別の食べ物のようになります。考えてみるとパスタの方がもっとバリエーションがありますね。



 蕎麦湯は焼き物の急須でサーブされました。
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 この季節は冷めやすいのでこの配慮は嬉しいです。蕎麦つゆはあまり鰹節の燻煙臭は感じず、穏やかな味わいでした。




 村山市といいますと、あらきそばを筆頭に10数軒の蕎麦屋が存在する激戦区。その中では後発の部類に入る属するそばのみさん。それでも正午に近づく頃には駐車場は満車となり、店内も混んできました。県外ナンバーより地元の車が多いようなので、すっかり定着している様子です。太細の合い盛りは私のような欲張りには最適です。^^




和工房そばのみ http://soba-nomi.com/


・所在地   :山形県村山市楯岡笛田3-3-6
・電 話   :0237-55-3631
・営業時間  :11:30~14:00
・定休日   :月曜
・駐車場   :あり10台
2015/12/31(木) 05:00 | trackback(0) | comment(2)

【大崎市岩出山】4年ぶりのもみじ野で天ざる

カテゴリー: 外食:蕎麦

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 この写真を見て、ここが何だかわかりますか。お蕎麦屋さんだと言っても信じてもらえるでしょうか。知る人ぞ知る銘店中の銘店、もみじ野さんなのです。岩出山から山道をかなり走って谷筋の林の中に現れる別荘なような佇まいなのです。それもそのはず、ここは元々、主人の金田さんの別荘で平成15年に退職と同時に蕎麦屋としてオープンしました。




 店から見下ろす細い流れは堰止められてイワナを養殖する池になっています。
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 前回ここを訪れたのは丁度4年前。震災直後に気仙沼転勤が決まり、これからハードな生活が始まる前にと温泉と組み合わせてリフレッシュしに来たのでした(関連記事)。あれから4年、震災復興はまだまだですが、古巣の石巻に戻り再びここを訪れたのでした。長かったようであっという間だった気仙沼生活。もみじ野さんも以前と全然変わっておりません。




 基本のざるそばが6種類に変化します。
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 下の池で育てたイワナ天ざるが当店のお薦めです。蕎麦を待つ間にそば茶を啜り、辛味大根をおろして過ごします。^^




 この季節は敷地内で採れた山菜の天ぷらが美味しいので天ざるにしました。
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 一枚の板から彫り上げたお盆がなかなかの迫力です。




 天ぷらには抹茶塩が添えられる有り難さ。そばつゆ兼用だと蕎麦の味に影響しますからね。
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 天ぷらは山ウド、タラの芽、コシアブラ、それにたぶんセリ科のシャク。稲穂の素揚げも添えられています。量も多く食べ応え十分。




 薬味は練り山葵と晒し長葱。奥にはふきのとう味噌が。
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 ふきのとう味噌はピリッと唐辛子が利いていました。300円の瓶詰めが販売されていました。




 見て下さい。この見事な細打ち。色白でホシも少なめ。
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 早くこれが打てるようになりたいなぁ。こちらで修行されたお店を開いた蕎麦屋さんに秋保の悠全さんや八木山(青山)のみずきさんがいます。




 細いのに切れも少なく、麺線の乱れもありません。喉越しが快感な蕎麦です。
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 そばつゆも優しいながら深い旨みを感じます。




 そしてこれ。蕎麦湯がまるで重湯のように濃厚。
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 もちろん、これで蕎麦を茹でているわけはありません。ちゃんと別に調製しているのです。白湯のような蕎麦湯を出す店も多いことから実に有難い蕎麦湯です。




 あら、これってサービス。そう言えば、前回もメニューには載っていなかったけど頂きましたね。
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 これはそばがき揚げです。こちらの創作メニューとのこと。そう言えば、上記のお弟子さんたちのお店でも提供されていますね。カリッとした外側とふんわりした中が対照的で絶妙な逸品です。




 食事の後は蕎麦打ち教室の部屋にも入れて頂きました。
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 近ければ弟子入りしたいなぁ。でも、蕎麦屋を開業する方々だけが対象なのかも。




 イワナの養殖池から見上げたもみじ野さん。
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 ご主人の金田さんに4年前と同じように案内して頂きました。池の周りには山菜がいっぱい。実に素晴らしい環境です。


 
 
 岩出山の山奥に隠れるように営業しているもみじ野さん。平日でも11時の開店から常連さんが蕎麦を食べに来ています。土日の昼時はおそらくかなり待つのではないでしょうか。鳴子温泉にも近いので温泉との組み合わせで利用される方も多いと思います。夏にはゲンジボタルが飛び交うそうで、夜に蕎麦と蛍を楽しむ会も開催するそうです。是非、電話でご確認を。
 



手打ちそば もみじ野


・所在地  :宮城県大崎市岩出山字細峯50-166
・電  話  :0229-72-4090
・営業時間 :11:00~15:00
・定休日  :木曜日(祝日営業)
・駐車場  :あり 

2015/06/03(水) 05:00 | trackback(0) | comment(2)

本格中国料理店で裁ち蕎麦??

カテゴリー: 外食:蕎麦

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 GWも過ぎ去った最初の日曜日。スッキリ晴れ上がっているのですが、風が強く肌寒いのです。定植したばかりの野菜の苗にも厳しい天気です。さて、今日はこれから街に出て、いま注目の中国料理の若手シェフのお店を訪ねます。




 そのお店は荒町にあります楽・食・健・美-KUROMORI-さんです。
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 以前、長町南の伊達餃子楼で腕を振るっていた黒森洋司シェフが自分のコンセプトを実現するためにオープンさせたお店です。




 宮城県産のフカヒレ・乾鮑・乾海鼠に拘り、化調を使わない健康を意識した中国料理を提供しています。
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 お店は完全予約制なのです。さて、今日はどんなご馳走だろう。。。




 ところが、今日は黒森シェフが最近始めた日本蕎麦を食べる会なのです。^^
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 この幅広い取り組みも彼の探究心の現れですね。やがては中国料理に蕎麦を取り込むのだと。




 蕎麦とお稲荷、野菜のかき揚げのセットです。
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 中国料理の店で食べる和食。なにか不思議な雰囲気に包まれます。^^




 春野菜のかき揚げもサクッと上がってます。
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 出来れば、山椒塩などを添えて欲しかったですね。




 この蕎麦は通常の打ち方とは異なり、裁ち蕎麦と言われます。
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 駒板と蕎麦包丁で打つのではなく、重ねた生地を専用の包丁で削り取るように切っていくのです。福島県檜枝岐村に伝わる独特の打ち方です。




 凄く立派な本山葵が出されました。
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 おろし立ては甘味もあって山葵そのものが美味しい。そばつゆは甘味より塩味が勝った感じでどっぷり浸けると塩っぱいです。




 蕎麦が香り豊かでもう一枚お替り。^^
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 品種は会津のかおりかと思ったら、そうではなくて、地元で代々伝承されている伝統蕎麦とのこと。これを打ってみたいなぁ。




 まさか、本格中国料店で日本蕎麦を食べるとは思いませんでした。黒森シェフならやがて寿司も握ってしまうかも知れません。それを中国料理に取り入れ、彼独自の世界を作り上げることが彼の理念ですから。今度はゆっくりと中国料理を楽しませて頂きましょう。



クロモリ (KUROMORI) http://kuromori.jimdo.com/


・所在地   :仙台市若林区荒町136
・電 話   :022-211-0306
・営業時間  :不定(完全予約制)
・定休日   :不定休
・駐車場   :なし

2015/05/27(水) 05:00 | trackback(0) | comment(0)