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旬のアサリで 深川めし
カテゴリー: 料理:貝類

深川めしは江戸期より伝わる漁師の即席飯です。その頃の深川は佃島(現在の月島)の対岸、門前仲町の北側に隣接する一帯で、隅田川の河口の町でした。この周辺の漁師がアサリの剥き身を長葱を入れた濃いめの味噌汁で煮て、ご飯にぶっかけて掻き込んだのが始まりとされています。
みちのくのアサリはこれから旬を迎えます。

東京では今でもアサリの佃煮が作られており、剥き身加工も続いていますが、宮城では殻のまま主に汁物として使われています。アサリを剥くのはカキよりも難しく、専用のアサリ用ナイフが必要になります。
そこで今回はアサリを酒蒸しにしてから身を取り出して深川めしを作ります。

ただ、この場合はアサリの旨味が恐縮した蒸し汁には殻内の海水も含まれますので、塩分の加減が難しくなります。塩分が少ない西京味噌を使ってみましたが、甘味が強すぎて不自然な味になります。そこで、丸の内タニタ食堂の減塩みそ(マルコメ)に行き着きました。
酒蒸しにしたアサリの身を殻から外し、蒸し汁は漉しておきます。

長葱は斜めに切っておきます。
最初に漉した蒸し汁で長葱を煮ていきます。


しんなりしたら味噌を加えます。減塩味噌といえど約8%程度の塩分を含みますので少しずつ加減しながら加えます。
味が決まったら剥き身を加えてさっと煮ます。

アサリは既に加熱しておりますので、温める程度ですね。
ご飯に盛って完成です。当時は貴重な海苔の天盛りはなかったでしょうね。

つゆのかけ具合はお好みで。箸で掻き込みながら食べるのが正しい深川めしの作法です。^^
近年、深川めしが脚光を浴びるようになってから、炊き込みご飯風の深川めしも登場しました。江戸時代の漁師町にこれが存在したのか不明ですが、漁師の即席飯という蘊蓄がぼけるように思えます。両者を区別するために炊き込みご飯の方を「深川丼」などと名付けているお店もありますが、ますます、混沌としていきます。炊き込みご飯式の方が作り置きもでき、弁当としても売り出せますので売る側としては便利でしょう。しかし、江戸期の漁師のぶっかけ飯という物語が曖昧となって江戸っ子の粋に泥を塗るように感じてなりません。
2017/04/26(水) 05:00 | trackback(0) |
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