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【岩沼市】三陸海の幸勉強会~夏のご馳走~
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4月以来、新しい仕事に慣れるのに精一杯で、少し疎かになっていた魚食普及活動ですが、「いわぬま食育研究会」の皆様からご要望があり、先日、仙南地域では初めての三陸海の幸勉強会を開催致しました。
始めに、布田会長のご挨拶がございました。布田会長は岩沼市議会議員もされております。

この後、初めての会場ですので宮城の海と水産業の特徴と東日本大震災による被災と復興状況などを小一時間プレゼンさせて頂きました。
ちなみに、本日のお献立は以下の三品です。簡単な料理ということでご要望されておりました。レシピはこの記事の最後に掲載しています。
海の冷や汁 白石温麺を添えて
若布と卵のガーリック炒め
復興飯(若布と銀鮭の混ぜ御飯)
まず最初にご飯を炊いている間に復興飯の具材を整えます。

復興飯は養殖業の復興の象徴である銀鮭と若布の混ぜ御飯です。レシピには塩銀鮭と記載しましたが、このシーズン(8月初旬まで)は養殖銀鮭が水揚げされていますので、生銀鮭が購入できます。ただ、塩をしてありませんので、米1合当たり3gの塩を皮と骨を取った身に振りかけてよく叩き合わせておきます。
おにぎりや炊き込みご飯は人間の体液の塩分濃度0.9%前後で美味しく感じます。米1合を炊きますと、約330gになりますので、3gの塩を加えるのです。これに戻して刻んだ塩蔵若布からも塩味が加わりますので、若干少なめにして置いた方が無難です。
ご飯が炊き上がりましたら、まず、銀鮭の身をさっくり混ぜ合わせてご飯の余熱で加熱します。

100℃以下で加熱しますので身もふっくら。銀鮭に熱が通りましたら若布をよく混ぜ合わせて完成です。塩蔵若布はボイルしてありますので、加熱する必要はありません。
復興飯の完成です。塩味も丁度良い具合に決まりました。

実際は具材を混ぜ合わせるのは食べる直前で、ご飯が炊ける間に他の料理も作っているのです。
銀鮭の切り身から外した皮や小骨はパリパリの煎餅にします。

油で揚げず、レンチンして作りますので、ヘルシーなスナックです。ビールのつまみに最高。
さて、ご飯を炊いている間にもう1品。若布と卵のガーリック炒めに取り掛かります。

まず、多めの胡麻油でスライスしたニンニクを気長に炒めていきます。
ニンニクがカリカリのニンニクチップスになりましたら取り出して、若布、卵の順に炒め合わせます。

味付けは麺つゆと醤油を半々でかけ回します。麺つゆだけだと甘味が強過ぎます。
若布と卵のガーリック炒めの完成です。ガーリックチップスを乗せる前に撮影してしまいました。^^

この惣菜は冷めても美味しく、お弁当にも便利です。お子さんもこれなら若布も沢山食べることが出来ます。
さて、最後に冷や汁作りに取り掛かります。

冷や汁と言いますと、宮崎県のものが有名ですが、こちらは埼玉県の作り方で、こちらの方が夏向きでさっぱりと頂けます。冷や汁を知らない方にこれをお出ししますと、冷めた味噌汁のような印象を持つようです。これは大きな間違いで、山形の冷やしラーメンが冷めたラーメンではないのと同じように冷たく頂くための作り方をしています。
冷や汁と簡単に申しますが、夏野菜の冷製胡麻スープと言った方が正しいように思えます。たっぷりの煎り胡麻を擂って味噌を加え、スライスした茄子や胡瓜をこれでもかと言うほど突き合わせます。味噌の塩分で野菜がしんなりしたところに氷水を加えて完成です。後でお椀に盛り付けてから、刻み若布としらす干しを天盛りして、少し海っぽさを出しました。^^
涼味たっぷりの冷や汁の完成です。

薬味として、長葱や大葉、茗荷などがよく合います。これに崩した豆腐なども合いますね。夏の暑い日にご飯にこの冷や汁をかけて掻き込みますといくらでも入っていきます。今日はこれに白石温麺を添えて頂きます。
本日のお献立の完成です。

ちょうど1時間くらいで出来上がりました。夏は汗をかきますので、適当な塩分の補給は大切です。
こちらが銀鮭と若布の混ぜご飯である復興飯です。

銀鮭が低温加熱によりしっとりしています。焼いた塩鮭の混ぜ飯とは別物です。
ガーリックチップスがたっぷり乗った若布と卵の炒め物。

ニンニク風味で夏でも食欲が湧いてきます。大粒のニンニクでしたので、迫力がありますね。^^
胡麻の風味が利いている埼玉式冷や汁の海バージョンです。^^

冷や汁はそのまま汁物として召し上がっても美味しいのですが、このように温麺や細めのうどんを浸けながら食べるのも夏にぴったり。
初めての岩沼市中央公民館での三陸海の幸勉強会でしたが、山元町からお出で下さった方もおりました。魚食普及の輪が広がるのは楽しいですね。魚料理のレパートリーはレシピをどれだけ知っているかではなく、どれだけ作ったことがあるかです。ネットでどんなレシピでも手に入る時代ですが、手と舌で覚えない限り、単なる知識に過ぎません。魚食普及は情報や知識の提供だけではなく、このような地道な努力が必要であると思っております。
レシピです(4人分)
◆ 海の冷や汁 白石温麺を添えて
材 料: キュウリ・・・・・・2本
ナス・・・・・・・・2個
長葱・・・・・・・・半分
青紫蘇・・・・・・・4枚
塩蔵若布・・・・・・10g
しらすぼし・・・・・大さじ2
白胡麻・・・・・・・半カップ
赤味噌・・・・・・大さじ4
氷水・・・・・・・・700ml
白石温麺・・・・・・100~200g
(つけ麺のように食事にする場合は一人100g)
作り方
① キュウリ、ナス、長葱は薄い輪切りに、青紫蘇は千切りにしておく。
② 若布を水で戻して、細かく切っておく。
③ 擂り鉢に煎った白胡麻を入れてよく擂る。
④ ③に味噌と長葱を入れて混ぜ合わせる。
⑤ ④にキュウリとナスを加え、突くように馴染ませる。
⑥ ⑤に氷水を注ぎ、若布としらすぼしを加える。
⑦ 温麺を茹でて、水で洗い氷水で締めてから水気を切っておく。
⑧ ⑥を器に盛って、青紫蘇を天盛りし、⑦を添える。
※ 薬味としてミョウガや粉山椒、具に崩した絹ごし豆腐もよく合う。
※ 水で洗ったご飯にかけて食べても美味しい。
◆ 若布と卵のガーリック炒め
材 料: 塩蔵ワカメ・・・・・・・60g
卵・・・・・・・・・・・2個
ニンニク・・・・・・・・2片
胡麻油・・・・・・・・大さじ2
麺つゆ・・・・・・・・大さじ1/
醤油・・・・・・・・・大さじ1/2
七味唐辛子・・・・・・・少々
作り方
① 塩蔵ワカメは水で戻して適宜に切り、ニンニクはスライスにしておく。
② フライパンに胡麻油を敷き、ニンニクを炒めて香りを出す。
③ ②がカリッとしたら、取り出してキッチンパーパーで油を切る。
④ ③のフライパンの残った油でワカメを炒める。
⑤ ワカメの脇で溶き卵を炒め、スクランブルエッグにする。
⑥ ワカメに麺つゆと醤油をかけて馴染ませる。
⑦ ワカメとスクランブルエッグを混ぜて、皿に盛り、③を天盛りする。
⑧ 好みで七味唐辛子を振る。
※ 写真ではチリメンジャコもニンニクと一緒に炒めて天盛りしている。
◆ 復興飯(若布と銀鮭の混ぜ御飯)
材 料:米・・・・・・・・・・2合
塩銀鮭切り身・・・・・2切
塩蔵ワカメ・・・・・・10g
塩・・・・・・・・・・適量
ダシ昆布・・・・・・・名刺大
作り方
① 米をよく研ぎ、ダシ昆布を入れて炊き上げる。
② 銀鮭の皮と骨を取り除いて、微塵切りにする。皮と骨はとっておく。
③ 塩蔵ワカメはさっと水に浸し、まだ、塩味があるうちに水気を切って微塵切りにする。
④ 飯が炊き上がったら、昆布を除き、②をさっと混ぜて蒸らす。
⑤ 銀鮭に熱が通ったら、③を混ぜ込み、塩味が薄い場合は塩で調整する。
※ 皮と中骨は電子レンジで加熱して皮骨煎餅とする。皿にキッチンペーパーを敷き、皮と中骨を重ならないように並べ、上にもキッチンパーパーを被せる。500Wで3分を2~3回繰り返す。途中で庫内の水蒸気を扇ぎ出す。味が薄い時は塩を振る。
2016/08/22(月) 05:00 | trackback(0) |
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