浦霞の酒粕酵母でパン作り(1/3)

カテゴリー: 料理:穀・粉類

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 本日の夕餉はミネストラスパサラ、それに焼き立てパン。これにvino rossoで今宵も極楽。。。それはさておき、今回の話題はこのパンなのです。かつてパン作りにはまって、星野の天然酵母でよく焼いていましたが、酵母のコストが掛かるので次第に離れていきました。かといって、いくら便利でも天然酵母のパンの味を知ってしまったらもうドライイーストでは作れません。

 最近、偶然ですが、二人の知人が自分で抽出した天然酵母パン作りを楽しんでいることを知りました。二人はレーズンやリンゴなどから酵母を抽出していました。酵母は自然界に多く存在します。特に発酵過程でアルコールを産出するサッカロマイセス属(Saccharomyces)の酵母酒母と呼ばれています。

 パン作りにはアルコールではなく、酵母が糖を分解する際に発生する二酸化炭素を利用しています。もちろん酒母二酸化炭素を発生させますのでパン酵母として利用できます。呑兵衛の私は酒母を培養してみようと思い立ちました。酒母は酒粕に大量に含まれており、保存も簡単ですし。


 天然酵母酒粕酵母を使ったパン作りには次の工程が必要になります。

 ① 酵母液作製 :果実や酒粕を酵母の餌となる砂糖水に入れて増殖させる。

 ② 中種作製  :酵母液に強力粉と水を加えて発酵しつつある緩い生地を作る。

 ③ 生地作製 :中種と強力粉を捏ね合わせて発酵させ、パン生地を作る。

 ④ 形成・焼成  :パン生地を形成後再発酵させてオーブンで焼く。


 さて、これらの作業に入りますが、知人から気になることを言われました。酵母は低温でじっくり発酵させた方が品質の良いパンが出来るとのことです。 なんでだろう。。。厳しい環境で育てた方が後から大きな仕事をしてくれるのでしょうか。牡蠣の稚貝も子供の頃に空中干出を与えて日射や寒気に当てて育てた方が強く、成長の速い牡蠣が出来上がるのと同じでしょうか。



 それでは実験で確かめながらパン作りを始めます。酒粕浦霞の吟醸物を分けて頂きました。
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 3月末に絞った酒粕とのことで素晴らしい吟醸香を放っています。砂糖はてんさい糖を使いました。


 まずは培養のお決まりである容器の煮沸滅菌です。
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 これらのガラス瓶は容量350mlで、100均買ってきた物ですが、蓋がいい加減で液体を入れてシェイクしますと漏れ出てきました。


 滅菌後の瓶に酒粕とてんさい糖水を収容していきます。koubopan5.jpg
 酒粕は60g、てんさい糖水は200mlの温めた水道水(30℃)に大さじ1のてんさい糖を溶かしています。


 培養温度は3区分で比較します。それぞれの温度で培養する前に1時間ほど室温(21℃)に放置します。
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 冷蔵庫区の温度は記載ミスで、実際は5.5℃でした。室温区は培養期間中15~22℃、酵母培養器区は27℃です。



 あららら、室温で1時間静置しただけでもう既にぶくぶくと二酸化炭素が浮き上がっています。
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 予備実験で市販の酒粕で試した時は3日くらいしてから泡が見られたのに比べ、鮮度のいい酒粕は酵母の増殖も盛んです。直ちに滅菌したフォークで溶けかけた酒粕をほぐして、所定の培養場所にセットします。


 こんな感じで培養を開始します。上から冷蔵庫区室温区酵母培養器区です。
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 これから毎日、状況観察と攪拌を続けます。なんだか、仕事との境界がなくなってきたなぁ。


 
 4時間経過。冷蔵庫区では上澄みが見られています。室温区では大発酵中、培養器区は爆発酵中。
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 冷蔵庫の酵母液もまだ余熱もあり、発酵によって生じた気泡が酒粕の中を上った痕跡が見られます。


 16時間経過。冷蔵庫区の上澄みが多くなる。他2つはまだ盛んに発酵中。
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 観察後は滅菌したフォークで攪拌して空気を混ぜ込みます。

 
 28時間経過。室温区培養器区もピークを過ぎたようで上澄みが出来き始めたので冷蔵庫に移す。
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 冷蔵庫区では静かに発酵は続いているようで、気泡通過の痕跡がまだ認められます。


 40時間経過。全てを冷蔵庫に移して12時間。最初からの冷蔵庫区はコンスタントに発酵が続いている様子。
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 一方、培養器区は発酵が止まっています。燃料であるてんさい糖を使い果たしたのでしょうか。この後、このまま冷蔵庫で3日間保管しました。


 実験開始から5日目。冷蔵庫区はまだ発酵中ですが、ここで酵母液の作製と温度の違いによる発酵状況比較を終了します。当たり前ですが、微生物の増殖活動は温度により促進されますので、冷蔵庫ではゆっくりと進行しました。このことが、この後のパンの品質にどのような影響を与えるのでしょう。次回は中種作製パン生地作り焼成まで一気に進めます。

2016/05/16(月) 05:00 | trackback(0) | comment(0)
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