JAN
FEB
MAR
APR
MAY
JUN
JUL
AUG
SEP
OCT
NOV
DEC
22

これは何でしょう? 言わずと知れた肉団子ですね。日本料理ではこのような丸めたものを「丸」と呼びます。マルではなくガンです。よく鴨などで作られ、鴨丸(かもがん)などが有名ですね。でもこれは、庶民の味方、豚なんです。ですから、豚丸なんです。ぶたまるではなくぶたがんなのです。
本日は久々の蕎麦打ちなのですが、折からの寒波到来で冷え切っており、家人は温かい蕎麦じゃなきゃ食べないと申しております。仕方ねぇな、折衷案で冷たい蕎麦を温かい汁で食べる冷熱(ひやあつ)で妥協しました。
豚丸ですが、豚挽肉に摺り下ろした人参や微塵切りの長葱を加え、豆乳で少し緩くしておきます。

それに隠し香りのゴボウと生姜の摺り下ろしを少々。ゴボウが入るとちょっと引き締まった感じながら懐かしい風味になりますね。
もう一つの技はレンコンの粗微塵切りを加えることです。これによりカリっとした食感が加わります。

味付けは味噌を使いました。軽く塩だけでも良いと思いますが、冬場は少し深い味わいの方がフィットします。いずれにしましても、この餡は徹底的に練っておきます。
続いて、豚丸を茹でますが、これから出る旨みをつけ汁に移させます。自家製の蕎麦つゆをつけ汁加減に昆布だしで伸ばし、そこへ豚丸を落としていきます。



左手に餡を握って、親指と人差し指の間から1個分ずつ押し出して、それをすくって投下したいところですが、撮影しながらだと手の汚れが邪魔になります。そこで、スプーンを2本使って丸めています。
出来上がった豚丸は焼き長葱、茹でた青菜、柚皮の吸口などと椀に盛り、熱々の汁を張るのですが、それは蕎麦を茹でている間の仕事です。

今年の冬は1月末から冷え込んできましたが、塩竈では最低でも-3℃。そのためか今でも庭の柚子が凍みて萎れておらずに利用できています。
さて、蕎麦を打ってしまいましょう。今日の蕎麦粉は常陸秋そばです。



そう言えば、大晦日以来、打っていませんでしたが、比較的集中して打つことができました。
シャッキリ茹でて、浄化水で締めます。この時期、氷水を用意しなくても良いので助かります。


なかなか好く打てたので、このまま蕎麦つゆで啜り上げたいところですが、本日は豚丸で冷熱を楽しむと決めましたので初志貫徹。^^
熱湯で温めた丼に熱々のつけ汁を張り込みます。

この時期、器を前もって温めておくことは必須です。これは揚げ物や焼き物にも言えることですね。特に冷熱の麺類は汁の温度降下が速いので、途中で熱々の汁のお代わりも併用ですね。
豚丸からの旨みが熱々の汁に移り、それが冷たい蕎麦に纏わりついて絶妙のマッチングとなっています。

これは夏でも行けそうです。暑さで喘いでいる時はともかく、蕎麦だけでは物足りないが、天ぷらはくどく感じる時に豚丸つけ蕎麦は好都合かも知れません。
通常、鴨や鶏で作る丸を豚でやってみましたが、上記のように種々の工夫を加えると上品でありながら深い味わいの一品となります。蕎麦つゆにも様々なダシが使ってありますが、それに豚の脂も加わって、すき焼きのような賑やかな味わいとなります。それをシャッキリ締めた冷たい細打ち蕎麦で味わい尽くす贅沢。こんな変化球も楽しめる蕎麦は奥が深いです。今年も蕎麦打ちのスキルアップを目指します。^^
2016/02/22(月) 05:00 | trackback(0) |
comment(0)
コメントの投稿