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3-2 食がテーマのEXPO2015 (後編) @ Milano

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 これはEXPO2015のシンボルタワー生命の樹です。夜はライトアップされて、光のショーも楽しめるそうです。本命の日本パビリオンも無事に見物が終わり、ワインとともにランチも頂きました。次の目標はイタリア人の親友が薦めてくれたイタリアワイン館です。気温は33℃位、飲んだワインもすぐに蒸発する感じです。^^



 ふらふらと散策しながらの移動。メインストリートにはこのような食べ物のブースが所々にあります。
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 ですが、これらはイタリアの食品のイミテーションです。原料の豚もフィギュアの展示になってます。



 こちらがイタリアワインパビリオン。グラスワインのロゴマークにイタリア人のセンスが伺えます。
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 イタリア全土からワインが集められているそうです。無事に戻ってこれるでしょうか。いざ行かん!!


 
 巨大なフラスコのようなボトルに入った各種のワイン
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 濃紫色から明るい黄色までのグラデーションが美しい。一通り飲んでみたい。^^



 小さな行列があったので並んでみたら、セミナールームみたいな部屋に入れられました。
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 どうもイベントのようで、無料でスプマンテが試飲できるようです。テーブルには試飲用のグラスと水とグリッシーニが用意されていました。日本酒の試飲もこのスタイルを導入したのですね。 



 どうやら、TERNTODOCBRUT(ブリュット)を飲み比べるようです。
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 TRENTODOCとは、上の地図に示しましたようにイタリア最北部のトレンティーノ=アルト・アディジェ州のトレントで生産されるワインの品質を守るための統制原産地呼称でブドウの品種、栽培方法、収量、醸造方法に至るまで規定され検査もしているワインに付与される格付けです。TRENTODOCではスプマンテ・クラシコ(瓶内二次醗酵)という製法で発泡ワインを生産し、24ヶ月以上の熟成を経て出荷されます。BRUTはフランスのシャンパーニュの分類で添加される糖の量が15g/l以下の辛口のことを示します。



 飲み比べたのはトレントの5つワイナリーのスプマンテトレントの商工会議所の方でしょうか、雄弁にBRUTを語ります。
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 最初、個性的な風味のLETRARIから始まり、CAVITのALTEMASIに向かって徐々に気品のあるスプマンテへと移ったように感じました。進むにつれて泡立ちも細かく、持続時間も長く、シャンパーニュに近づいたようでした。そして、最後はFERRARIのロゼのスプマンテで締めるという趣向でした。




  少しずつですが、TERNTODOCの凄さを感じることが出来ました。
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 イタリアではワインだけではなく、オリーブオイルについてもその地域を名乗る以上、DOC(統制原産地呼称)の厳しい掟に従わなくてはならないのです。こういう努力によって、その地方のブランドが守られているのですね。
  


 

 スプマンテを堪能した後は有料の試飲です。イタリア全土から集めたワインを10EURO(1400円)で3杯飲めます。さぁ、次はいよいよVINO ROSSOだ。!!
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 代金と引き替えで渡される赤ワイン色の袋にはお持ち帰り可のワイングラスとカードが入っていました。



 自動販売機のようなサーバーにカードを挿入して好みのワインを注ぎます。
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 イタリアの州ごとにコーナーが分かれており、それぞれに100種類以上ありますので迷います。そんな時には各所に立っているソムリエさんに好みを言えばチョイスしてもらえます。


 
 かなり呑んだのですが、ギンギラギンの太陽の下では酔いもすぐ醒めます。正面ゲートに向かってふらふら散策です。
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 特徴的なパビリオンを3つ紹介。上から民族織物をデザインしたエクアドル、棚田のようなカンボジア、エリンギが生えたようなベトナムです。エクアドルはかつて仕事をしたことのある国だけに懐かしさが溢れ出ました。




 そしてこちらが、正面ゲートに近い木造のパビリオンゼロです。大地の丘陵を表現しているとか。デザイナーはMichele De Lucchi。この写真は公式HPのものです。
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 国際連合UNがEXPO2015のテーマであるFeeding the Planet, Energy for Life「地球に食料を、生命にエネルギーを」を表現・展示しているとのこと。キュレーターはDavide Rampelloです。



 エントランスを入ると暗闇の中に巨大な木造建築が現れます。引き出しもあり博物館の資料室のようです。
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 その脇には巨木が生えていますが、オブジェなのでしょうか。建築物のゲートくぐって中に入ります。



 中は体育館のように広く、みんなが入り口の方を見ているので振り返りますと。。。
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 そこには巨大なスクリーン。磯辺でイワシの塩漬け(アンチョビー)を作っている光景が広がっています。大昔の食料生産やその加工作業が次々紹介されていきます。



 次の部屋では穀物や豆を使ったアーティスチックな壁面展示や天井からは魚の群れが垂下されています。
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 人間はこれらを食べ物にして現在まで生き延びてきたんだという実感が湧きます。



 そして、一旦外に出て次の展示へと誘導されます。
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 そこにはエントランスの巨木が突き出ていました。これは元々ここに生えていた木を活かしたのでしょうか。



 再び館内に入るとそこにはジオラマが広がります。
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 手前には田園風景が広がり、遠くに摩天楼が林立する大都会が見えています。時間の流れを表現しているのでしょうか。子供の頃の絵本「ちいさいおうち」が蘇ってきました。



 大都会を横切ると次の空間は世界の食糧相場が示されたディーリングルームのよう。
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 食料もマネーゲームの手段とされている現実に直面します。



 そして、次の部屋にはショッキングがインスタレーションが展開します。廃棄される夥しい量の食物。越後妻有アートトリエンナーレで見たクリスチャン・ボルタンスキーのインスタレーション(関連記事)を思い出します。
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 これは決して誇張ではないでしょう。回転寿司やコンビニで廃棄される食品や価格の暴落で畑に放置される野菜など地球上では日々、これ以上の食品が無駄にされている反面、飢えて餓死する子供達も多くいるこの惑星。考えさせられます。




 ミラノ万博の後半ではイタリアワイン館でのワイン呑んだくれから、パビリオンゼロにおいて食料生産や食品消費の現代の歪みを目の当たりにし、酔いも一気に醒める思いをさせられました。グルメだの大食いだのと食料生産の現実を考えることなく消費することの多い現代、を大切にするイタリアにいる間に何かを学んで帰りたいと思います。




 驚愕のインスタレーションであった廃棄食物の展示室に掲載されていた掲示板にはこのように書いてありました。



全世界の食糧のうち毎年その30%に当たる約1億3000万トンが、無駄になります。
これは慢性的な飢餓に苦しむ世界中の約8800万人を養える食料の4倍以上です。

その傍ら、5歳以下の肥満の子供は42万人存在します。
さらに、この地球では大人のうち5億人が肥満なのです。

 


     
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2015/09/04(金) 05:00 | trackback(0) | comment(0)
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