(8)本場のピビムパプとクッパプに納得
カテゴリー: 外食:丼・オーバーライス
今回の訪韓で一番長くステイした晋州市は釜山から西に約100Kmにあります韓国を代表する学都です。6つの大学が集積し、人口33万のうち約30%が学生という活気に満ちた街ですが、1000年以上もの歴史のある古都でもあります。晋州市につきましては前記事で詳解していますのでご覧下さい。こちらに滞在中には、日本に留学経験のある国立慶尚大学のJ先生に大変お世話になりました。食事についても、先生に安くて美味しいお店を紹介して頂きましたので安心して食べることが出来ました。
この記事では、日本でもすっかり有名な韓国のご飯物、ピビムパプ(ビビンバ)とクッパプ(クッパ)をご紹介します。私の記憶が正しければ、東京の焼肉店には両方とも既に40年前にはありました。学生時代、バイトしてお金が入ると後輩を連れて焼き肉屋に行き、奮発してカルビクッパを食べるのがささやかな楽しみでした。晋州ではそれぞれの専門店を訪ねて、本場の味を堪能することができました。
J先生、一押しの伝統的なピビムパプで有名な天凰食堂(チョナンシッタン)さんです。シッタンって食堂という意味です。
あとで知ったのですが、地球の歩き方にも紹介されているくらいの有名店でした。店内は意外なくらい質素で、田舎町の大衆食堂のようです。そうなんです。ピビムパプは晋州では日常食であり、日本のように焼き肉屋で〆に食べるものではありません。
ピビムパプの専門店ですが、それ以外にも何品かあるようです。ハングル基本文字140字はなんとか訪韓前に読めるようにはなりましたが、読めても意味が分かりません。^^
先生にお願いして、適当に見繕ってもらい、アルコールも出してもらいました。マッコリを飲みたかったのですが、それは専門店で飲ませるから我慢しろということで、日本でも売っています鏡月のチャミスル(19.5度)の2合ビンを与えられました。^^
いつものように、サービスのキムチやカクテキ等の前菜が様々並びます。
こちらのキムチは年代物のようで、白菜の茎の部分が透明化しています。ものすごく塩っぱく、一切れでご飯一膳は行けてしまいます。先生によると、このように漬かり過ぎたキムチはチゲやジョンゴル等の鍋に入れると威力を発揮するらしいです。スープみたいなのは、水キムチです。
ピビムパプの他には2品しかないようで、その一つがこのユッケです。以下の2品は注文した料理です。
余計な飾り付けがないのが、いかにも日常的な感じでいいですね。肉は上質な物を使っているそうです。肉の下には梨の千切りが敷いてありました。
先生が手際よくユッケを混ぜ合わせてくれます。
これは素晴らしい美味しさです。口の中でとろけてしまいます。味付けは胡麻油にコチュジャン、醤油、蜂蜜などでしょう。梨の千切りが爽やかで牛肉と素晴らしいコラボをしています。
もう一つの料理は、この焼き肉です。焼き肉屋さんではないので、卓上では焼かず、調理して出されます。
下味がしっかり付いていて香ばしく、ビールや焼酎に最適なですね。
さて、お目当ての晋州ピビムパプですが、いわゆる日本で言うユッケビビンバですね。
盛り付けも無造作でいいですね。日本の華やかなビビンバとは異なり、本場に来たという実感が湧いてきます。
もちろんのこのように混ぜ混ぜして頂きます。ピビム(混ぜる)+パプ(ご飯)がピビムパプですからね。
ご飯は牛のスープで炊いてあるそうで、ご飯自体が美味いのです。ところで、右のスープは晋州名物で牛の血を固めたものが入ったソンジククと言います。てっきりレバー入りのスープだと思ってました。
さて、翌朝、ホテル近くの市場を散策しています。韓国の市場街は何処も似たような雰囲気です。
この市場街にも早朝からやっている食堂があります。その点は日本の市場と同じで、安くて美味しいお店も多いはずです。
先生に教えて頂いたクッパプの美味しい食堂(チェイルシッタン)さんです。市場街から脇に入った少し怪しい所にあります。
紹介がなかったら、ちょっと恐くて入れないでしょうね。知らない国では地元の方の情報が大切です。
黙ってもクッパブが出てきます。日本のクッパとはずいぶん異なりますね。
日本だと野菜を卵で綴じたクッパややや辛めでカルビの入ったカルビクッパが主流ですけど。朝からカクテキが出てきます。ニンニク臭に抵抗がありますが、みんな食べてますから。。。^^
少し熟成した青菜漬けの千切りやキノコ類が使われています。
スープは牛でがっつりダシが取ってあるようです。クッパブはスープ(クク)+ご飯(パブ)ですので、いわば汁かけ飯。市場関係者の忙しい朝食には最適です。成り立ちが深川めしに似ていますね。
刺激が欲しい向きには刻み青唐辛子が用意されています。
使おうとしましたら、お店の人が顔をしかめて手を振っています。日本人には無理だから止めておけという意味でしょう。それでも、使ってみましたが、やはり、従っておくべきでした。^^
本場のピビムパプとクッパプを晋州の裏通りや市場街で頂きましたが、両者とも日常的な食べ物であり、日本のように韓国焼き肉のあとで〆に食べる物ではありませんでした。従って、盛り付けや価格も肩肘張らない大衆的な食べ物でした。ただ、これらも韓国内の各地方によりずいぶんと変わるそうなので晋州のものが韓国の代表ではありません。ソウルでは観光客を狙った日本の焼き肉屋のようなお店が増えているようなので、お洒落なピビムパプとクッパプが登場するのかも知れません。

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