牡蠣とスパークリング酒で春を迎える宴
カテゴリー: 料理:貝類
春牡蠣の旬を迎えつつあります。春の牡蠣は身がぷっくらとしていて、加熱しても縮みません。身の大きさも20gを優に超え、生食よりも加熱調理に向くようになります。そんな牡蠣の美味しさを知ってもらいたいなぁと思っていたところ、じぇるぶ岩沼の小濱社長が素晴らしい宴を企画して下さいました。名付けて「牡蠣とスパークリング酒で春を迎える宴」。約20名の皆様にたっぷり楽しんで頂きます。
牡蠣の他にもご馳走はたくさん。アンチエイジング料理の先生でもあり、野菜ソムリエのまさみさんがオードブルを提供。
マルブン食品さんの揚げ蒲鉾を主体にしたカラフルなピンチョス。そして、感銘したのがポテトのオーブン焼きなんですが、その形状から「王蟲(オウム)ポテト」。ポテトにヒダ状の切り込みが入れてあり、風の谷のナウシカに登場したあれに似ています。ココナッツミルクをかけて焼き上げていますので香りも豊か。
こちらは揚げ蒲鉾のカルパッチョ風。
エリンギとの組み合わせもアイディアですね。
春菊と根菜のサラダです。
根菜類はしっかりとした味付けで春菊と合わせると良い具合になります。
こちらはえんがわカフェのシェフ千葉さんとカレーショップのマダムイトウの合作でカレーで和えた草香麺や米粉のパスタ。
カレーがスパイシーで美味しく、パスタ類ともよく合っています。このキャンディー風の盛り付けもえんがわカフェにはよく登場します。
これは千葉さんの作品でトマトと豆腐のソースを乗せて焼いたトーストです。
面白いアイディアです。天盛りされたサルサ・ジェノベーゼが佳い味のアクセントになってます。
乾杯はタイトル通りのスパークリング日本酒、BENTENです。酒米はつや姫です。
山形県東置賜郡高畠町の後藤酒造店さんのお酒です。甘味が抑えられていて、和食にもよく合うスパークリングです。
さて、いよいよ春牡蠣です。日本酒たっぷりで蒸し上げた牡蠣に今が旬の春の海藻を添えました。葱ポン酢で食べて頂きます。
牡蠣は身がふっくらで甘く、冬の牡蠣とは別物です。海藻は志津川町の漁協婦人部の皆さんが取ってくれました。マツモはさっと湯がいて、フノリはそのまま生で供しています。
そして、意外だったのがこちら。生ヒジキです。
通常、乾した物しか出回らないのですが、生が手に入りましたのが、適度な硬さになるまで茹でてみました。ボクボクとした歯応えが面白い食べ物となり、皆様に大好評。これは商品になるなと実感しました。
続いて牡蠣のグリルですが、オリジナルです。
牡蠣のグリルと言いますと、オイスターロックフェラーやモーネイ(関連記事)が有名ですが、こちらはベシャメルソースを作る過程でココナッツミルクとグリーンカレーペーストを加えています。牡蠣のグリーンカレーが美味しいので、これは合うなと思い作ってみました。
最後は皆さん大好き牡蠣フライです。
自家製タルタルソースにはリンゴとローズマリーの超微塵切りを加えているところが意匠ですかね。
春牡蠣や生ヒジキの美味しさが伝わって嬉しかったです。問題はこれらをどうやって皆様の食卓に乗せるかですね。最近の若世代の家庭では魚貝類は外食するものとなりつつあります。肉に比べてやや高いのと残滓が出るのも嫌がられているようです。ただ安く販売しても駄目で簡単に作れる料理を広めると同時に生ゴミのスマートな始末も教える必要があります。
和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界から評価されても、当の日本では食卓の欧米化が進んでいます。そうは言っても日本人が今でも長寿なのは魚貝類を中心とした水産物の摂取量が多いからで、ある段階で消費量の減少を止めなければなりません。
肉食文化の欧米でもキリスト教圏では金曜日には肉を食べず、魚料理にしています。日本でも土曜日は家族で魚料理を作って食べる日になってもらいたいなぁ。これから料理教室でもこの習慣付けを提案させてもらいましょう。
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