作ってみました信州の投汁そば
カテゴリー: 料理:麺類
このところ、ほぼ毎週末に蕎麦打ちの練習をしていますので、蕎麦に関する記事が多くなっています。蕎麦にあまりご関心のない皆様にはまたか。。。(-_-) かも知れませんが、そのうち元に戻りますのでご勘弁を。^^ この蕎麦の記事に多彩な才能をブログで発揮されているluckystreamさんからコメントを頂きました(関連記事)。
luckystreamさんが安曇野に住んでいた頃にはまった「とうじそば」の情報を頂きました。なにす?「冬至蕎麦」?。正直、聞いたことがありませんでした。信州の蕎麦に関する書物も読んでいただけにショックでした。どうやら具沢山の鍋で蕎麦のしゃぶしゃぶをやるようなのですが、今一、ピンと来ません。戸隠蕎麦の本を持ち出してペラペラめくっていますと、イメージに近い蕎麦が紹介されていましたが、「おにかけそば」と言う名前らしい。「鬼掛蕎麦」? 。信州は変わった名前の蕎麦が多いなぁ。
混乱してきましたので、さらにネットで調査しますと、「とうじそば」は「投汁そば」であり、鍋の汁に専用の網杓子で蕎麦を入れて温めるスタイル。これを汁に蕎麦を投ずるから「投汁」になったそうです。投ずるは投げ入れるではなく、中に身を置くであり、投宿の投と同じ意味でしょう。信州でも岐阜県境に近い野麦峠周辺のお持て成し料理だったとか。一方、「おにかけそば」は「お煮掛けそば」であり、味噌仕立ての鍋の汁を蕎麦に掛けて頂くのが原点とか。主に戸隠などの北信濃の郷土料理らしいっす。(モヤさま風^^)
ところが、現在はこの両方が渾然一体となり、「お煮掛けそば」でも鍋の中で温めて食べるため、「投汁そば」と区別が付かなくなっているそうな。なんだか外来種によって遺伝子が攪乱されているみたいだなぁ。どちらも在来種ですが、片方から見れば国内外来種かな。
さて、前置きが長くなりましたが、今日は醤油ベースの原種に近い「投汁そば」の方を作ってみます。^^
本来は具として茸・山菜類と山鳥らしいのですが、骨付きブツ切り鶏モモを主役に茸、油揚げ、長葱と鶏団子も用意しました。
蕎麦は先刻打ちました田舎そばです。信州そばはもう少し色白で細めですが、勝手が分からないの鍋の中で延びないように田舎そばから体験してみます。
まず、鍋に自家製そばつゆを薄めていれ、鶏モモのブツ切りを投じます。^^
そこへ、鶏団子をスプーンですくって投じ、煮固めます。団子からも良いダシがでますので、一石二鳥ですね。鶏団子は鶏挽肉に牛蒡、人参、青葱などの微塵切りを混ぜ合わせ、味噌少々と片栗粉を練り込みました。
続いて、残りの具材の半分を加えて、そばの汁は完成です。
残りの具材は卓上で煮ながら食べ進めます。蕎麦を温めるスペースも必要ですし。
蕎麦を茹でて冷水で締めて卓上へ。これで準備は整ったはず。
あとから、栄養バランスを考えて、青菜もたっぷり用意しました。^^
本来であれば蕎麦を温めるのに左のような専用の投汁籠を使うらしいのですが。。。
味噌汁用の網杓子や水切り用のお玉です。どちらが使いやすいか比較実験です。
意外や意外、こちらのステンレス籠の方が圧倒的に使いやすい。
汁の交換は悪そうですが、軽く上下すれば汁が入れ替わります。柄も水平に付いているので鍋の中で安定が良いです。これを鍋に入れっ放しにして、蕎麦を箸ですくって一口分ずつのしゃぶしゃぶできます。
本来はこのように椀に一杯分ずつの蕎麦を温めて、汁や具材とともに食べる蕎麦料理です。
これは囲炉裏端でお客を持て成すために主人や家人が何回かに分けて熱々を供したのでしょう。でも、これだと呑みながらには、腹に溜まりすぎ。上記のような一口しゃぶしゃぶの方が長く楽しめます。^^
luckystreamさんのお陰で蕎麦の新しい世界が広がりました。山間の郷土料理なので茸や山菜が具材のメインとなったのでしょう。これを三陸バージョンにするために冬の海の幸で試したくなりました。牡蠣鍋や寒鱈鍋でやってみたらどうだろう。妄想の原野はどんどん広がってまいります。^^
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