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今年も飯寿司(いずし)を仕込みます

カテゴリー: 料理:農産加工品

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  にわかに寒さが本格化してきましたね。先週まで暖かだったので、まだ体が順応していません。今週末も真冬並みの寒さになるそうです。みなさま、ご自愛下さいませ。ところで、この写真、何だかおわかりでしょうか。白い粉が吹いたご飯のように見えますね。そうです、カビの生えたお米なんです。でも、ただのカビではありません、麹カビです。日本人の食生活に大きく貢献しているニホンコウジカビ Aspergillus oryzae です。先日、塩釜神社の表参道側の本町通りを走っている時に偶然、麹専門店を発見し、思わず飛び込んでしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 塩釜神社、正しくは鹽竈神社の表参道へ続く本町通りは塩竈海道と命名され、長年の整備事業がほぼ完了しました。整然とした中に歴史を感じさせる町並になりました。
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 総事業費45億円、20年の歳月をかけて完成させました。かつてのどぶ川添いの細道が立派に姿を変えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 歩道の所々には塩竈を歌った和歌の石版や塩竈ゆかりの文学を紹介した石屏風が配置されました。
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  塩竈は古くから都の人々に愛され多くの和歌に登場します。そのうち、塩竈百人一首と称して100首を選び、石版に刻みました。それらを石屏風とともに、塩竈曲水と命名した人工のせせらぎに沿って設置しています。これを読みながら散策するだけでも1日かかりますね。

 


 

 


 

 

 

 

 この塩竈海道には銘菓志ほがまで有名な丹六園さんや塩竈の地酒浦霞の工場(株式会社佐浦さん)もあり、その歴史を感じる佇まいがこの道路の雰囲気づくりに大きく貢献しています。
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鹽竈神社の表坂の横には四季の松島や於茂多加などを製造している阿部勘酒造さんもあり、この門前ストリートは地酒ロードでもあるのです。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 さて、今回発見した三本木屋麹店さんです。丹六園さんの並びにあります。
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創業100年以上になるとのことですが、今の今まで気付きませんでした。この道路の整備に伴い、きれいに改築されたので、目に止まったのでしょう。愛想の良い奥様とすっかり話し込んでしまいました。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 今、できたばっかりの米麹です。契約農家に作ってもらっている食用ひとめぼれを使って一切添加物なしで作っているそうです。
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  周辺の酒造メーカーへ麹を供給しているのかと思いましたら、一般の方向けに販売されてきたそうです。こちらの麹のファンは多く、遠くからも買いに来られるとのこと。みなさん、味噌甘酒三五八漬け作りに買い求めるとのこと。

 

 

 本来は900g、850円なのですが、ちょっと持て余しそうなので無理言って、半量の450g、425円にして頂きました。この麹屋さんを見つけて、今年はまだ飯寿司を仕込んでいないことに気付きました。正月には間に合わないかも知れませんが、さっそく、帰って漬け込みます。


 

 

 飯寿司は寿司の原点、なれずしと握り寿司であるはやずしの中間にあり、長期保存はせずに一月程度で熟れた頃に食べていきます。石川県のかぶら寿司や秋田のはたはたの飯寿司、北海道のニシンやホッケの飯寿司が有名です。ただ、飯寿司ボツリヌス菌による食中毒の危険性があり、安易に作るべきではありません。詳しい作り方は、過去の記事に書いておりますので、下記をご覧下さい。


     

 

      飯寿司の詳しい作り方は、こちらです。


 

 

 

 

 

 さて、本年はハタハタやニシンの飯寿司に挑戦したかったのですが、刺身でも安心して食べられるような鮮度のものが手に入らず、定番の紅鮭となりました。
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 紅鮭以外の主な材料はご飯丼一杯と米麹300g、それにキャベツや人参などの野菜類、調味料として天然塩、醸造酢、日本酒、それに千切り生姜と輪切りの鷹の爪です。野菜はざくざくと切って塩を振り、しんなりとさせます。人肌程度の温度にしたご飯に米麹をよく混ぜ合わせ、日本酒を振りかけておきます。紅鮭は皮を取り、薄くスライスしてから軽く酢に浸します。紅鮭は辛口の塩引きを使って下さい。

 

 


 

 

 

 

 

 

 あとはミルフィーユのように積み込んでいくだけです。漬け物容器の内側にナイロンバッグ(ビニール袋)を広げ、野菜麹ご飯紅鮭の順で詰め込み、これを2回繰り返して最後は野菜で蓋をします。千切り生姜と輪切りの鷹の爪は適当に散らして下さい。
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 なるべく隙間がないように、ぎっちり詰め込んでいきます。予想より多くの材料が詰め込まれます。

 

 

 

 

 


 

 

 

 最後にナイロンバッグを閉じて、上から重石をします。これを冷蔵庫の野菜室で保管します。
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 プラ容器に釣りのオモリを入れて、重石に使ってます。1月に入れば床下収納でも大丈夫でしょうが、日中、気温が10℃を超える場合は、冷蔵庫を使った方が無難です。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 今年は仕事が立て込んで、飯寿司を仕込むのがすっかり遅れてしまいました。正月までには乳酸発酵もまだ不十分だと思います。温度を上げれば、発酵が進むのですが、これは危険です。まかり間違うと食中毒事件になりかねません。飯寿司は正しい知識がなければ、作ることの出来ないフグのような禁断の食べ物なのです。^^ こちらを十分お読みなってから、作りましょう。

 

 

 

 

 

 

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2009/12/19(土) 05:00 | trackback(0) | comment(4)
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庄内人

URL | [ 編集 ] 2009/12/20(日) 08:16:27

サエモンさん、プチご無沙汰です。
飯寿司はハタハタバージョンしか食べたことないです。
でも、紅鮭もおいしそう!
ハタハタより色もキレイでお正月向きですねえ。

サエモンさんや寿丸さんの麹レシピに触発されて
私も先日、塩麹(のようなもの)を作って鶏肉を漬け込んでみましたが
しょっぱくなりすぎて失敗。まだまだ修行が必要のようです^^;



サエモン

URL | [ 編集 ] 2009/12/20(日) 10:43:25

  庄内人さん おはようございます。

 寒くて釣りにも行けません。畑も雪に埋まってます。
こんな日は何か煮込み料理でも作って過ごすのがいいですね。

 宮城では鮮度の良いハタハタやニシンが入手しにくいので残念です。
今年こそはあのとろけるように美味しいニシンの切り込み(麹入り)を
作りたかったのです。北海道まで買い出しに行ってこようかな~。^^

 そうそう、塩麹も三五八もどれくらい漬け込むかは、塩分濃度や
漬ける物のサイズによって変わります。これだけは経験を積むしか
ないようです。麹と鶏や豚はよく合いますので習得すれば、食生活
に幅が出ます。

 それと、麹もカビの種類は同じでも、製造所によってずいぶん変わります。
今までは荒町の佐藤さんを頼っていましたが、今回見つけた三本木屋さん
も信頼できそうで助かります。

庄内人

URL | [ 編集 ] 2009/12/21(月) 05:31:45

フムフムなるほど、麹もそれぞれ個性があるんですね。
そう言われてみれば当然かあ。生き物だし。
私もぜひ自分と相性の良い麹を見つけたいものです。。。^^

サエモン

URL | [ 編集 ] 2009/12/21(月) 05:44:48

  庄内人さん>

 同じ麹でも日本中の製造所で長い間、継代培養されてきますと
どうしても遺伝的な偏りが出てきます。時々、よその血(遺伝子)を
混ぜれば、均一化が図れるのでしょうけど。

 従って、糖化するスピードやアミラーゼ以外の酵素などが
微妙に変化して、生成物の味がそれなりに異なってくるものと
推定されます。なるべく自分の好みの麹屋さんを見つけることですね。

 三本木屋さんの麹で甘酒も作ってみましたが、透明な甘さの
スッキリタイプで好みでした。











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