10月9日のNHKためしてガッテンで「うまっ!次世代パスタ」という番組が放送されたことを後から知りました。なんでも茹で時間が1分になる裏技らしいのですが、恐らくそれは食感や食味を犠牲にしている流行の時短料理だろうと気にも留めませんでした。
最近になって、パスタ通の友人が「あの技は使える。」と言ったものですから、それでは検証してみようという気になりました。ためしてガッテンのアーカイブから「あの技」を探し出し、通常の茹で方と比較試験してみました。「あの技」とはパスタを予め水に浸しておくというものです。浸漬時間は1.4mmの太さなら1時間、1.7mmで1時間30分、1.9mmで2時間が目安だそうです。
今日は私一人のランチなので、150gのパスタを半分にして、片方を水に浸けます。
1.4mmなので浸漬時間は1時間にします。パスタ100gに対して水は300ml、冷凍バッグに入れて室温で処理しました。
その間にソースを用意します。
本日は違いがわかりやすいように、アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノとラグー系にも合うか試したかったので、白モツのボロネーゼ風の2種類を用意しました。
1時間後。パスタが変なことになってます。白っぽくなってヘナヘナしてます。
なんか周りも少しべとついて気持ち悪い。そもそも、乾燥パスタは多めの塩を加えたタップリのお湯で一気に茹で上げるものですよね。こんなことしたら麺の腰が抜けてしまうのではないでしょうか。
不安をとりあえず置いておいて、通常のパスタを指示通りの時間で茹で上げます。
これには2%ほどの塩を加えています。塩の力も麺の腰に影響しますからね。
一方、こちらは水浸しのパスタ。なんとお湯に入れた瞬間、透明感が戻ってきました。こりゃ、まるで手品だな。^^
塩は加えていません。お湯も通常より少なめです。でも、茹で上がりは普段のパスタと全く変わりません。ただ、パスタは他の乾麺類と違って塩を練り込んでいないので、塩なしで茹でて腰は出るのだろうか。。。不安その2。
左は水浸しパスタのアーリオ・~とボロネーゼ。右が通常茹でのパスタ。
これでは全く差がないように見えますね。
アーリオ・~同士を子細に見比べますと、心持ち上の水浸しの方が表面がベタついているような気がします。
ところが食べてみると、ほとんど差がない。水浸し単独で出されたら何も気付かずに食べ終わってしまうでしょう。気のせいかも知れませんが、水浸しの方がほんの少しフレスカ(生)に近いような気もしますが、誤差範囲でしょうね。
これは良いことを覚えました。翌日、妻の広島土産で牡蠣のパスタを作ってみました。
この日は二人分250gを水浸し法で試します。
牡蠣のオリーブオイル漬けのパスタです。同じく広島土産のレモスコを垂らしながら頂きます。
このパスタ、かなりいけますね。小粒の牡蠣でも美味しく出来そうです。初めから自分で作る場合は、牡蠣を甘めの味付けでハーブやスパイスと煮て、大蒜の薄き切りと鷹の爪の輪切りとともにオリーブオイルに漬け込んでおきましょう。このオイルで玉葱を炒めてから、パスタと牡蠣を和えます。
いやいや、今回は目から鱗が3枚は落ちました。^^ 非常識なパスタの茹で方でこんなに美味しくと言うか、変わらずに頂けるのですからビックリ仰天です。水で戻したパスタは冷蔵庫なら3日間、水気をとって冷凍バッグに入れれば、冷凍庫で1カ月は保存可能だそうです。じぇじぇじぇ!!
これって、もしかしたらプロの裏技?それの内部告発だろうか?^^ パスタ専門店ではあり得ないでしょうが、街の食堂やファミレスなんかでは十分通用すると思われます。こんなこと、今まで知らなかったことが恥ずかしいような気もしました。それは兎も角、この茹で方は燃料と水の節約にも繋がりますし、パスタが災害時の非常食としても適しているということも再認識されました。これ、乾麺のウドンや蕎麦ではできないのですよ。
コメントの投稿