サエモン式ニラ饅頭の検証
カテゴリー: 料理:野菜・果物
ニラ饅頭は皆様ご存じのことと思います。餡にニラの割合が多い餃子と饅頭の中間のような点心ですね。信州のおやきのような皮もあれば、パリンと薄い物まで日本に伝わってから、かなり変異が生じているようです。
台湾や中国北部では韮菜盒(ジュウツァイホァ)と呼ぶようで、ニラが入った小箱を意味するそうです。大きさや形、加熱方法には若干違いがあるようで、南米のエンパナーダのように半月形だったり、いわゆる饅頭のように満月だったりします。また、天板でお好み焼きのように焼く場合もあるし、鍋で多めの油で揚げ炒めすることもあるそうです。
上の写真は以前より手抜きで作っていた餃子の皮のニラ饅頭です。スナックとしてよりもっぱら酒のつまみとして食べるので、皮は薄い方が向いているのです。これはこれで美味しかったので、あまり改良も加えず、現在に至っています。でも、餃子の皮が一番適しているのでしょうか。ちょっとモヤモヤが生じました。これは即座に解決してしまいましょう。
今回は皮を変えて、仕上がりの比較検討を試みます。
従来から使ってきた餃子の皮に、ワンタンと春巻きの皮で比べてみます。
餡はニラをメインに豚挽肉とエビ(バナメイ)、味付けは顆粒のチキンスープ、醤油、砂糖、胡麻油、胡椒、五香粉に卵白です。
台湾や中国ではこれに、炒り卵、春雨、豆腐なども入るそうですが、私はニラのシャッキリ感を楽しみたいのであまり他の具材を増やしません。
エビは剥き身にして事前に包丁でよく叩いておきます。エビと挽き肉を混ぜ合わせ、調味料を加えたら粘りが出るまでしつこく練ります。
そのまま食べるものなので味はしっかり付けておきます。最後にニラを混ぜ合わせ、餡の完成です。
それでは、皮に包んで参りましょう。まず、定番の餃子の皮からです。
小鉢に餃子の皮を花びらのようにずらしながら重ねて行きます。この時、中心部に穴が開かないようにし、重ね目は水溶き小麦粉で接着しておきます。皮の内側に餡を乗せます。
続いて、餡の上に皮を1枚乗せて周囲の皮を折り込んでいきます。
やはり、重ね目は水溶き小麦粉でしっかり接着し、揚げている途中でばらけないようにします。
最後に手のひらで形を整えます。
少し圧をかけて握り、皮が密着するようにしておきます。
こちらは、ワンタンの皮ですが、包み方は餃子の皮と同じです。
かなり薄いので、最後の形成の時に力を入れすぎると破けます。
一方、こちらは春巻の皮。少し小さく切って使います。
春巻の皮だと一枚で包みますので、上と下で皮の厚みに差が出てしまいますね。
とりあえず、3種類を2個ずつ包みました。
左から餃子、ワンタン、春巻の皮で包んだニラ饅頭です。時間をおきますと皮が餡の水分でふやけますので揚げに掛かります。
フライパンで饅頭が肩まで浸るくらいの油で揚げていきます。
最初、やや低めの温度でじっくり揚げ、後半、火を強くして一気に狐色にしていきます。途中、何回も天地返しをして色ムラを防ぎます。
まずは定番の餃子の皮。いつも通りに出来ています。
皮は厚くもなく、薄くもなく、ちょうど良い具合ですね。
これはワンタンの皮のニラ饅頭ですが、パリパリと皮が弾けるように割れます。
これは饅頭というより堅めのパイのような食感ですね。悪くはないのですが、餡とのバランスが今一なのです。
こちらは春巻の皮で作ったですが、予想通り、上下で皮の重なりに大きな差があるために、食感が不均一です。
それに底の部分は薄い皮が一枚なので、水分でふやけています。これは問題外ですね。やはり春巻の皮の場合は常法の包み方が良さそうですが、それではニラ春巻になってしましますね。
ニラ饅頭を今まで使ってきた餃子の皮にワンタンと春巻の皮も試してみましたが、結論として、もっとも私が相応しいと感じたのは、期せずして餃子の皮となりました。それでも、これはなんちゃってニラ饅頭であり、本物を作るためには中力粉をまじめにこねて薄く伸ばす必要があります。いずれにしましても、油を減らしたヘルシーなタイプがお望みなら、餃子のように最初、少量のお湯を注いですぐ蓋をし、その後両面を少量の油でカリッと焼けば良いでしょう。
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