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【塩竈市】蔵元ツーリズムに参加しました(前編)

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 千賀の浦(塩釜湾)にが立ち込めています。まさに浦霞。今月初めのことになりますが、塩釜小売酒販組合塩釜酒販協同組合の共催による酒蔵見学会がありました。塩竈の二つの酒蔵、浦霞醸造元(株)佐浦さんと阿部勘酒造店さんを同時に見学できるのです。


 さらに、日本酒の相性を楽しませてくれるそうです。なんと、充実した1500円(参加費)ではありませんか。でも、申し込みの時に、「呑み会ではありませんので、満足するまではお出しできません。」と念を押されました。すっかり、見透かされているようですね。^^




 集合場所は浦霞の佐浦さん。すでに呑兵衛、失礼、日本酒愛好家の皆様がお集まりなっています。
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佐浦さんの正面にある神社仏閣の玄関のような構造物は向拝というそうです。元々、鹽竈神社の別当寺であった法連寺にあったものを慈雲寺経由で平成18年に移築したそうです。


 

 浦霞(うらかすみ)は宮城を代表する銘酒ですね。
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 佐浦さんの創業は享保9年(1724)といいますので、かれこれ300年近く創業されています。こちら本社蔵のほかに東松島に矢本蔵も持っています。実はゴルフ場(仙塩ゴルフ倶楽部浦霞コース)も経営されています。あ、そうそう、佐浦という名字ですが、伊達藩から酒造りを命じられた時、佐藤家と三浦家が共同で始めたことから、佐浦になったとか。。。

【佐浦さんからの補足説明】 
 
佐浦家初代尾島屋富右衛門は、京都の佐藤七左衛門の次男で京都から塩竈にやってきて、三浦屋権右衛門という人の婿養子となりました。分家し、はじめは糀製造を営んでいましたが(糀の製造は室師という特別な職種があり、室役、室師役という税を納め営業の許可をうけました)、享保9年(1724年)に酒造株を譲り受け創業致しました。のちに藩主伊達氏より鹽竈神社の御神酒を納めるようにとの御下命を受けたと伝えられています。 
 
 ありがとうございます。


 見学会の開催に当たり酒販組合の組合長さんのご挨拶がありました。
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 醸造も含めた日本酒の正しい認識と肴との相性を体感して頂きたいとのこと。これから2班に分かれて二つの蔵を見学し、最後に試飲と肴を頂きます。




 私の班は浦霞の佐浦さんから巡ります。
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 佐浦さんの家紋は不思議な図柄ですよね。人参のようでもあり唐辛子のようでもあり。これは、なんと、クローブ(丁字)をデザインしたのだそうです。すでに江戸時代から南蛮貿易で輸入されたスパイス(漢方薬)も扱っていたそうです。




 酒蔵のシンボル、杉玉(酒林)です。蔵人さんから詳しい説明を受けます。メガホンじゃないのが格好いい。^^
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これは、秋に酒を仕込む時に作って掲げ、新酒が出来上がる時に緑色だった杉が茶色に変わって、その完成を知らせるものとされています。合理的な宣伝方法でもあったわけですね。山形県の大山地区では新酒の頃にの杉玉を掲げてましたね。(関連記事




 ここは洗米するエリア。通常は下のステンレスのトレーでザブザブ洗うそうですが、精米度合の高い吟醸米は崩れないように竹籠で手洗いするそうです。
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 ササニシキやまなむすめなどの県産米がほとんどで、兵庫県の山田錦も一部使われるそうです。




 続いて、米を蒸す釜です。手前は米が2300Kgも入るそうです。湯気もうもう。
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蒸し上がった米は人力で2時間かけて取り出すそうで、えらい重労働だとか。




 これは、酒母を一次培養させるための樽だそうです。こうやって、使った後は天日滅菌させます。
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 ところで、横の赤い消火栓の上方に白い横線が見えますね。津波がここまで来たそうです。津波ライン残して頂いてありがとうございます(関連記事)。細菌相にデリケートな酒蔵では復活させるのに相当の苦労があったことでしょう。




 こちらは酒母の二次培養させるためのステンレスのタンク。
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 最初、もろもろしていた酒母と蒸し米はやがてどろどろになり泡立ちます。すでに佳い香りが立ち上ります。




 こちらが醸造タンク麹黴が蒸米から作り出した糖分を原料に酒母がアルコール発酵を行います。
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出来上がった酒母に順次、蒸米、麹と仕込水を加えて本仕込を行います。通常、初添、中添、留添の三段階に分けて仕込みが行われるので、三段仕込と呼ばれています。蓋はしておりません。異なる銘柄酒も同時に醸造させるそうですが、酒母が同じなので多少のコンタミは問題なし。




 発酵が完了した醪(もろみ)は圧搾機(酒絞り機)で酒と粕に分離されます。
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 後方はアコーデオン型の薮田式自動もろみ搾り機、手前は吟醸酒などに使われる槽(フネ)搾り式圧搾機。この後、絞られた酒は濾過、火入れ、貯蔵の行程を経て瓶詰めされます。





 これは現在は使われていない大木で作られたテコ式の圧搾機。
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 手前の大木の中が削られ、丸太が差し入れられています。ここを支点とし、反対側に石の重しを掛けて(力点)、中程の作用点で絞ったのだそうです。




 ここで、試飲タイムです。大吟醸の生酒です。
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 爽やかな果実香と透明な甘さでいくらでも呑めそう。でも、空きっ腹なので、猪口二杯でも胃袋がかぁ~と熱くなりますねぇ。^^




 佐浦さんを代表する浦霞という銘柄は大正時代に当時、摂政宮であった昭和天皇に献上するために付けたものだそうです。
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 それ以前は、八雲、富正宗、宮城一の酒銘を並酒、上級酒、特級酒に使っていたそうです。明治28年度の酒造家番付に東の横綱として、九代目佐浦もとさんの名前が読み取れます。




 佐浦さんを後にして、阿部勘酒造さんを目指します。
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 まだ残る古い町並みの説明を受けています。ここの茶舗は元遊郭だったそうです。



 
 店頭で焼き魚を焼く松野鮮魚店さん。銀鱈や赤魚の美味しそうなこと。これで酒呑みたい。
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 お店の中には鮟鱇の友和えや刺身など色々並べており、どれも酒にぴったりなものばかりでした。




 こちらは地酒の熊久(くまきゅう)さん。浦霞於茂多加(阿部勘)を始め、県内県外の地酒がぎっしり。
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 地酒のワンカップも各種ありました。驚いたことに、お店の奥にはサロンがあり、ここで松野鮮魚店さんのお総菜持ち込んで、酒を呑んでも良いそうです。




 松野鮮魚店さんと熊久さんを組み合わせると、素晴らしい塩竈ぶらり旅が企画できそうです。更科の天ぷら中華、鹽竈神社、御釜神社、松野さんの焼き魚やお総菜を熊久さんに持ち込んでの地酒ツアーはどうでしょう。最後はぐらの焼き肉かタベルナ・ジローのイタリアンでしょうか。はたまた、仙台屋食堂の中華かな。暑くなる前に募集しますので、ご応募ヨロシクお願い致しま~す。



       後編へ続く。。。




浦霞醸造元 株式会社佐浦

・所在地   :宮城県塩竈市本町2-19 
・電 話    :022-362-4165



阿部勘酒造店

・所在地   :宮城県塩竈市西町3-9
・電 話   : 022-362-0251


松野鮮魚店

・所在地   :宮城県塩竃市本町10-5
・電 話   :022-362-1668
・営業時間 :7:00~19:00
・定休日  :日曜・祝日
・駐車場  :なし


熊久商店

・所在地  :宮城県塩竈市本町11-5
・電 話   : 022-362-0441
・営業時間 :8:00~19:30
・定休日  : 水曜日
・駐車場  :なし

2013/04/19(金) 05:00 | trackback(0) | comment(0)
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