仙台駅弁伊達幕(仙台駅)
カテゴリー: 外食:その他
この日は東京出張、霞ヶ関に行ってあれこれ説明してこなければなりません。正直、気が重いのです。いつもですと、東京で何食べようとかなぁとルンルンで行くのですが、今日は落ち着いて昼飯を食べるゆとりもありません。
それにしてもこのE4系新幹線Maxやまびこののんびりとした面構えには、張り詰めた心も癒されますね。鉄ヲタはこれをカモノハシに見立てるようですが、私には肩の張りから初代ウルトラマンに登場したジャミラを思い起こさせます。(古)
さて、時間がないとなれば、駅弁を車内で食べましょう。・・・と、どでかいポスターが目に止まります。
NRE(日本レストランエンタプライズ)さんが昨年リリースした伊達幕、伊達家にちなんだ幕の内弁当とのことです。NREさんは、これの他にも塩竈藻塩弁当、南三陸海宝弁当、女将のおもてなし弁当などを出していますね。
それにしてもやたらに目に付きます。
ここまでアピールされると、相当自信があるのだろうと思ってしまいますね。^^
で、これを仕入れてやまびこに飛び乗りました。なかなか伊達なデザインです。
黒い箱に小さな文字、伊達の甲冑のようにシックで品格を感じさせますね。
蓋を開けるとリーフレットが出て参りました。凄いこだわりようです。これによりますと、この伊達幕は伊達62万石の領内から収穫された選りすぐりの食材を中心に藩政時代の料理書などを参考として、現代風にアレンジしたものとのこと。
この伊達幕はNREさんが伊達家十八代当主伊達泰宗さんに伊達家にまつわる弁当を作りたいと持ちかけたところ、全面的な協力を得たとされています。巻末には伊達泰宗さんの推薦文があり、食通であった政宗公が「少しも又、料理心のなきは、拙き心なり」と言い残したことを紹介されています。全く同感であります。^^
さらに内蓋を取りますと、ちょっと感動的な光景が目に飛び込んできます。
ポスターで内容は把握していたとはいえ、実物はそれ以上に美しく見えます。この弁当箱は九曜紋という太陽の周りを回る惑星をイメージした文様に因んでいるそうですが、私には韓国の李氏朝鮮時代の宮廷料理九節板クジョルパンを連想させます。それもそのはず、ここ一月余りは韓国ことで頭がいっぱいでしたからね。
周囲の惣菜は八つの小部屋に区切られて盛り付けられています。向こう側は伊達巻きと鮭の仙台味噌焼きです。
伊達巻きと伊達家の関係はよくわかりませんが、まあ、洒落と言うことでしょう。鮭の漬け焼きは伊達家の正月料理にも登場する子籠鮭をイメージしているそうです。子籠鮭は焼いた鮭の腹にイクラを詰めたもので、この鮭の下にもイクラがパラリと敷いてありました。
正面から時計回りに目を移しますと、仙台名物ずんだ餅と鶏のつくねが串に刺さって収まっています。
これはずんだ餅ならぬずんだ白玉団子でした。やはり、餅ですと時間が経つと堅くなってしまいますからね。これはデザートとして最後に頂きましょう。つくねは正宗公が鳥の肉が大好きだったことから取り入れたそうです。このつくねには軟骨も刻み込まれていて歯触りが楽しかったですね。
次は手前に位置しますホタテのかぴたん漬けと牛肉野菜巻きです。
かぴたん漬けとはキャプテンのことで、つまり、ポルトガル人が伝えた料理。すなわち、現代の南蛮漬けのことですね。これが甘酸っぱくてこの幕の内の中では異彩な味わいです。牛肉巻きは豚と違って冷めても美味しいものなのですね。
続いて、凍み豆腐の煮物と青菜の浸し物です。
凍み豆腐は言わずと知れた岩出山の名産品。岩出山はかつて正宗公が城を構えた地です。青菜は地物の伝統野菜を取り入れたそうですが、これは水菜でした。
なるほど、伊達家も協力してプロデュースした伊達幕。十分楽しむことが出来ました。最初、ヒモを引っ張って温める牛タン弁当に しようかなと思ったのですが、牛の栄養学的なパワーより、政宗公の「少しも又、料理心のなきは、拙き心なり」という言葉の栄養が効いたようです。この記事はタイマーを仕掛けて、自動的にアップしています。私はいま、順調であれば釜山から西へ100Km ほどの晋州に着いている頃です。韓国の食べ物レポートは来週からのご報告になる予定です。それにしても訪韓直前に韓国の伝統的宮廷料理九節板クジョルパンそっくりの伊達幕を頂けたのは何かの導きがあったようですね。^^
新幹線ホームの駅弁販売コーナーもしくは
駅弁屋 旨囲門(NRE)
- 所在地 :仙台駅2階コンコース
- 電話 :022-267-5861
- 営業時間 :6:00~21:00
- 定休日 :無休


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