【美里町】冬の海の幸で料理教室
カテゴリー: 料理:買い魚
広々とした雪の田園風景。海辺で生活していますと水平線は見慣れているのですが、どこまでも続く田畑の光景は新鮮に感じます。氷点下の空気を鼻で吸いながら、チクチク感を楽しんでいます。と、ここまでは良かったのですが、突然、悲劇がやってきました。
景色に見とれて一歩前に踏み出したら、ズズっーと道路の法面を滑り落ち始めました。この時点では、下に落ちたところで膝くらいまで雪に埋まり、ズボンの中に雪が入って脛やふくらはぎが擦られてちょっと痛いかなという想像をしていたのですが、甘かった。雪の下は空洞になっていて、なんと中に用水が流れていたのです。片足がすっかり水没し、電撃のような冷たさに襲われます。
慌てて這い上がり、車のヒーターで温めましたが、靴下までは乾きません。時間もなかったのでそのまま、ミッションを遂行しました。
今日は美里町の公民館で冬の海の幸の料理教室です。冷たい濡れた靴下でお料理を作ります。^^
こちらでの教室は昨年の9月以来、2回目です。前回は三陸の養殖ギンザケを主体にした献立でしたが、今回はバラエティー豊かな冬の海の幸を揃えました。
本日のお献立は以下のとおりです。レシピは文末に掲載します。
吸い物 藻塩を使った塩竈汁
刺 身 活ホタテの刺身漁師風
揚げ物 牡蠣フライをポン酢おろしと藻塩で
御 飯 三陸ビビンバ冬バージョン
調理実習に入る前に本日使う魚貝類の生産方法や復興状況、塩竈の藻塩の説明をPPでプレゼンさせて頂きました。
本日の受講生は美里町中埣地区のお母さん達です。農家の方が多く、新鮮な海の幸の料理に大変関心がおありです。それに、野菜や米などの材料は皆さんの持ち寄りで揃ってしまうのです。
では、調理に取り掛かりましょう。まずは活ホタテを開けて頂きます。
ほとんどの方が初めてとのことなので苦戦されていました。指を挟まれて悲鳴を上げる方もおりました。
それでも、きれいに出来上がりました。この時期は卵や白子も発達しています。
これは活ホタテをハーフシェルにして醤油を垂らしながら、スプーンですくって食べる刺身です。ヒモは塩を振って金ザルで擦り付けるように磨き洗いし、小口に切った卵や白子とともに盛り込みました。
続いて、牡蠣フライです。これは皆さん手馴れたもの。
今日はソースやタルタルではなく、ポン酢おろしや藻塩で牡蠣の味を確かめて頂きます。
盛り付けもそれぞれの工夫が見られます。
牡蠣フライが生野菜に触れないようにしています。冷えたり、ドレッシングが牡蠣フライに触れないようするためです。
昆布と焼いた秋刀魚の骨やギンザケの皮で取ったダシでご飯を炊き上げました。
20人で1升5合はちょっと多かったみたいです。大盛りになりました。^^
三陸ビビンバの盛り付けをしています。
三陸ビビンバはご飯にメカブ、銀鮭のほぐし身、イカそうめん、イクラなどを乗せたものです。ちらし寿司のように見えますが、納豆ご飯のように掻き混ぜて頂きます。
南三陸町のキラキラ丼にも見えますね。
でも、酢飯ではありません。新潟の五郎めしをモデルとして開発した丼です。メカブを納豆の代わりとして、全体をまとめます。
藻塩を使った塩竈汁も出来上がりました。
塩竈汁は秋刀魚のつみれと真鱈が主体の潮汁です。
はい、三陸の海の幸4品の完成です。
皆さま、手際よく調理されましたので、90分ほどで出来上がりました。
まずは、活ホタテの刺身です。
醤油を垂らしてスプーンですくって頂きます。皆さま、ホタテの貝柱の弾力とあふれる甘さに驚いていました。
塩竈汁の秋刀魚のつみれもふんわりとして最高。
藻塩だけの味付けですが、昆布だしとつみれからの旨みも加わって実に豊かな味わいとなってます。
定番の牡蠣フライですが、ポン酢おろしで食べますとまた違った味わいになります。
藻塩で食べても牡蠣の味がよく伝わります。
綺麗に盛り付けられた三陸ビビンバですが、掻き混ぜてしまいます。
これをスプーンでワシワシと掻き込むのです。ギンザケの脂やイカそうめんの歯応え、プッチンイクラも加わって賑やかなご飯です。
「野菜ぐらいしかないけど持って行って下さい。」と皆さまが栽培された菜っ葉や根菜をたっぷり頂きました。
小松菜もご近所にお裾分け致しました。紫玉葱や水菜まで栽培しているのですね。
出だしから冷たい用水堀に片足が浸かり、不吉な予感もありましたが、無事に教室を終えることが出来ました。ジンジンする足をひたすら隠しておりましたが、帰り際、下駄箱の所で公民館のスタッフの方から、「先生、靴の片方が色違いますね。」と見つかってしまいました。黄土色のバックスキンが片方だけ焦げ茶色になってますから、当然です。恥ずかしながらカミングアウトしましたら、大層不思議そうな顔してましたね。車で来る途中に用水堀に落ちるなんて、きっと変な人だと思われたでしょう。^^
【作り方(4人分)】
◆ 藻塩を使った塩釜汁 (レシピ記事)
材料:マダラ切り身・・・・2切れ
冷凍サンマ・・・・・2尾
豆腐・・・・・・・・半丁
長葱・・・・・・・・1本半
生姜・・・・・・・・1かけ
溶き卵・・・・・・・半個分
藻塩(大さじ1)、味噌(大さじ1)、片栗粉(大さじ半分)、ダシ昆布、日本酒(大さじ2)七味唐辛子
【サンマのすり身を作る】
① 長葱は微塵切り、生姜は擂りおろしておく。
② サンマは3枚におろし、肋骨を剥き採り、皮を剥ぐ。
③ ②を包丁で粘りが出るまで叩き、①と味噌、溶き卵、片栗粉を加え、
よく練り合わせる。
【汁を作る】
① 水1.2リットルにダシ昆布を入れて沸かす。
② 藻塩と酒を入れて味を調整する。
③ 昆布を取り出し、サンマのすり身を濡らしたスプーンですくって入れる。
④ 一口大に切ったタラと豆腐を入れて、再度、味の調整をする。
⑤ 最後に斜め切りの長葱を放して火を止める。
⑥ 七味唐辛子をかけて頂く。
◆ 活ホタテガイの刺身漁師風
材料:活ホタテガイ・・・・4枚
塩・・・・・・・・・小さじ1
醤油、練り山葵
① ホタテガイの貝殻の付着物を洗い流す。
② 金属ヘラかテーブルナイフを貝殻の隙間から差し込み、平らな方の貝殻だけを外す。
③ ウロ(黒い内臓)を引き剥がし、それにつながる卵や白子とヒモも取り去る。
④ 卵は一口大に切り、ヒモはお湯をさっとかけてから塩を振って金ザルに擦りつけて白くする。
⑤ ②の貝柱の周囲に④を盛り付ける。天に山葵を盛る。
⑥ 醤油を垂らしてスプーンで貝柱を外しながら食べる。
◆ カキフライを柚子ポン酢おろしと藻塩で
材料:剥きカキ・・・・・・・20個(約300g)
薄力粉・・・・・・・・1カップ
卵・・・・・・・・・・1個
パン粉・・・・・・・・2カップ
揚げ油・・・・・・・・2リットル
柚子ポン酢・・・・・・半カップ
大根・・・・・・・・・1/4本
レタス・・・・・・・・1/2個
紫玉葱・・・・・・・・1/2個
トマト・・・・・・・・1個
カイワレ大根・・・・・1束
藻塩・・・・・・・・・大さじ1
① カキは3%の塩水で洗い、汚れや貝殻片を取り除く。
② 大根おろしを作り、よく水分を絞ってポン酢に入れる。
③ ①に薄力粉を塗す。溶き卵に潜らしパン粉を付ける。
④ 180℃の油でキツネ色になるまで揚げる。
⑤ 皿に盛り、生野菜を飾り付ける。
◆ 三陸ビビンパ 冬バージョン (レシピ記事)
材料:米・・・・・・・・・・・3合
塩銀鮭切り身・・・・・・2枚
スルメイカ刺身・・・・・2人前
刻みメカブ・・・・・・・2カップ
調味イクラ・・・・・・・大さじ4
長葱・・・・・・・・・・1/4本
甘酢生姜・・・・・・・・千切りで大さじ4
煎り白胡麻・・・・・・・小さじ4
薄口醤油(大さじ1)、日本酒(大さじ1)、ダシ昆布
① よく研いだ米3合にダシ昆布を入れて炊く。
② 銀鮭を焼き、骨と皮を外してほぐし身にしておく。
③ 長葱は粗めの微塵切りにしておく。
④ 煮切った酒に醤油を加えてメカブに味を付けておく。
⑤ 炊き上がったご飯を丼に盛り、千切り甘酢生姜と白胡麻を散らす。
⑥ 中央にメカブを盛り、その上に②とイカ刺を紅白に盛り付ける。
⑦ ③を散らして、イクラを周囲に盛り付ける。よく掻き混ぜてスプーンで食べる。
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