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【山形県東根~村山2/3】東根の街並みと美味探索

カテゴリー: 紹介:加工食品・調味料

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 東根
の街を漫ろ歩きますと至る所で庭木の冬支度が見られます。雪の重みで折れないように毎年、初雪の前には済ませているのです。この苦労は雪の少ない地方の方には分からないでしょう。越後長岡藩の家臣河井継之助が主人公の小説「」でもこの冬支度の虚しさが描写されていました。でも、これは雪国に住む者に与えられた試練であり、修行であり、習慣なのですが、決して虚しいとは思えません。樹木への愛情が深まり、美的センスも醸成されますし、何よりもこの忍耐強さは震災時にもきっと役立つでしょう。




 東根の街にはこのような佇まいが随所に見られます。蔵も残っており、宮城の村田町のような雰囲気でもあります。
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 チラッと見えている看板の東根豆糖。こちらの名産菓子で、煎った落花生や大豆に砂糖蜜を塗して乾かした物です。


 


 これは町外れの東根小学校の校門です。まるで神社かお城のようです。
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 周りの壁にも△や挾間(弓や鉄砲を撃つ窓)が空いていました。実際、ここは旧松前藩の陣屋であったそうで、この辺りの地名も本丸と言います。




 授業参観に寄ったのではありません。こちらの小学校の敷地内にある大ケヤキを見学に参りました。
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 実に見事な巨木です。その大きさに圧倒されました。説明書きによりますと、樹齢は1500年以上で樹高28m、幹囲は16mもあります。根元近くに子供ならくぐり抜けることができそうな洞が空いています。夜になるとなにか出てきそうですね。^^




 さらに街をぶらつきますと、面白いお店を発見。壽屋さんというお店です。ちょっと寄ってみましょう。
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白壁の大きな蔵が遠くからでも目に入ります。円柱型のポストも懐かしいですね。




 漬け物や地酒を販売されていました。漬け物は20種類位あったでしょうか。
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近江商人が伝えたというおみ漬けを買い求めました。そういえば、壁の色紙に食物い物のことであると書いてありました。蓋し名言。




 囲炉裏でお茶を勧められます。おっ、鯉の自在鉤ですね。いいですね、こういうの。
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 囲炉裏端にのシロップ煮(コンポート)が鉢に盛られています。一つ頂きますと口の中でとろけました。何と芳醇な味わいなんでしょう。壽屋さんの銘菓に茜姫がありますが、これは完熟した地元の節田梅を砂糖やりんご酢などで漬け込んだ物でさらに上を行くのでしょうね。



                         ままけ
 こんな商品も発見しました。わらわら飯喰はですって。さっさとご飯を食べておしまいではなく、ごはんですよ~という意味とのこと。一袋150gで315円。
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 麹と青唐辛子、ウリ、昆布などを漬け込んだ物らしい。置賜のあけがらしのようなような甘辛系麹食品でしょうか。一つ買って、夕餉に試してみましょう。




 東根駅の近くではこんな素敵なお店にも出合いました。お麩の専門店のようです。
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 創業が文久年間とのことですから、少なくとも150年は営業を続けてらっしゃいます。




 通りに面した店舗の奥にはお麩の工房やお麩料理を食べさせる麩懐石料理処清居があります。
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 板前さんが京料理で有名な閑清居で修行されたのでしょうか。次ぎに来る時の課題店になりました。




 この周辺はお麩の製造販売店が多く、古くから名産地だったそうです。
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 地名である六田を冠した六田焼麩が発展して様々な麩産業を生み出したようです。この地区は江戸時代から小麦の栽培が盛んで水も良かったので麩の生産には最適だったとのこと。




 お店に入って真っ先に見付けたのは、、、、やっぱり試食です。^^
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 やはり囲炉裏に蓋をして麩料理や麩製品が気前よく並べてあります。お茶と一緒に頂きます。

 



 これは麩まんじゅう。生麩に黒胡麻の餡がたっぷり詰められています。これは1/4に切ったものです。
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 生麩のもっちり、くちゅくちゅ感が黒胡麻餡と合わさると妙味が口に広がります。




 こちらは焼麩を使った料理2品。手前が煮物で奥が揚げ物です。
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 いずれも、水で戻してから切って調理します。揚げ物は調味してから丸めて粉を塗して揚げたそうです。焼麩とは思えないしっかりとした食感です。ご主人曰く、ここの麩でしかこういう食感は出ないのだそうです。つまり他の麩よりグルテンの含有量が多いということでしょう。



 
 試食が終わりましたら、買い物です。麩製品の種類が多くて、迷います。
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 生麩(下)も様々な種類がありました。




 さんざん迷って、選んだのがこれだけ。夫婦揃って倹約家なので。^^
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焼麩と生麩のかやく饅頭、正月用に紅葉麩です。次の記事では帰宅後に作った麩料理も紹介します。




 東根の街はじっくり時間をかけて巡り歩いてみたいですね。古き佳き物が沢山残っています。それに伝統を重んじつつも、現代流にアレンジしながら継承してきた美味、佳味、妙味の数々。まだまだ、お宝が潜んでいそうな東根の街でした。次の記事では北隣の村山市を訪ねます。


 
【山形県東根~村山1/3】そば処東亭の肉そば   

  【山形県東根~村山3/3】バラと温泉、土産で夕餉
  
 3/3はアップした後にリンクを張ります。





壽屋寿香蔵 http://akanehime.com/

・所在地   :山形県東根市大字東根甲544
・電 話   : 0237-42-0173
・営業時間  :9:30~18:30
・定休日   :年中無休
・駐車場   :店の脇にあり



創業文久年間 文四郎 http://bunshiro-fu.com/

・所在地   :山形県東根市六田2-2-20
・電 話   : 0237-42-0117
・営業時間  :8:00~18:30
・定休日   :不定休
・駐車場   :店の裏にあり

2012/12/20(木) 05:00 | trackback(0) | comment(8)
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anego

URL | [ 編集 ] 2012/12/22(土) 00:14:05

そういや、まめとうやさんの店内にも囲炉裏&試食がありました。
東根ではスタンダードなおもてなしなのでしょうかね・・?

麩会席と梅ヶ枝清水(めがすず)は、私も課題店でした!

sobajin

URL | [ 編集 ] 2012/12/22(土) 06:46:16

原始林を開墾して最初に蒔いたと思われるのが蕎麦です。入植のとき持ってきたのは玄蕎麦、開墾で畑らしくなった土地に種を蒔けるのは6月下旬から七月上旬、75日で収穫できる作物は蕎麦しかなかったのですね。その蕎麦を主食に冬を越したと思われます。
自分たちも蕎麦を作っておりますが、なかなか大変です。昔の人たちに思いし蕎麦をいただいています。
東根へはしばらく行っていないのですが、大ケヤキなど懐かしく拝見しました。次回も楽しみです。

まめこ

URL | [ 編集 ] 2012/12/22(土) 08:33:07

地元東根リポートありがとうございます!

小学生の時大欅の穴に入ってよく遊んでいたりしていました。
今見ても本当に圧倒されます。

壽屋さんもまめとうやさんも実家のご近所さんなので懐かしい~の連発^^

村山リポートも楽しみにしています。

あいしゅ

URL | [ 編集 ] 2012/12/22(土) 10:48:18

試食の煮物、美味しそうですね

味のしみ込んだ麩は大好物です
これに山形青菜があったら、ごはんがすすむクン

サエモン

URL | [ 編集 ] 2012/12/22(土) 20:42:15

>anegoさん

 東根だけではなく、山形市内でも老舗の漬物屋さんなどは
この方式を取ってますね。これは山形県でも村山地方の風習なの
でしょうか。庄内では見かけませんか。ぜひ、明日、聞かせて下さい。

やっと、明日の仕込みが終わりました。さて、わらわら飲んでとっとと
寝っぺし。^^

サエモン

URL | [ 編集 ] 2012/12/22(土) 20:44:41

 >sobajinさん

 そうすると、北海道入植当初は蕎麦が主食だったのですね。
低温でも栽培できる米が品種改良されるのはずっと後ですからね。

東根。。。いい街ですね。何日かかけてじっくり歩き回ってみたい
です。またまた、何か発見があるでしょうね。

サエモン

URL | [ 編集 ] 2012/12/22(土) 20:47:14

> まめこさん

 コメントありがとうございます。

 東根のご出身でしたか。古き良き昔が残っている好い町ですね。
甘いものが苦手なので豆糖は手を出しませんでしたが、伝統を
守っている姿勢に感銘致しました。

 次はいよいよ温泉です。乞うご期待^^

サエモン

URL | [ 編集 ] 2012/12/22(土) 20:49:37

 >あいしゅさん

 山形は試食がこのように大盤振る舞いなので嬉しいですね。
ワンカップ4つ持って半日居座りたいけど、きっとイエローカード
でしょうね。^^

 東根の六田麸は弾力が凄いですね。すっかり惚れ込みました。
自宅に戻り次第、あれこれ作ってみましたよ。次の記事です。












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