【北仙台】隆生丸で四年ぶりの盃
カテゴリー: 外食:居酒屋・割烹
JR北仙台駅からほど近い高層マンションの谷間に昭和の香りが漂う横丁があります。その名も昭和町の仙台浅草。この日は4年ぶりに伺う魚料理のお店で4年ぶりに忘れ物を受け取るのです。この間、何度か訪問したのですが、定休日と重なったりして機会に恵まれず、そのうち、石巻に転勤、さらに昨年の東日本大震災後には気仙沼へ転勤となり、すっかり足が遠のいておりました。
そのお店は浜料理隆生丸さんと申しまして横丁の西口近くに位置します。
志津川ご出身の親方が飛び切り新鮮な魚を使った料理を出してくれます。初めてだと中の様子がわからず、ちょっと入り難いのですが、中は人情味あふれる昭和の世界が広がります。
先日、anegoさんの記事を見ていて、何としても再訪したいなと思って電話をかけたら、何と隆生丸さんで呑んでいましたよ。^^ その時、親方が私の小さな忘れ物をまだ捨てないで預かってくれていることを知らされます。で、トントンと話が進み、翌週に席を取ってもらった次第です。常連さんですぐに席が埋まりますので予約が必要なのだそうです。
まだ、日が沈む前のビル街を歩いて到着。汗をかいたのでとにかく水分を。^^
こちらのお店のお通しは少し時間が掛かります。それを待たずして、とにかくビールを終わらしておくのです。
なぜなら、これがお通しだからです。鮮度抜群のお造り4点盛りです。本日は活ホタテ、殻付きウニ、カンパチ、〆イワシでした。
これはやはり、日本酒でしょう。で、ビールはとりあえず軽く終わらせておくのです。^^
志津川では作っていない志津川というお酒(森民酒造)を常温で頂きます。
この盃は堤焼きの素焼きです。私の忘れ物は実はこれなのです。今を去ること4年前、堤焼き探訪の小旅行に出た時、堤焼きの佐大商店で4代目の佐藤達夫さんから直々に頂いたのでした。
その帰り道、どうしてもこれでお酒を呑みたくて隆生丸さんに飛び込んだのでした。それもドジなことにお店にこの盃を忘れて帰ってしまったのでした。この件は以下の記事をご覧下さい。
【御城下探訪:堤通】陶芸の里を訪ねる(中編)2008.10.27
【御城下探訪:堤通】陶芸の里を訪ねる(後編)2008.10.28
大切に持ち帰って、翌日、しみじみ眺めます。釉の掛かっていない素焼きの温もりが感じられます。
まだ、高台も研がれておらず、未完成なのですが、登り釜で日常食器類を焼いていた頃の物ですから、戦前の作品ではないでしょうか。昨年の東日本大震災ではあのギャラリーも相当のダメージを受けたはずです。どうなっているのでしょう。
さて、隆生丸さんに戻ります。親方は次々と料理を作り出しています。
L字のカウンターを囲み10人ほどが語らいながらお酒を楽しみます。面白い話にはどこから突っ込まれるかわかりせん。親方も交えての座談会形式です。^^
冷蔵ショーケースにはその日の魚貝類が並べてあります。
私は右手のアラに注目。これを炊いて下さいとお願いします。
それで出されたのがアラとナスの炊いたん(煮付け)。
甘めの濃い煮汁なのでお酒がよく入ります。^^
お酒ももっきりでお願いします。この注ぎ方が芸術的。
受け桝も表面張力で盛り上がっています。これは桝にも口を付けて呑まねば溢してしまいます。
これはこちらで人気のホヤ味噌を使った揚げナスの田楽ですね。
甘味噌の中にホヤの身が練り込まれていて、時折、ホヤの風味と苦味が弾けます。
これは隆生丸名物、千切りセロリのサラダです。
これが呑んだ後には爽やかで実によろしい。
あんまり美味しいので作り方を教えて頂きました。
大きめのセロリの根元を薄切りにしてから千切りにしていくだけですが、切られた断面が輝いています。やはり、プロの包丁捌きは違いますね。
先ほどのアラ煮の煮汁を使って焼きおにぎりを作って頂きました。
これがまた、〆に最適。おにぎりに魚の旨味が染み込んでいます。
志津川ご出身の親方ですが、お身内やご実家も昨年の大津波で被災されたそうです。それでも、以前と変わらず、癒し系のキャラで酔客を優しくもてなしてくれています。魚を中心とした料理屋ですが、野菜をっ使ったオリジナルな料理も作り出している努力に敬服させられます。何年も預け放しにしていた堤焼きの盃も大切にラップに包んで保管されていました。誠にありがとうございました。お付き合い頂きましたanegoさんYさん、どうもありがとう。また、出没しますのでよろしく。
浜料理隆生丸
・所在地 :仙台市青葉区昭和町5-55
・電 話 :022-271-4820
・営業時間 :17:00?23:00
・定休日 :日曜日
・駐車場 :なし
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