柚香塩麹味噌ホルモン気仙沼風
カテゴリー: 料理:肉・卵・乳
味噌味のホルモンとキャベツの千切りとくれば、言わずと知れた気仙沼ホルモンですが、これはちょっと違います。先日、大震災前に仕込んだ塩麹が1年ぶりに発掘され、白味噌と合わせた西京漬けを作ったところ最強であることがわかりました(関連記事)。そこで、今回はホルモンで試してみようという企てです。
スーパーでハラミ、カシラ、シロのセットが安かったので買い求めました。
気仙沼ホルモンだとレバーやハツ等の内蔵系がもっと入るのですが、今日はちょっと肉っぽくて上品になってしまいました。^^
まず、塩麹味噌を作ります。塩麹小さじ半分に白味噌小さじ1を酒で溶きながらよく合わせます。
分量はホルモンに薄っすらと塗すくらいで、漬け込むようでは塩辛くなりますので要注意。名残の柚子の皮も摺り入れ、風味を楽しみます。気仙沼ホルモンだと普通ニンニクですが、今日は上品ついでに和風で行きます。
ホルモンに良く混ぜ合わせ、ラップをかけて2~3時間馴染ませます。
この間の塩麹の麹カビが産出するプロテアーゼ(蛋白分解酵素)が働きますので、硬い肉も少し柔らかくなります。
これをフライパンで炒めます。
寒い季節は窓も開けられず、家の中で炭火を使うのは気が引けますね。でも、仕上げは炭火で焼いたように香ばしくしますのでご安心を。
さっと炒めたら、カートリッジガスバーナーで焦げ目を付けて行きます。
これで表面はカリカリになります。煙知らずで炭火焼きの美味しさを味わえます。
春キャベツの千切りをたっぷり敷いた皿にザーッとホルモンを盛り込みます。
炭火焼きと違って溢れた肉汁もキャベツに染ませて食べることが出来ます。脂と塩麹味噌が合わさったソースは抜群の美味しさです。もちろん、柚香塩麹味噌で調味したホルモンや肉も程よい甘味と柚子の香りで今までにない味わいです。
ホルモンの余熱で少ししんなりした春キャベツが最高。
気仙沼ホルモンは漁船員のために開発されたホルモン焼きで、航海中の生野菜不足を補うために、ホルモンといっしょに千切りキャベツにソースをかけてワシワシ食べるのですが、今回はホルモンの旨味をキャベツに染ませるところに意匠があります。
柚子風味の塩麹味噌で気仙沼ホルモンを少しモディファイしてみました。ウスターソースでキャベツを食べるのはホルモンとの一体感がなくて、今一、腑に落ちなかったのです。炭火焼きはカリッとした香ばしくさが魅力ですが、滴る旨味を逃してしまいます。これを回収しつつ、香ばしさも加えてという発想からこのやり方に落ち着きました。
とうとう、貴重な1年物の塩麹を使い果たしてしまいました。また、米麹を仕入れて仕込み直しです。このところお世話になっているのが塩竈の三本木屋麹店さん、こちらの記事で詳しく紹介しています。先日のしおがまイケ麺オリンピック(前記事)の際に買っておきました。さっそく、塩麹を仕込みましょう。そうそう、近年の塩麹ブームに便乗して、添加物だらけの瓶詰塩麹もどきが市販されています。買い求める時には原材料表示を確認して下さい。でも、次のように簡単ですので、自分で作りましょう。
三本木屋麹店さんの米麹は食用米を使っていますので安心です。約900gで850円になります。
これで一年分の塩麹を仕込みます。他の材料は天日干し塩とミネラルウォーターだけです。
米麹をほぐしてから重量30%の天日干し塩を加え、さらによく揉みほぐします。
米麹+塩と同重量の水を加えて、さらによく混ぜ込みます。素手でやった方が上手く行きますね。
よく混ぜたら蓋付き容器に収容して、この季節なら常温で10日ほど寝かせます。
途中、熱湯で滅菌した箸で時々混ぜて熟成の均等化を図ります。初めは水っぽくて塩っぱいだけなのですが、米が水を吸って膨らみ、麹カビの活動で甘味も出てきます。夏は冷蔵庫でゆっくり熟成させた方がよいでしょう。出来上がったら季節を問わず冷蔵庫で保存し、使う分だけを匙で取り分け、雑菌が入らないようにすれば、最低1年は使えることが先日、実証されました(関連記事)。自宅用と単身赴任先用の2つを仕込みましたので、気仙沼の海の幸で色々試してみましょう。
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