気仙沼名産ふかひれスープで中華丼
カテゴリー: 紹介:加工食品・調味料
このような具の入ったとろみ餡をご飯にかけた料理を何と呼びますか? 私は東京にいた時は子供の頃から中華丼(どん)と呼んでおり、それ以外の名前があることも知りませんでした。ところが、宮城に来て中華飯(はん)と呼ぶ人がいるのを知って、とてつもない違和感を感じました。飯は何か気取った感じでしっくり来ないのです。でも、よく考えてみると、この料理は東京でも決して丼で供されることはないのですよ。
中華丼 or 中華飯と呼ばれるこの料理、名古屋以西では中華飯がメジャーで、東京や横浜中華街では圧倒的に中華丼なのですが、宮城ではなぜか中華飯が存在するのです。関西で修業した料理人がみちのくに広めたのでしょうか。でも、この料理、当の中国にはないそうです。強いて訳せば什錦蓋飯(五目とろみ汁かけ飯)になるそうですが、このような料理の名称には中国では飯が付くので中華飯の方が正統かなとも思い始めています。
ググってみると、中華丼が5,440,000件、中華飯が5,500,000件でほぼタイですね。ところが、あるアンケートによると中華丼が84%で圧倒的勝利なのです。もっとも全国均等に回答が得られたか不明ですが・・・。これと同じ現象が天津丼にも存在します。もちろん私は今でも天津丼と呼んでいますが、天津飯と呼ぶ地域もあります。ただ、天津飯に関しては名古屋出身の漫画家、鳥山明さんがドラゴンボールでテンシンハンというキャラクターを登場させたことにより、天津丼地域にも天津飯が広まっているようです。
話題が大きく逸れました。本日は中華丼が話題ではなく、ふかひれスープなのです。上の中華丼風の料理は気仙沼名産のふかひれスープで作ったふかひれ丼(飯)なのです。
気仙沼はサメの水揚げが日本一。石渡商店さんもふかひれ加工の老舗の一つでしたが、大川の川端にあった工場は津波で壊滅しました。
現在は全国からのファンドを募り、プレハブの仮設工場で操業しています。郊外に新工場を建設中で今年の7月には完成予定です。
こちらが石渡商店さんの人気商品、ふかひれ濃縮スープです。がんばろう気仙沼のロゴ入りです。
200g入りのレトルトパックで840円。高いようにも感じますが、高級スープが3~4人前作れます。気仙沼市内のスーパーや物産店で購入できますし、石渡商店さんの通販サイトもあります。
冒頭のように今日はこれでふかひれ中華丼を2人前作ります。味を壊さない具材としてタケノコとキクラゲを足します。
この他に作り方の指示に従い、卵と胡麻油も用意ました。中華餡はスープより少し多めに作りますので、味ととろみの調整用に塩と片栗粉も待機させておきます。^^
濃縮スープを500mlの水で伸ばし、煮立ったら具材を入れ、水溶き片栗粉を少々足して中華餡の濃度にします。
味の調整をして再度煮立ったら、よく溶いた卵を箸を使って細長くに垂らします。スープだとよく掻き回して、素早く垂らすと綺麗な糸状のかき玉になるのですが、中華餡は濃度が高いので回りません。そこで回すように細く垂らして塊が出来ないように注意します。仕上げに胡麻油で香りを足します。
丼ではなく皿にご飯を盛り、特製ふかひれ餡をかけてふかひれ中華丼の完成です。天に畑の蕾菜を盛りました。
伝統のふかひれ文化は津波で流されることなく、しっかりと再生に向かっています。気仙沼復興の味ですね。
具沢山の中華丼も嬉しいのですが、こっちはなにせふかひれスープがベースですからね。格が違います。^^
以前からふかひれスープを頂く時、これにご飯を入れて食べたいなと思っていました。そこから生まれたふかひれ中華丼です。
副菜も中華で整えました。手を抜いて冷凍品の春巻きと鶏空揚げです。
添えは生フノリ入りのコールスロー(マヨ抜き)と青菜の浸し物です。
気仙沼にはもう一軒、ふかひれスープを作っている会社があります。気仙沼ほてい(株)さんです。
ほていさんの会社は気仙沼湾の奥にありましたので、3つの工場がことごとく破壊されました。石渡さんと同じく仮設工場で生産を続けております(HP)。こちらのふかひれスープはスタンダードな中華味、さっぱり塩味の北京風、豆板醤の風味でピリッと辛い四川風の3種類があります。写真は四川風です。お値段はなんと税込315円です。安かろう不味かろうではなく、こちらの方が好きだというファンも多いのです。石渡さんの製品と成分表示の比較しますと、840円の石渡さんの方がビーフエキスやら野菜エキス等の旨味成分が多く使われていました。ただ、どちらもふかひれを発見するのに苦労が要りますけど。^^
気仙沼の加工屋さんは実に逞しい。復興計画による土地利用が示される前に規制が掛かっていない地域に工場を再建したり、ファンドを立ち上げ自ら支援を求めたり、国の支援を待たずに復旧しています。現行法では民間企業を直接復旧支援する仕組みがなく、共同利用という形での支援が原則となります。大きな民間企業は多くの人を雇い、多くの関連企業も養っています。この復旧こそが地域の復興に必要なのですが、共同利用やグループ化といったひねりが伴います。気仙沼のふかひれ文化も未曽有の災害を乗り越えて復旧しつつあります。両方の会社とも通販サイトがありますので、是非、ふかひれ製品をお求めになって、買い支えて頂きたいと思います。 m(..)m
石渡商店 http://www.ishiwatashoten.co.jp/index.html
気仙沼ほてい(株) http://www.kesennumahotei.co.jp/
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