函館初日の夕暮れです。遠く函館山の展望台にも灯が点りました。金森赤レンガ倉庫群もイルミネーションに飾られて、昼間とはまた違った神秘的な活気が溢れつつあります。千と千尋の神隠しにもこんなようなシーンがありましたね。すぐ横の波止場には八百万の神々が船で到着しているかも知れません。。。冗談はさておき、金森赤レンガ倉庫群の金森は、商標であって倉庫に書かれているように、森を ̄| の中に入れたのが正しい表示です。
函館は長崎、神戸、横浜、新潟とともに安政5(1858)年の日米修好条約により国際貿易港として開港されました。これらの港町では開港後、西洋風の建築物が見られる異国情緒のある街として栄えてきました。私はこれらのうち、神戸で小学生時代を過ごし、横浜は学生の頃、月に何度も通っていましたので熟知しています。長崎も以前3日ほど過ごし、新潟は昨年、旅してきました。その少ない経験を考え合わせると、街並みや文化の異国情緒さは、長崎>横浜>神戸>函館>新潟となりますが、長崎は安政の開港以前から、出島を通じてオランダとの交易がありましたから、別格ですね。これは、あくまでも自分の感覚による序列であり、数値的な根拠はありません。
こちらは赤レンガ倉庫群の向かいにある西波止場。ウエスタン・カントリー風の建築物は一体何でしょう。
ここは1階が海鮮市場、2階は地ビールが飲める海鮮レストランとなってました。
1階の海鮮市場で自宅療養中の父親へ水産加工品を送ります。
入院中は減塩食が不味くて拒否、退院したら食欲が出てきたのでご飯が進むものが欲しいとのこと。全く、病院を舐めていますが、様々物色して蟹味噌やガゴメ昆布の瓶詰め、鮭の麹漬けなんかを送ってやりました。
すっかり日が暮れましたので、一人寂しく函館山に登ります。月が浮かぶ函館の夜景、噂に違わず素晴らしい。
ロープウェイは200人待ちくらいの大行列でした。大型バスも次々と到着します。日暮れてすぐは観光客が殺到するのでした。山頂の展望台も大混雑。ゆっくりと夜景を鑑賞しているゆとりもありません。それに、周りから聞こえてくるのは、中国語、韓国語、大阪弁、、、ここは一体どこなんだ。^^
さて、今夜は函館の魚料理でも楽しみましょう。北海道出身の友人から函館に行ったら、魚一心に行けと言われてきました。
大通りから少し中に入った所にありましたが、携帯のウォークナビがあるので難なく到着。店の名前か電話番号を入力しておけば、地図が要らないのが便利ですね。
大変人気のあるお店のようで、午後7時前には着いたのですが、ほぼ満席でした。
訳ありげな歳の離れたカップルと女性旅行客二人連れの間のカウンター席が唯一空いていたのですが、訳ありの女性がバッグを置いているのです。入り口で迷っている私を見ても除けようともしなかったので、カウンターの中にいた元ロックンローラー風の親方がその女性にも聞こえるように大きな声で店員に、「どけてもらいなさい!!」と言ったものですから、店員が向かう前にその女性は慌ててバッグをカウンターの下にしまいました。
気まずいなぁ。訳あり女性と旅行女性の間の狭いスペースにぺこぺこ頭を下げながら、気の弱いおじさんが入り込みます。店は大繁盛で親方の気合いも飛び交います。とても写真なんか撮っている雰囲気じゃありません。でも、髪を後ろで束ねた親方は意外と優しく、おどおどしている私に「何になさいますか」と微笑みかけてくれました。そこで、「では地ビールを、肴はゆっくり選びます」と私。突き出しのイカ大根と地ビールで一息入れつつ、献立表に目を通しますとこれが意外にも宮城とほとんど変わりない。被災しつつも宮城は全国屈指の水産県ですからねぇ。
ただ、両サイドの女性客が頼んだホッケやハラスの焼き物や刺身盛りの量がハンパない。でっかいどー、北海道ーを誇示しているようで、とても一人じゃ食べ切れません。一人旅はこういう時に不便ですね。ここまで来て焼き鳥やスルメじゃあまりに悲しいなぁと献立を再度点検しますと、、、ありました。 北海道ならではのこれです。
北海道産シシャモ(雄雌2尾ずつ)です。近年、シシャモといえば、もっぱらノルウェーやアイスランドから輸入されるカペリン(カラフトシシャモ)ですからね。
子供の頃に食べたシシャモは、この本シシャモでした。実に懐かしい味がします。カペリンと違って肉自体が美味しいのです。ほろほろと崩れる上品な白身なんですが、すっかり忘れかけていました。小型の雌の方は卵巣もりもりではありませんが、肉にも旨味が残っています。イザベラ・バードも渡った鵡川(むかわ)のシシャモなのでしょうか。
魚一心さんは活気に満ちて、魚料理もボリュームもあってリーズナブル、友人が薦めるだけのことはあります。出来れば、4~5人で席を囲み、巨大なホッケや刺身の盛り合わせをシェアしながら食べてみたいです。道産シシャモの後には、自家製塩辛で北の誉を呑んでさっと粋に引き揚げました。こんな大人呑みをしたのは何年ぶりでしょう。^^ でもねぇ、これでホテルで寝るのは少し物足りないので、老舗のラーメン店で本日2杯目の塩らーめんを頂くことにしました。血圧上がるなぁ。^^
魚一心さんの近くにある創業昭和25年の鳳蘭さんです。
地元の方に人気で、ラーメンといえば、黙って塩らーめんが出てくるお店です。
これが塩らーめん、今時たったの550円です。スープが多めでビジュアル的にはちょっと呆けていますね。
ところが、スープの旨味が濃厚でびっくり。ダイレクトに動物的な味わいです。豚骨と鶏ガラに余計なものを加えていないのでしょう。
麺は中細のストレートで実に美味しい。中華の汁そばを彷彿とさせます。
麺が減っていくのが悲しいくらいです。あとで知ったのですが、替え玉も出来たようなのです。お隣の方が食べていたあんあけ焼きそばも美味しそうでしたね。
函館初日の夜はこんな感じで終わりました。函館駅前も人は疎らです。
親子のオブジェも夜遅くまでご苦労様です。同じ姿勢で疲れるでしょう。。。でも、腰に手を当てながら伸びでもされたら、こっちが固まってしまいますね。^^
明日の朝はホテルで朝食をとらず、朝市に出掛けてみるつもりです。ですので、本日はこれくらいでよいのでしょう。結構歩いて、ふくらはぎもパンパンです。一風呂浴びて、ぐっすり眠りたいと思います。今回の旅は函館止まりです。イザベラ・バードのようにここから噴火湾を越えて、登別、苫小牧、平取へも足を延ばしてみたいのですが、それはまたの機会になります。
居酒屋 魚一心
・所在地 :北海道函館市松風町3-11
・電 話 :0138-26-0457
・営業時間 :17:00~22:30
・定休日 :日曜日(月曜が祝日の場合は、月曜日)
・駐車場 :なし(向かいに有料あり)
鳳 蘭
・所在地 :北海道函館市松風町5-13
・電 話 :0138-22-8086
・営業時間 :11:00~21:30
・定休日 :不定(月3回位)
・駐車場 :なし(近くに有料あり)
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