【北海道函館市】イザベラ・バードも訪れた街(1/5)

カテゴリー: 外食:ラーメン

hakodate1-0-0.jpg hakodate1-0-1.jpg
 たびたび登場するイザベラ・バードの「日本奥地紀行(Unbeaten Tracks in Japan. 1880)」ですが、前半はまだ欧米化が進んでいない明治初期のみちのくの旅でした。その後、彼女は青森湾(陸奥湾)から蒸気船で北海道に渡ります。私も彼女の足跡を断片的ながら辿って、評価の高かった新潟置賜(米沢盆地)、金山町青森を訪ねてきました。そして、今回はいよいよ津軽海峡を越えてみます。



 実は彼女にとって、日本の奥地(Unbeaten Tracks)とは、決してみちのくのことではなく、室蘭から奥のアイヌの居住地だったのです。左の地図のように北海道での行程は全行程から見れば僅かですが、515ページの訳本うちの約4割弱が北海道からの記述となり、そのほとんどが当時のアイヌの文化に関する詳細なレポートとなっています。そして、アイヌは外見が日本人よりヨーロッパ人に似ており、思慮深い顔立ちで欲がなく、決して嘘をつかないと高い評価をしています。



 この当時の日本では、まだ、民俗学考古学が未発達でしたが、世界の研究者は鎖国を解いたばかりの島国日本の民族や習俗には高い関心があったのでしょう。開国前の幕末にオランダ人に成りすまして長崎に入ったドイツ人の博物学者フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトはその後、禁制の日本地図を海外に持ち出そうとして、一時、国外追放処分となりますが(シーボルト事件)、その息子のハインリッヒ・フォン・シーボルトも考古学者で、イザベラ・バード北海道で遭遇しています。



 
 さて、現代の私は蒸気船でもフェリーでもなく、鉄道の旅で函館を目指します。hakodate1-1.jpg
 新青森までは初めてのE5系はやぶさに乗ります。今年の1月ちょろりさん企画の青森ツアーに行ってきましたが、その頃はまだ、はやぶさは運行していませんでした。3月5日、待望の運行開始となったのも束の間、東日本大震災のため、4月末まで運休、その後も制限運行となり、通常運行に戻ったのが9月に入ってからでした。




 決してテツオタではありませんが、このロングノーズは格好いいですね。ちょっと動物的な臭いもします。
hakodate1-2.jpg 
hakodate1-3.jpg

 側面には震災復興を願うロゴマークも入っていました。


 
 新青森駅からは789系スーパー白鳥に乗り換え、青函トンネルを潜(くぐ)ります。
hakodate1-4.jpg

 こちらは、名前とは裏腹にトノサマバッタのような昆虫の臭いがしますね。^^




 座席には青函トンネルの構造と通過時間が説明されています。
hakodate1-5.jpg 
hakodate1-6.jpg

 これによりますと、トンネルの全長は53.9Kmですが、海底下の延長は23.4Km、通過時間は僅かで全体でも24分です。途中、竜飛海底駅に止まりましたが、ドアは開きませんでした。青函トンネルの前後にもいくつかのトンネルがありますが、通過時には名称が電光掲示板で示されました。




 仙台を出発してから、3時間弱で函館駅に到着。
hakodate1-7.jpg
 
駅前では親子がモチーフのオブジェが出迎えてくれます。ちょっとシュールですなぁ。




 懐かしい路面電車にも出会いました。
hakodate1-8.jpg
 
側面のタラコがいい味出しています。^^

 



 明日の講演会場の下見と打ち合わせを終えて、遅めの昼食を取りに出かけます。
hakodate1-9.jpg
 
朝市はこの時間ではやっていないので、赤レンガ倉庫群を目指します。





 赤レンガ倉庫群は始めて来ましたが、想定外の規模でした。
hakodate1-10.jpg
hakodate1-11.jpg
 
この赤レンガ倉庫は、長崎出身の事業家、渡邊熊四郎が建造したものですが、イザベラ・バードが立ち寄った明治11年にはまだ建てられておらず、この頃は金森洋物店金森船具店を営んでいたことになってます。


 

 その一角に美味しそうなお店を発見。
hakodate1-12.jpg
 ラーメン屋さんはわかるのですが、その隣はいか煎屋だそうです。




 いか煎餅を製造販売しているようです。しかも、丸ごとイカが使われているとのこと。
hakodate1-13.jpghakodate1-14.jpg

 カウンターの上の発券機には、エビ煎餅もありましたが、やはり函館はイカでしょう。




 イケメンの兄さんが生イカに何かの粉を塗し、四角い鉄板に乗せました。
hakodate1-15.jpg 
hakodate1-16.jpg

 そして、分厚い鉄板で挟み込むようにプレスしています。なるほど高圧加熱するわけですか。



 
 あら不思議、生イカが足も含めて薄っぺらな煎餅になってますよ。
hakodate1-17.jpg

 私はてっきりスルメを混ぜ込んで焼いた煎餅だとばかり思ってました。生イカがこうなるのねぇ。感動




 こういう形で渡されます。いいオッサンがこれを食べながら歩くのは辛いですね。^^
hakodate1-18.jpg

 まさか、これだけで昼飯というわけにもいかないので、これを持ったまま、隣のラーメン店に入ります。



 
 ラーメン屋さんは麺倶楽部Asian炙という店名です。内装は黒を基調にしてとてもシックで落ち着いた雰囲気。
hakodate1-19.jpg

 もちろんお目当ては函館名物、塩らーめんです。色々ありますが、何も飾らない直球の塩らーめんを頂いてみます。



 
 スープは薄く濁ってますが、良い香りです。豚骨鶏ガラがベースで野菜の甘みも感じます。青菜と白髪葱の対色も上品で好ましい。
hakodate1-20.jpg

 煮豚も噛み応えがちょうど良い塩梅でよい出来です。スープは円やかながらもやはり塩らーめん、やや塩分濃度が高めです。飲み干したら、血圧が上がりそう。




 麺はよくある多加水細縮れ麺。ぷりぷりで透明感のあるやつですね。
hakodate1-21.jpg

 函館で塩らーめんが定着した理由は何でしょう。単に海に近いからではないでしょう。それなら、海鮮系もあってよいはずです。こちらの麺は現代的な縮れ麺ですが、これがストレートなら、中国の汁ソバとも似ています。明治期に大量に入ってきた華僑が伝え、日本人が好みにモディファイしたものかも知れません。対岸の青森のように煮干しなどを使った独自のラーメンより原形に近いのではないでしょうか。






 イザベラ・バードを引き合いに、考古学がどうの、博物学がどうのと切り出した割には、落ちがイカ煎餅塩らーめんで申し訳ありません。食後も街を彷徨い、彼女が感じた函館の空気を探し求めて回りました。辛かったみちのくの旅を終え、蒸気船で函館に来た彼女は既に建てられていた教会や西洋式住宅で故郷の思い出にふけったことでしょう。ベットに横たわれたことをたいそう喜んでいました。


 彼女はさらにアイヌの大きな集落がある沙流川流域の平取まで辛い旅を続けます。しかしながら、冒頭のようにアイヌ民族の風貌や習俗に惚れ込んでいくのでした。アイヌ民族が縄文人であったかは諸説があり、判然としませんが、渡来弥生人とその混血により、北方へと追いやられたことは間違いなく、彼女は新政府のアイヌに対する差別的な扱いに辟易しています。






 函館いか煎屋


・所在地  :北海道函館市末広町13‐21
・電 話  :0138-22-7377
・営業時間 :11:00~18:00(4月末~12月25日のみ営業)
・定休日  :月曜(祝日の場合は翌日)
・駐車場  :なし




 麺倶楽部 Asian 炙
 

・所在地  :北海道函館市末広町13-21
・電 話  :0138-26-8388
・営業時間 :11:00~20:00
・定休日  :無休
・駐車場  :あり

2011/12/15(木) 05:00 | trackback(0) | comment(4)
前ページ | | 次ページ

ゆうとぴあ

URL | [ 編集 ] 2011/12/15(木) 09:06:59

私は 函館土産を、ちょっとはずれてますが自由市場で買います
駅横の朝市は、なんだか落ち着かないので

ラーメンは 五稜郭前のあじさいが一番!

とあ

URL | [ 編集 ] 2011/12/15(木) 11:44:02

こんにちは(^^)
鉄道の旅ですね。函館、行ったことないです
色々見て回りたいところはあるんですけどね~(^_^;)

いかせんべい食べつつ散策、結構いいですね

サエモン

URL | [ 編集 ] 2011/12/17(土) 06:01:30

 ゆーとぴあさん おはようございます。

 今回は仕事の関係で、函館山の麓に
行かねばならなかったので、このような足取りと
なりました。

 時間があれば、五稜郭にも足を延ばしてみたい
ですね。

サエモン

URL | [ 編集 ] 2011/12/17(土) 06:05:55

  とあさん

 函館の観光に対する力の入れ方は
半端じゃないですね。どれもスケールがでかい。
朝市にしても倉庫群にしても作るならここまで
やらなきゃという良い見本です。
 もう少し、函館からの話題が続きます。











管理者にだけ表示を許可する
http://bimikyusin.blog109.fc2.com/tb.php/366-89e1efcf