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スダチ風味のヴィシソワーズ

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 ご承知のようにヴィシソワーズ冷製ポタージュのことで、ジャガイモやポロ葱などを主な材料としています。季節はになってしまいましたが、暑い日にはピッタリのスープです。以前、薬膳料理教室堀桃先生が、鶏肉のソテーにカボス風味のクリームソースを添えたのを作っておられました(関連記事)。なるほど、クリーム系に柑橘類の香りは面白い、デザートではなく料理に組み込めば色々楽しめそうと思いました。




 そこで、今回はスダチ風味ヴィシソワーズを作ってみようと思いますが、バターや生クリームたっぷりのフランス式ではなく、オリーブオイルと豆乳でヘルシー&ローカロリーのヴィシソワーズにしました。その方がカボスの爽快な香りも引き立ちますので。上の写真のスダチの皮は決してシャネルを意識したわけではなく、日本料理の柚子輪を真似した単なる遊びです。^^





 まず最初にベースとなるブロード(スープストック)を作ります。面倒な鶏ガラではなく、ササミを使います。
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 セロリやパセリの葉っぱなどは糸で束ねたブーケガルニではなく、ガーゼにくるんだ方がばらけなくて便利です。鶏のササミは粗めに刻んでおきます。市販の顆粒粉末スープを使う場合でも、鶏挽肉ササミを少し加えますとグッと自然な味わいに近づきます。




 アクを取りながら決して沸騰させないように40分ほど煮て行きます。
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 鶏ガラですと前処理を怠ると途端に臭くなりますし、小一時間は煮なければなりません。多めに作って冷凍しておくと便利ですね。ダシを取ったササミも後でちゃんと利用します。




 ブロードを取っている間にヴィシソワーズの本体を調理をします。
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 ジャガイモとポロ葱替わりの玉葱、セロリ少々が主材料です。これにスダチを2個ほど使います。豆乳は無調整の濃いものを用意します。これで大体4人分です。




 玉葱とセロリを弱火で炒め、しんなりしたら細切りのジャガイモ(水晒しておく)を加えて透明感が出るまで炒めます。
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 玉葱は飴色にまでは炒めません。それに呉々も焦げ付かないようにいたしましょう。仕上がりの色が悪くなりますので。




 炒めた具材を濾したスープに加えて柔らかくなるまで煮込みます。
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 白ワインを半カップほど加えますとスッキリした味わいが加わります。



 
 煮込んでいる間にスダチを準備します。 
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 皮は擂りおろし、果汁も絞っておきます。





 柔らかくなった具材をスープごとブレンダー(ミキサー)にかけてから、濾していきます。
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 フレンチのシノワは持っていませんので、裏漉しを使っています。




 豆乳を加え、塩で味を調えます。最後にスダチの果汁を加えます。
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 このあと、冷蔵庫でよく冷やして完成です。




 スープ皿に盛って、おろしたスダチの皮をパラパラ。
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 それでは独りブランチをテーブルで頂きましょう。スダチの風味が効いたヴィシソワーズは実に爽やか。暑い日のブランチに最高です。




 今日はヴィシソワーズが主役ですが、甘くないフレンチトーストが主食になります。
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 独りブランチもこれが最後となりますので、白ワインも付けちゃいました。^^ 



 
 これはスープを取った後の鶏のササミや人参をシメジやコーンとカレー粉とケチャップで炒めたリユース料理です。
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 たしかにササミの旨味は抜けていますが、ツナのような食感が残っていますので、ケチャップの甘味とカレーの香りを補って副菜にしました。




 フレンチトーストは砂糖を使わず、粉チーズを加えた卵・豆乳液に浸けて焼きました。炒めた秋茄子とともにペスト(バジルペースト)で頂きます。
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 ペストは塩分が強いのでフレンチトーストもナスにも塩分はかなり抑えています。ペストは毎年作っていますが、最近の記事ではこちらに作り方を載せています。
 
 


 今回は豆乳を使っていますが、ミルク系と柑橘類の風味はよく合うことがわかりました。ただ、豆乳と雖もタンパク質の溶液ですから時間が経つと、スダチ果汁の酸によって凝固が始まります。ですので、ヴィシソワーズを保存する時は果汁を加えず、利用する直前に加えましょう。それによって、香りの鮮度も良い状態で供することができます。冷たいスープも今月一杯でしょうか。これからは温かい料理が恋しくなる季節に変わっていきますね。



 そういえば、今年の夏はやたら豆乳が飲みたくて、毎日のように飲んでました。薬膳堀先生に話したら、火照った体を冷まそうという生理的欲求から来るそうです。火照りは暑さによる体温上昇なのか、長く続いた独り暮らしのためか・・・それはともかく、豆乳を摂ると体調も良くなりますね。ただ、イソフラボンは女性ホルモンと類似した働きをするとされているので、やっぱり、それで治まったのかなぁ。^^

2011/09/27(火) 05:00 | trackback(0) | comment(10)
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とあ

URL | [ 編集 ] 2011/09/27(火) 10:36:51

こんにちは(^^)
めっきり涼しくなってきてしまいましたが、そちらはどうですか?
すでに温かいものが恋しいです

夏に数回ヴィシソワーズ、作りましたよ~(^^)

ぺこりん

URL | [ 編集 ] 2011/09/27(火) 12:18:30

豆乳なんて今日はなんだかヘルシーですね。
私は甘さ控えめのフレンチトーストに塩コショウして食べるのが結構好きです。
ウチの上の子、クリーム系が苦手なのでビシソワーズとか食べてくれないんですが、豆乳なかいいかも。

塩猿

URL | [ 編集 ] 2011/09/27(火) 18:19:21

ブログの師匠と,いつも感激して拝見しています。
スープから作ってしまうところがすばらしいです。
寒くなる前にチャレンジしてみたいと思います。

いつも写真がすばらしいと感動しているのですが
カメラはどのようなものをお使いですか。
ブログにアップされる場合は,画像を一度パソコンに落としてから
アップロードさせているのでしょうか。

そのあたりについて教えてください。
よろしくお願いします。

yama

URL | [ 編集 ] 2011/09/27(火) 20:33:34

yamaと申します.
不勉強で,酸味をつけるとは驚きでした!
関連記事の堀桃先生の方も拝見させていただきました.
なるほど,重さを酸味で軽く,なんですね.
酸味としては感じるのでしょうか?それともまさに風味ということで
香り中心でしょうか?
興味津々です.

サエモン

URL | [ 編集 ] 2011/09/28(水) 06:40:44

 とあさん

 こちらは夜に窓を開けていますと寒いくらいです。
日中も日向は暑いのですが、室内は涼しく高原のようです。

 ヴィシソワーズもこれからは温かいポタージュがご馳走に
なりますね。栗や南瓜のポタージュも佳いですよ。

サエモン

URL | [ 編集 ] 2011/09/28(水) 06:42:01

  ぺこりんさん

 フレンチトーストは子供の頃、好きだったのですが、大人になってから
遠ざかっていました。以前、パルメジャーノを使った塩味のフレンチトースト
を食べてから、復活。今回はイタリア風に食べてみました。

 オリーブオイルと豆乳で作りますと爽やかになりますが、とろみとコクは
ジャガイモの量とスープの濃さで補えます。

サエモン

URL | [ 編集 ] 2011/09/28(水) 06:44:43

  塩猿さん 初めまして。
 ご閲覧ありがとうございます。

 料理は甘味・塩味・酸味以前に旨味が必要不可欠です。
ですのでダシを取るのは古今東西共通の原則ですね。
寒くなりましたら、温かいポタージュもいいですよ。

 写真は全くの我流なんです。カメラもオークションで
買った2万円以下のコンデジですし。アップする写真と
原稿は月ごとにパソコン上のフォルダーに収容して保存
しています。
 従いまして、パソコンに取り込んでからアップしますが、
必要時にモザイクをかける以外、あまり手を加えていま
せん。

 子供の頃より絵が好きだったので、彩りや構図には
自然と直感が働いているのでしょう。

サエモン

URL | [ 編集 ] 2011/09/28(水) 06:46:24

 yamaさん おはようございます。

 この場合、酸味は感じない程度で働かすのがコツですね。
おそらく酸味を感じるくらい加えたら、タンパク質が凝固して
しまうでしょう。そもそも、今回は豆乳を使ってますので、
バターと生クリームを使ったヴィシソワーズより、ずっと
軽やかです。ですので、スダチの香りが付けばよいのです。
もしかすると、皮の擂りおろしだけでも十分かも知れませんね。

桃猫

URL | [ 編集 ] 2011/09/30(金) 01:21:43

サエモン先生
お嫁に来たすだちもおしゃれに美味しく変身させていただき喜んでいそうです。というより、大分や徳島のみなさんが嬉しく思っていることでしょう。

ブランチの甘くないフレンチトーストめっちゃ美味しそう~~

秋も本番になってきましたね!秋口はまだ夏の熱が身体にこもっていて空咳がでたりします、体の熱をさまそうと体のなかから声が聞こえてきたのでしょうね!
すだちやかぼすの皮気分がすっきりしていいですね。

サエモン

URL | [ 編集 ] 2011/09/30(金) 20:01:41

  桃猫先生

 スダチにカボス、ありがとうございました。
色々楽しむことが出来ました。

 夏の暑さも恋しくなるくらいで、過ごしやすく
なりましたが、今でも豆乳飲んでます。すっかり
はまってしまったようです。体の火照りは現在、
海の中で冷やしております。^^

 若い頃は何でもモリモリ食べていて、体の要求も
質より量でした。近年は朝、目覚めて、まだ、周りの
刺激が体に入ってこない状態で体の声を聞き取るように
しています。その結果、野菜のスープや味噌汁が
体によく染み渡ることを発見しました。これなら、
食欲のない朝にもすんなり入ってくれます。

 スダチ・カボスの次はいよいよ椎茸粉です。











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