3.11の震災ではライフラインが全て止まりました。ガスと電気は代替の光熱手段で何とか凌ぎましたが、困ったのは水です。市や自衛隊の配給が来るまでは備蓄してたペットボトルの飲料水で何とかなりましたが、配給後も水洗トイレや洗濯に使えるほど十分ではありませんでした。そこで、役に立ったのは小さいながらも庭の池でした。
3月中下旬は氷も張るくらい水温が低く、植物プランクトンも繁殖していないので池の水も比較的きれいです。1日1回トイレを流したり、溜まった下着や靴下を洗ったりと重宝しました。しかも、雨が降るとまた水が補充されます。ただ、激しい地震でどこかにヒビが入ったようですが、水道復旧までは水を湛えてくれました。
池本体にはヒビは見つからなかったのですが、池に流れ込む渓流とその接続部分や淵が怪しそうです。
現在は水の循環を止めていますが、雨水は渓流部の所々の深みに溜まります。それが見られなくなったのです。もしやと思って川底の石を取り除きますと案の定、クラックが三カ所も入っていました。池本体よりコンクリートの打設が薄いので地震に耐えられなかったようです。常時、地面に水が染み込むと地下に空洞が生じる危険があります。
GW中は復興イベントや被災した知人の手伝いなどでなかなか時間が取れなかったのですが、朝早起きして防水モルタルを塗っていきます。
防水モルタル専用の既製品もありますが、通常のモルタルに土粘土を混ぜ込んで施工します。これは、以前、近所の建設資材店のご主人から教わった手法です。
流れ込みの岸にはこごみ(クサソテツ)やうるい(オオバギボウシ)が新しい葉を出し始めています。
これらの山菜は観賞用で食べるために植えているのはないのですが、今年は山菜採りに行くゆとりもないので、雰囲気だけ味わいましょう。
うるいの酢味噌がけとこごみの胡麻醤油和えです。
春から初夏にかけての旬の味覚をちょこっとだけ楽しみます。
こごみは癖が全くなく、くるくると巻いた葉先の食感が個性的です。
肥沃な山で育つこごみは10円玉くらいになるのですが、我が家ではせいぜい1円玉くらいにしかなりません。
うるいも味見程度です。あまり食べますと庭の景色に影響します。^^
うるい(ギボウシ)の仲間は沢山ありますが、このオオバギボウシは苦みも柔らかで食べやすいのです。
これだけの震災があっても、当たり前ですが季節は移り変わっていくのですね。生物の進化の歴史から見れば、1100年に一度の大震災や大津波と雖も過去に何度となく体験してきたのでしょう。人間は自然を開拓して住みやすいように変えてきましたが、大自然の持つ大きな力にまで打ち勝てると過信してはなりません。雄勝(石巻市)のある浜では、古くからの言伝えを守って、家は高い所に立てていたので全員が助かりました。今後の復興にはこの教訓を生かしていくべきでしょうね。
コメントの投稿