復旧の日まで(4) 【ストーブの活躍】
カテゴリー: 3.11震災関連
未曾有の大地震から3日目の3月14日晩に自宅に戻り、壊れていた卓上ガスコンロに代わって、物置に仕舞ってあったキャンプ用のガスバーナー類を10年ぶりに復活させて料理を作っていました。帰ってきた晩は暖かく暖房なしでも過ごせたのですが、その後、状況は一変します。上のグラフは仙台の今年と平年の3月の最低気温を示したものですが、15日から18日にかけてまるで真冬に逆戻りしたように冷え込みました。特に18日には最低気温が-4℃、池の氷もバリバリでした。
こうなると、電気もガスも来ていませんのでストーブなしではいられません。
でも、これは大きな賭けなのです。灯油は残り1缶を切っています。我が家の暖房は他にエアコンのみ。このまま、電気が復旧しないで寒さが続いたら灯油も数日で底を突きます。しかも、灯油もそう簡単には買えそうもありません。
どうせストーブを使うのなら、これに張り付きながら料理も一緒にやってしまえば一石二鳥、灯油の有効利用です。強い火力は得られませんが、じっくりジワジワと温めることはできます。冷蔵庫に残っていた貴重な野菜と解けてきた冷凍食品を気長に炒めていきます。例年なら、畑につぼみ菜などの春野菜も栽培しているのですが、今年は庭の工事があり、畑に植栽を一時避難させたため作っていませんでした。
ストーブは煮物に適しています。冷蔵庫の底にあった一握りの白菜を冷凍の練り物や飛竜頭(ひろうす)とともにおでん風に煮ています。
寒い時は汁たっぷりの煮物が骨身に染みます。解凍し切ってしまった塩サバは、まとめて焼いて(炒めて)保存性を高めます。どちらも熱効率を高めるために蓋をして加熱します。
ある日の夕飯。これも地震前に買ってあった焼きそばです。
キャベツがないので玉葱と白菜でやってます。豚肉は幸い冷凍庫にあったので、解けた部分を包丁で削ぎ取って使っています。
すっかり夜の友になってしまった壊れたマグカップのキャンドルスタンド。
一人の夕飯は寒さも増しますが、このキャンドルが心を温めてくれました。
毎日、大地震と巨大津波の爪痕を見ながら働いています。でも、生きていることに感謝しないといけないですね。ライフラインが断たれても協力し合って、なんとか食べていけるのですから。日頃、気付かなかった道具の使い方や工夫がすぐに生活改善に直結します。物がなくても知恵を絞れば何とかなります。今までの生活はそんなことに頭を使うことが少なかったように思えます。水の使い方も実に上手になりました。今までずいぶん無駄に流していたことを反省しています。さて、灯油が勿体ないから、さっさと寝ましょう。
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