復旧の日まで(2) 【生活の立て直し】
カテゴリー: 3.11震災関連
東京から真っ暗な我が家に戻った翌日、眩しい朝日の中で見た光景はあまりにも衝撃的でした。壁に据え付けられた食器棚は比較的被害がなかったのですが、独立した食器棚は天井との間にもしてあったのですが、見事に中身を吐き出してくれていました。倒れていたわけではないので、両者の被害の差は 突っ張り棒地震の揺れの方向と関係あるのかも知れません。ともあれ、キッチンは今日から生活の要ですので震災後の初出勤の日ですが、朝5時に起きてせっせと片付けです。
キッチンの割れ物処分が終わって二階に上がると、もう目眩がしそうな光景でした。
本棚という本棚が完全に倒れて、踏み場もないくらいの本の山。これには力が抜けてしまいました。まずは生きていくことが先、本は腐らないので当面このまま放置して生活が復旧してきたら少しずつ片付けていきましょう。
生きていくために真っ先に用意しなくてはならないのは食事を作る道具です。
以前より、いざという時は卓上ガスコンロが加熱調理の主役になるだろうと思っておりました。ところが、いくらスイッチを押しても点火しないのです。地震の激しい揺れで壊れてしまったようです。これは、マジでやばいです。
実はずいぶん後になってから、わかったのですが振動でカートリッジボンベの下を押さえる爪が広がっていたのでした。
この爪をぐっと押して元に戻すとガスが噴射され普通に稼働しました。家に戻ってすぐで気が動転していて冷静な判断が出来なかったようです。結局、このガスコンロは出番がありませんでしたが、このタイプは広く普及しているだけに、カートリッジボンベは震災後にすぐに売り切れてしまい、東京でも山形でも手に入れることが出来ませんでした。当座しのぎとしても、最低6本の備蓄は必要でしょう。
これに代わって役立ったのが、かつて使っていたキャンプ用のガスバーナー類です。物置の奥から引きずり出しました。
子供が小学生の頃は春から秋までオートキャンプでみちのく中を走り回ってました。これらも10年ぶりくらいの登板です。いつか災害の時に役立つかもしれないからと、とっておきましたが、本当になってしまいました。シングルもツインバーナーも健在で、幸い、どのボンベにもガスが半分ほど残っていました。大切に使えば、朝夕10日は持つでしょう。
お湯を沸かすとガスの消費が大きいので、炒め蒸し料理が多くなります。
食料は冷蔵室内に野菜が少々、冷凍室にはぎっしり冷凍食品がありました。電気が止まって4日になりますが、幸い、この季節ですので、全く痛んでいませんでした。それに冷凍室にはまだ凍ったままの食品もかなりあります。まずはこれらで食い繋ぐことです。
冷蔵室の食品のうち長持ちしそうなものは冷凍室に移し、冷凍室内でも解け切ってしまったものから食べていきます。さらに、最後の方では、池の氷を取ってきて冷凍室に入れて解凍を遅らせました。ガスの消費を抑えるために、さっと炒めてから、水を少々加えて蓋をして蒸します。フライパンにピタッと決まるアルミ蓋があると普段も便利です。
同じ調理法だけですとやはり飽きますので、たまには麺類も。
最少限の水でマルタイラーメンを作ります。このストレートの乾麺は場所も取らず、壊れにくいので備蓄しておくのに重宝です。冷凍インゲンも完全に解凍されてから数日経ちますが、冷凍室内にはまだ解けていない肉や魚が入ってますので、傷んでおりません。
ライフラインは完全に止まったままですが、配給される水とガスバーナー、それに冷凍室内の日に日に解けていく食品や保存食でしばらくやって行けそうです。近くのスーパーや生協には朝から長い行列ができ、その日の販売分がなくなれば、お終いです。とても仕事をしながらの買出しは単身では不可能です。夕方からも販売してくれればありがたいのですが、まだ電気も来ていない状態では難しいのでしょう。でも、そんな贅沢言ってられません。避難所生活の皆様のことを思えば、自宅で寝られるだけで幸せなのですから。
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