青森美味探訪(9) 青森ラーメン事情③ (つけ麺)
カテゴリー: 外食:ラーメン
いつの時代から青森につけ麺が存在したのかは知りません。ただ、我が国においてつけ麺は過去に2度ほど大きな変革を遂げております。その都度、新しい姿を生み出されておりますので、その形態から移入された年代がなんとなく推定できるのです。
つけ麺の元祖は東京の大勝軒とされており、1950年代中頃、賄いのザル中華のようなものが商品化されたそうです。しかも、そのスープにはがあったとされています。1960年代から東京に住んでいたことのある私は、残念ながらそのような 酸味つけ麺に出会った記憶がありません。
その後の大変化は1970年代に急速に広がったつけ麺大王でしょう。私も若かりし頃、物珍しさから蒲田までわざわざ食べに行ったものです。たぶん、麺を汁に浸けて食べるものだろうと予測はしてましたが、先に麺が出されてからつけ汁が出るまでかなり間があったので、もしかしたら、麺に味が付けてあるのかもと食べ始めた頃につけ汁が出されて赤面した記憶があります。ちなみにつけ麺という言葉と具の入った丼のつけ汁で食べるスタイルが定着したのは、このつけ麺大王に因るところが大きいと思います。
そして、つけ麺のニューウェーブは極太麺に濃厚つけ汁のコンビネーションですね。仙台で言えばキリンジさんや喰櫓武 (クロム)さんのような無骨で剛胆なつけ麺でここ10年で全国に分布域を広げたようです。
今回は青森のつけ麺を十分に調査しておりませんが、大勝軒方式のラーメン店がつけ麺も出すタイプとまだ少ないようですがニューウェーブのつけ麺専門店も出始めているようです。この記事ではちょろりさんご推薦の青森市街地にあるつけ麺専門店をご紹介します。
駆け付けたつけ麺専門店はとうぎょうさんです。
あらっ、まだ閉店時間まで1時間以上ありますのに暖簾が下げられています。店内にはまだライトが付いていましたので何とかなりそうです。と、人の気配に気付いた若いご主人が出てこられたので、すかさず、6人なんです。食べさせてもらえませんか。と哀願しますと、ご了承頂けました。暖簾は下げたままで再び開店。完全に貸し切り状態です。^^
近代的なカウンターでジャズかなんかが流れていたようです。^^
こちらもニューウェーブのつけ麺店らしく、自家製麺です。しかも、石臼挽き小麦を使用と貼り紙でアピールされていました。東北新幹線が開通し、大人の休日倶楽部期間中にもかかわらず、営業時間内に暖簾を下げなくてはならないとは、正直ちょっと淋しいですね。もっとも、雪のちらつく厳寒の巷を徘徊してつけ麺を食べにくる大人は我らぐらいでしょうね。^^
つけ麺専門店ですが、濃厚そばという汁麺も用意されています。
標準の濃厚つけそばの麺量は3段階ですが、エビ辛つけそばは小しかありません。なぜでしょう。
こちらは大名マークさんの奥様が頼まれた濃厚そばです。
朝顔風の赤絵丼も魅力的ですね。巻きバラ煮豚とメンマ、海苔、小松菜と具材はあまり特徴がありませんが、小松菜は茎の部分を葉でくるんで一仕事してあります。
私はエビ辛つけそばにしました。ノーマルつけそばに特製エビそぼろが塗されます。
これで麺は小ですから、濃厚つけそばの大は一体どうなるのでしょう。
これこれ、小松菜に一手間かけてあり、ふっと心が動きますね。
切っただけの小松菜とは食感もまるで変わります。日本料理のツボを心得ておられるようです。
煮豚はつけ麺にありがちな拍子木切りですね。
煮豚はももかなぁ。濃厚そばとは変えているのですね。
石挽きの小麦の自家製麺は極太ではなくやや太くらいですね。
3種類のエビが使われたエビ辛そぼろは、よく観察しますとオキアミ(たぶんイサダ)も使われているようです。辛さはしっかり舌を焼いてくれます。^^
もちもちとコシのある麺を噛んでいるのは心地よいですね。
ピリ辛のエビそぼろも良いアクセントになってます。
最後の〆はスープ割り。カウンターに最初から用意してあります。
よくスープ割は自己申告しないと出してもらえないお店がありますが、女性だと躊躇してしまうこともありますよね。もちろん、〆の一杯に値する満足度の高いスープでしたよ。
青森のつけ麺は今後、きっとさらなる進化があるでしょう。南から伝わってきたつけ麺が青森独自のスタイルに変貌を遂げていくのにはもう少し時間がかかるかも知れません。ですが、こってり系もそうであったように、しっかりとした煮干し・焼き干しダシ文化が定着している土壌だけに節系とは異なる独自の発展が予測されます。今後、青森のつけ麺は要観察ですね。^^
麺匠 とうぎょう
・所在地 :青森県青森市古川1-18-10
・電 話 :017-722-8487
・営業時間 :11:00~15:00/18:00~22:00
・定休日 :月曜
・駐車場 :なし(周辺に有料あり)

コメントの投稿