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青森美味探訪(7) 青森ラーメン事情① (あっさり焼き干し系)

カテゴリー: 外食:ラーメン

 青森美味探訪、続きまして4本連続で青森のラーメンを取り上げます。今までも青森県を何回か訪れる度にラーメンは必ず食べてきました。東青津軽、下北、三八上北・・・、弘前以外は大体食べ回ってきました。ですが、近年、青森ラーメンもご多分に漏れず、バリエーションが広がり、新ジャンルも確立されつつあります。その中で、伝統的なラーメンに共通する要素は何かと考えると、カタクチイワシ焼き干し、または煮干しダシを主軸としたの澄んだ醤油味のスープと中細の縮れ麺だと思うのです。


 このような魚ダシ系ラーメン青森全土に分布していますが、その中心は津軽にあると言われています。昭和26年(1951)に作家の内田百間が青森駅近くの食堂で食べたラーメンを彼の紀行文で絶賛しています。この頃には既に青森ラーメンのスタイルが確立していたとすれば、その成り立ちはさらに古いものと推察されます。一説によると、大正年間に生蕎麦屋で中華そば出されており、それが起源ともされています。最近、津軽ラーメンという言葉もよく目にしますが、これは、当地ラーメンブームに乗じて名付けたものでしょう。


 今回、限られた時間の中でラーメン店も精力的に回りました。それらをジャンル別にご紹介してきたいと思います。まずは、伝統的な青森ご当地ラーメンあっさり焼き干し系のお店2軒です。

 青森駅近くで伝統的なラーメンを朝から食べさせるくどうらーめんさんです。
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 クリーム色の建物は雪の中でも目立ちます。今さっき、古川市場でのっけ丼を食べてきたばかりなのですが、そう何度も来られない青森、この機会を逃しません。ミニサイズもあるとのことなので、せめて味の確認だけでもと寄ってることに。御一行の皆様は呆れてホテルに帰ってしまいました。^^
 



 雪国ですね、エントランスは二重構造。でなければ、吹雪の日など客が出入りする度に店内に吹き込みます。
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 おっ、ラッキーなことにミニサイズのラーメンに青森名物の生姜味噌おでんとりんごジュースが付いたワンコインセットがありました。限定5食だそうですが、まだ朝の8時半、大丈夫でしょう。



 店内は周囲にカウンターとテーブルが二つ。まず、食券を購入します。
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食券機の上には青森おでんの垂れ幕が目を惹きます。青森おでんの会なんてのが組織されているのですね。昨今のB級グルメブームに素早く対応したようです。そう言えば、横手のB-1グランプリにも出場していましたね。

 




 お客も少なかったのであまり待たずにワンコインセットが運ばれてきました。
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 ミニラーメンはスルッと入りそうですが、おでんは思わぬ誤算でした。卵も1個入っているし、これは完食すると、あとに影響しますね。



 ミニサイズながら、津軽のラーメンの典型です。
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 厚めの煮豚と太めのメンマ、お麩は乗っていませんでした。スープは焼き干しの上品な香り。豚骨も使っているのでしょうが、ほとんど感じません。浮いてくる脂も丁寧に取ってあります。それにしても、この丼、ご飯茶碗くらいなのですが、皿のように広がっているので大きく見えます。^^



 津軽のラーメンの特徴である中細の縮れ麺。この縮れがあっさりスープの絡みを助けています。
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 多加水らしいプリッと食感はありますが、特に際だった個性はありません。でも、この麺と上品なこのスープの取り合わせは長い伝統の裏打ちを感じます。これなら、朝ラーにも最適ですね。新潟もそうでしたが、雪国の朝ラーは似たような方向に収斂しているように思えます。



 さて、青森名物の生姜味噌だれで頂くおでんです。味噌だれで食べるところは、みちのくの縁日で見かける味噌おでんを連想しますが、これは、ダシで炊いたおでんなのです。
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 おでん(関東炊き)と味噌おでんのハイブリッドでしょうか。生姜を入れるのは、かつて、青函連絡船を待つ人たちに少しでも暖を取ってもらいたいとの配慮から発案されたとか。ご免なさい。美味しかったのですが、件の理由から食べ切れませんでした。






 続いて、もう一軒は伝統的津軽のラーメンをさらに磨き上げた逸品を提供する旬麺さんです。繁盛店らしく昼前には駐車場が埋まります。
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 青森の市街地を外れた桂木という住宅地にあります。国道103号のバス停から雪道を延々歩いて到着しました。えっ、こんな所にという印象。それにしても、ちょろりさんは詳しいなぁ。青森在中にほぼ制覇してるのでしょうね。



 店内も活気があり、4~5名のスタッフが忙しそうに動き回っています。
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 日曜のせいか子供連れの家族や三世代でやってくるお客も多いですね。





 こちら旬麺さんの人気メニューは焼き干しラーメン。県民投票で青森ブランドに認定されたそうです。
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 最高級のカタクチイワシの焼き干しを使ったスープと国産小麦ねばりごしをブレンドし、焼き干しを練り込んだ麺が旬麺さんの特徴とのこと。焼き干しはアゴ(トビウオ)やアジならよくありますが、煮干しほどの大きさのカタクチイワシの頭と内臓を丹念に取って焼き干したものなのです。一尾ずつ串に刺して焼き上げています。その手間を考えただけでも美味さの波動が伝わってきます。^^



 こちらが旬麺さんの焼き干しラーメン650円。厳選した材料の割には良心的なお値段です。
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 澄んだスープからほんのり焼き魚の香ばしさが立ち上ります。焼き干しは煮干しと違って、生臭さや苦味がなく、香ばしさが加わるのが特徴です。それも高級な焼き干しだけに風味も上品。スープだけでも秀逸な一品になりそうです。厚めの煮豚や太いメンマも文句なしの味加減でした。





 そして、何よりこの麺。津軽のラーメンによく見られる中細縮れ麺ですが、これが凄い。
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 そんじょそこらの縮れ麺ではありません。国産小麦ねばりごしの為せる技なのでしょうか、独特の弾力があります。ツルツルしながらもモチモチです。こんな噛んでいて楽しくなる中細縮れ麺とは初めて出会いました。スープ、具、麺ともにバランスの取れた逸品でした。







 青森の伝統を受け継いだ焼き干しラーメン。心から癒させる味わいでした。過去の経験とも考え合わせますと、青森市街地はラーメンのレベルは相当に高いと思われます。たまたまですが、この2軒とも営業時間が日中で終わります。健康的な印象も伝わってきますね。^^  宮城では創作系のニューウェイブラーメンに行列が出来ていますが、このような毎日食べても飽きの来ない日本人の遺伝子に響き渡る癒し系ラーメンも見直されるべきですね。まず、仙台では志のぶさんが健在なので、今のところ安心ですが。^^ 次の記事では青森にも広がりつつあるこってり系のラーメンをご紹介します。






くどうらーめん


・所在地  :青森県青森市新町1-6-12
・電 話  :017-722-6905 
・営業時間 :8:00~16:00
・定休日  :木曜日
・駐車場  :あり

 
 


旬麺(しゅんめん)


・所在地  :青森県青森市桂木3-1-1  
・電  話  :017-735-6768   
・営業時間 :11:00~15:00   
・定休日  :火曜日   
・駐車場  :あ り





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2011/02/03(木) 05:00 | trackback(0) | comment(4)
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びーえむあい

URL | [ 編集 ] 2011/02/04(金) 11:10:25

好いですねえ~ 
何とも言えない香りが 伝わってくるようです♪

ワンコインセットには笑っちゃいましたが
まさにブロガーの為にあるようなセットですね♪
私は癒し系ラーメンしかいただかない派ですが
焼き干しラーメン” 食べてみたいです!

青森は今まで数回どこかで食べているのですが、当時は特に意識することなくいただいてました。
青森の出張でも来ないかなあ♪

おお

URL | [ 編集 ] 2011/02/04(金) 19:21:13

楽しみに拝見しています。

夜はさほどでも?と思っていましたが飛ばしてますね~

成田空港のらあめん花月で青森風ラーメンを出していたのでそれでガマンしました。

サエモン

URL | [ 編集 ] 2011/02/04(金) 21:03:29

びーえむあいさん

 青森県はみちのくでもラーメンレベルが高いと
実感しました。魚系のちりちり細麺は石巻辺りにも
ありますが、レベルの違いを感じます。本物の
材料の強さなのでしょう。

サエモン

URL | [ 編集 ] 2011/02/04(金) 21:04:43

  おおさん どうもです。

 今回のツアーは、新潟よりハードだったかも知れません。

花月がまた企画物をやったのですか。グロービートジャパン、
巨大な組織の影を感じて、最近は離れています。











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