青森美味探訪(5) さんふり横丁小栗の創作貝焼き

カテゴリー: 外食:居酒屋・割烹

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 さて、青森の夜はまだ早い。いなげ家さんで大間まぐろたつ鍋を堪能し、地酒各種で温まった一行は再び厳寒の銀世界を行進します。次の目的地はさんふり横丁です。どこの町にも横丁はありますが、こちらの横丁は八戸のみろく横丁(平成14年オープン)と同じく、近年(平成17年)、造られたいわゆる呑兵衛のテーマ横丁ですね。青森の夜の繁華街、本町の真ん中に位置し、個性豊かな10数軒が並んでいます。
 




 さんふり横丁の文字の上に3羽のフクロウ。まるで見ざる聞かざる言わざるみたいですが、果たしてさんふりとは・・・・。
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 さんふり横丁さんふりとは津軽衆の気質であるえふり(良い格好したがり)、あるふり(金や物があるふり)、おべだふり(知ったかぶり)に因んだそうです。^^





 東北新幹線が新青森まで開通してから、初めての大人の休日倶楽部なので、東日本から観光客がどっと押し寄せたはずなのに、意外と人気がありません。oguri3.jpg
 っつうか、雪が積もった厳寒の夜の街を酒肴を求めて果敢にも徘徊して回る中年、熟年集団は我々ぐらいしかいないということかも知れませんね。^^ ベストシーズンならきっと混み合っているのでしょう。今夜の さんふり横丁でのターゲットは元気な女将さんがやっている浜まちさんという居酒屋だったのですが、大変な人気で残念ながら満席でした。



 anegoさんが浜まちさんで食べたという溶き卵をつけて食べる乾しダラを試してみたかったのでした。仕方なく、他の店の様子を見ながら横丁を一回りして気付いたのですが、満席なのは浜まちさんくらいであとのお店はガラガラなのです。15のブースも全部埋まっておらず、空きスペースも2つほどありました。





 呑兵衛アンテナをピンと立てて良さそうなお店を探索しました結果、行き着いたのがこちら。小栗さんという居酒屋です。
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 なにかオーラを感じます。見えにくいのですが、入り口に貼り出された元祖帆立山菜伝法焼という短冊にも惹かれました。
 




 店内は狭くカウンターに8席くらい。津軽美人が迎えてくれました。その奥でベレー帽を被ったご主人が鋭い視線でギロリ。^^
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 ご主人の出で立ちから、グリーンベレーを連想し、きっと、軍オタなんだと思ってしまいましたよ。
 



 軍オタなんて大変失礼いたしました。ご主人の小栗さんは絵描きさんでもありました。
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 お店の壁には風景画やクラフトなど、様々な作品が展示してあります。面白いお店を引き当てました。あ、それと津軽美人は実の娘さんとのことでした。誰かが聞き質しました。^^
 



 

 こちちの小雪さんもご主人の作品です。
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 若い頃から画家を目指したわけではなく、料理人として修行する傍ら趣味で絵を描いていたそうです。素晴らしい才能ですね。これなら料理も期待できそうです。




 小雪さんに見つめられているうちに俗っぽくもハイボールが呑みたくなってしまいました。^^
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 お通しは焼き鮭のほぐし身をマヨネーズで和えた物でした。




 ご主人の作品の特徴はキャンバスや和紙に描くのではなく、野菜の葉や皮、魚の皮などを貼り付けて乾燥させた物に描くことです。
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 お土産に野菜の皮に書かれた夢をのカード(メンコ?)を頂きました。とりあえず、財布に入れて効能をチェックしてみます。^^
 




 さて、看板の帆立山菜伝法焼です。津軽名物の貝焼き味噌とは少し違います。下の写真は典型的貝焼き味噌(仙台銀座おやどさんにて)
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 通常、貝焼き味噌は大きなホタテガイの貝殻を鍋代わりにし、貝柱の入った味噌汁に溶き卵を流し入れて攪拌したものですが、ご主人は魚焼きオーブンで加熱しておりました。ですので、表面に焦げ目が付いていますね。



 一口食べてびっくり。まるでクリームのように滑らかです。貝柱以外にも調味された山菜がざくざく出てきます。
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 元来、伝法焼き(伝宝とも書く)とは、素焼きの平たい鍋、すなわち焙烙に葱を敷き、魚の切り身を蒸し焼きにした料理ですが、ダシで割った溶き卵を加えて焼いたものを伝法焼きと呼ぶ地域もあります。茶碗蒸しならぬ茶碗焼き、いやいや、和製キッシュでしょうか。


 でも、小栗さんの伝法焼きはそれとも違う。この滑らかさは卵の素(もと)を使っているとのこと。さすが、手練れの技ですね。とは卵黄を攪拌し、さらにサラダオイルを加えながら乳化するまで攪拌したもので、ポテッとした硬さが出ます。和食の和え衣や焼き物に使われますが、これに酢が入るとマヨネーズになりますね。どおりでベシャメルを使ったグラタンのようにクリーミーなはずです。感動しました。
 




 こちらは菊芋の漬け物。甘めの味噌に漬け込んでいます。
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 パリパリとした歯触りが気持ちいいですね。色々、食べたかったのですが、ご主人とのお喋りの方に夢中になってしまいました。
 



 ご主人のもう一つの趣味は釣りです。もう、話が弾まない訳がありません。^^ これは全長26cmのジャンボハゼの魚拓です。直接法ですが、珈琲で着色したそうです。
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 店内にも油目(アイナメ)や川鰈(ヌマガレイ)の魚拓が貼ってありました。結構良い型なので、船釣りかと尋ねますと、いつも目の前の岸壁で釣っているとのこと。釣りの腕も大したもののようです。





 いやぁ~、実に楽しかったです。偶然に入ったお店でしたが、本業の料理の他にも玄人はだしのアート、そして釣り、多才な小栗さんのご主人にはすっかり魅了されてしまいました。もちろん、津軽美人の看板娘さんにも。定休日が月に一日しかないのですが、大丈夫ですかと尋ねると、家にいるよりこっちの方が楽しいんですって。こんなな人生も素敵だなぁとしばし考え込んでしまいます。大きくなったら小栗さんみたいな人になろうっと。^^


 さんふり横丁は雪が降り積もるこの季節の方が各店の女将や亭主とじっくり話しながら呑むのに好都合かも知れませんよ。小栗さんにも30年来のお付き合いという常連さんが来られていました。看板娘が生まれる前からのお付き合いなのでしょう。北の酒場でほんわかと人の温かさを感じさせられました。

 





料理と絵の店小栗

・所在地  :青森県青森市本町3丁目8-3 さんふり横丁内
・電  話  :080-6042-4196(横丁017-745-4242)
・営業時間 :小栗さんは17:00~24:00
・定休日  :小栗さんは第3月曜日
・駐車場  :な し






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2011/01/28(金) 05:00 | trackback(0) | comment(4)
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anego

URL | [ 編集 ] 2011/01/28(金) 11:05:09

ううむ・・惹かれる! 小栗といえば旬だった私の脳みそに
がっつりインプットされました。帆立山菜伝法焼き、ぜひ食べてみたい。
浜まちさんも素敵なお店ですが、思いがけない発見も旅の楽しみ。
さすが呑兵衛集団、鼻が利きようはさすがです♪

サエモン

URL | [ 編集 ] 2011/01/28(金) 19:46:20

 anegoさん

 ね、いいでしょう。確か、ちょろりさんが選んでくれたように
記憶していますが、お客のほとんどいない店に入るのは正直
勇気のいることですね。悩んだ時は呑兵衛のキャリアを信じて、
インスピレーションと肌で感じ取るしかないのです。

 こちらの小栗さんは別格でした。料理もさることながら
アーティストであるご主人の話が面白かったです。

 帆立山菜伝法焼。。。完全にマスターしましたので、
次の機会にでも。^^

 

さちお

URL | [ 編集 ] 2011/01/31(月) 21:11:43

さんふり横丁は、駅や繁華街から離れているのと、青森一の歓楽街の本町からも少しずれているためか、正直寂びれていますね。
小栗さん、訪れたことないです。
帆立山菜伝法焼、旨そうですね。

私もサエモンさんのような嗅覚を身に付けたいです(笑)

サエモン

URL | [ 編集 ] 2011/01/31(月) 22:33:29

 さちおさん

 こちらにもコメントありがとうございます。
かつての青森はこの界隈が港町の繁華街と伺いました。
時代とともにその中心は移るのでしょうね。

 小栗さんが根っからの青森県人だとしたら、青森には
多才な方が生まれる風土があるのだと思ってしまいます。
厳しい環境を受け止めつつ、その中でアートやホビーを
粋にこなす方々には敬意を表します。











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