サ流ペスカトーレ正月バージョン
カテゴリー: 料理:麺類
青森美味探訪レポの連載中ですが、ここで1月に作った料理の記事を入れさせて下さい。^^
この華やかな料理は何でしょう。ちらし寿司のようにも見えますが、実はスパゲッティなのです。旬の海の幸をたっぷり盛り込んだペスカトーレですが、正月(1月)らしく、華やかさを出しています。通常のペスカトーレと違って、トッピング用の魚貝類の他に、細々と刻んでラグーにしたソースでパスタを和えています。一皿で食事になるピアット・ウニコ、ちょっと贅沢でしょ。^^
材料は好みの魚貝類を4~5種類は揃えたいですね。今日は新春らしくちょっと奢って白子やイクラも使います。
今が旬のマダラやムール、名残の聖護院蕪も加わります。どういう訳か季節外れのマボヤも参加します。
白子はトッピング用、マダラとタコは一部をトッピング用に大振りに切っておきます。
残りのマダラやタコ、ホヤはラグー用に細々にします。
ホヤって、夏が旬ですよね。でも最近は一年中韓国に輸出するため、国内にも周年出回るようになっています。
この時期はホヤの産卵期。肉の内側にトラ模様が見えますが、白い部分が精巣、緑褐色の部分は卵巣です。そうです。雌雄同体なんですが、自家受精はしないメカニズムを持っています。夏の身の厚いホヤとは違いますが、子持ちホヤの味わいも乙なものです。宮城県の内陸部や一部沿岸部では正月の雑煮にホヤを使うとこともあるくらいで、佳いダシが出ます。パスタのラグーソースにもきっと絶大な力を発揮してくれるはずです。
ピアット・ウニコの場合は茹でたパスタを待たさないようトッピングを先に作ってしまいます。
白子やマダラ、タコは軽く塩胡椒をして、薄力粉をはたき、オリーブオイルで炒めておきます。
続いてラグーソースを作ります。魚貝類の細々をニンニクで香りを出したオリーブオイルで炒めます。
タラの肉は炒めるに従い崩れていきますが、ソースですのでその方が都合がよろしい。
ここで隠し味のソフリットを加えます。蕪の薄切りも少し遅れてこの段階で加えます。
ソフリットはイタリア料理の定番調味料のようなもの。玉葱、人参、セロリを微塵切りにして、オイルで30分ほど気長に炒めておいたものです。これにより野菜の旨味と甘味が加わります。トマトソースと同様、まとめて作って、冷蔵または冷凍しておきます。
ここで、白ワインを加え、よく掃除したムールを加熱します。
味付けはムールの口が開いてからにします。
ムールの身に熱が通ったら取り出して加熱しすぎないようにします。
この段階で塩胡椒、ナンプラーで調味し、スパゲティを茹で始めます。本日は1.4mmのスパゲティーニ(会社によってはフェデリーニ)を使います。蕪の葉っぱを茹で上がりの3分ほど前に加え、さっと加熱します。茹で上がったパスタをこのソースに絡め皿に盛り付けましょう。
取り出しておいたムールや炒めておいた白子、マダラ、タコを乗せて、イクラを散らします。
食用菊の花びらも散らして華やかさを盛り上げます。菊華は生でもパスタの余熱ですぐにしんなりします。
魚貝類のラグー系ピアット・ウニコですが、塩味でさっぱり日本人向きです。
柚子の果汁を少し垂らして食べ進むのも日本人好みで面白いです。こんなパスタ外で食べたら、軽く2000円以上取られるのでしょうね。
やはり、このようなご馳走系パスタをワインなしでバクバク食べたら罪ですね。
もう松は取れましたが、まだ、一月。新春らしい豪華なパスタもありでしょうね。
魚貝類を使ったパスタをペスカトーレ(漁師風)と言いますが、何を何品入れなければならないという決まりはありません。元来は漁師が売り物にならなかった雑魚や壊れた甲殻類なんかを使って作っていたのでしょうから。巷ではトマト味もありますが、優しい魚貝類の味わいを活かせるのはオイルも少し控えた塩味だと思います。味噌味、醤油味への展開も想定されますが、そこまで日本化してしてしまうとイタリア料理を食べる喜びにも影響しますのであえてトライしていません。^^

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