豚足のバクテー(肉骨茶)風
カテゴリー: 料理:肉・卵・乳
私は沖縄のアシテビチやドイツのアイスバイン(Eisbein)などの豚足料理が大好きです。むしろ普通の肉より好きなくらいです。今でこそ、コラーゲンブームで見直されているようですが、四半世紀前、学生時代に新宿の沖縄料理店西武門(にしんじょう)さんで食べたアシテビチに感化され、すっかりあのペロペロの虜になってしまいました。ところが、我が家では細君も娘もいわゆる豚足の形態が不気味らしく食卓に載ることを嫌がります。今日は二人とも夜まで外出です。チャンス到来、冷凍庫の奥深く隠し持っていた豚足でアシテビチを作って味わいましょう。^^
この豚足は以前サトー商会で買ったものです。きれいに掃除されて、ボイルされていますが、さらに下茹でを行います。
これをペロンとスプーンで食べられるくらいに軟らかくするには、数時間煮込む必要があります。最初に水でコトコト煮て余分な脂を落とします。1時間ほど経ちますと、細長かった足が縮んで、それ自体が子豚のような形になります。冬はもっぱら石油ストーブで気長に煮込みます。お湯も沸かすことの出来ないファンヒーターは子供が小さかった時に使っただけでした。^^
冷凍庫を漁っている時に、こんなものも発掘されました。べがさぽ先輩のマレーシア土産、バクテーのスパイスミックスです。
すっかり忘れていました。昨年頂いて半分使い、残りを冷凍庫で大切に保管していたのです。バクテーとは漢字で書くと肉骨茶となります。詳細は以前の記事をご覧頂きたいと思いますが、マレーシアの民族料理で本来は豚の骨付き肉(スペアリブ)を漢方たっぷりのスープで煮込んだ料理です。写真のように様々な漢方薬が使われます。
箱の記載によりますと、当帰(トウキ)、枸杞(クコ)、党参(トウジン)、玉竹(キョクチク)、熟地黄(ジュクチオウ)、黒棗(黒ナツメ)、川弓(センキョウ) 、、、。これらの他にティーバッグの中には胡椒、桂皮(シナモン)、茴香(フェンネル)、丁字(クローブ)などが入っているはずです。
急遽、沖縄式アシテビチからバクテー風豚足煮込みに変更します。最初に漢方薬ミックスを30分ほど水から煮出します。
すると程なく、コーヒーのように焦げ茶色となります。ニンニクも皮付きのまま加えています。家中が漢方薬の香りに占領されますが、不快感は全くありません。
続いて、下茹でして洗った豚足と水で戻した干し椎茸を漢方エキスに加えます。さらに蓋をしてコトコト煮込みます。
豚足を加えましたら、醤油と塩でスープに味付けします。煮詰まりますので、軽めにしておきます。2時間もしますと、豚足がばらける寸前となり骨も見えてきます。スープの味を調えたら完成です。
さて、出来上がりましたバクテー風豚足煮込みを頂きましょう。
椎茸と食べられそうな漢方も添えてみました。
豚足は箸で摘んでも皮が剥がれるくらいに軟らかくなってます。
このペロンペロンが堪りません。沖縄のアシテビチは昆布だしの醤油味ですが、マレーシアのバクテーは強烈な漢方薬の香りです。それが、こってりした豚足をすきっと食べさせてくれます。
私は溶き芥子が好きで、これにも使います。
そうそう、おでん(関東炊き)の感覚ですね。
バクテーは肉骨茶とも言われるように、スープも主役です。
生薬のように、体に優しく染み渡る感じが良いのですよ。熱々のスープをご飯にかけて茶漬けのように掻き込んでも美味しいですよ。さらに、このスープを冷やすと煮こごりができ、それをご飯に乗せて食べても美味しかったです。
大好きな豚足をマレーシア風に調理しましたが、スッキリ食べることができ、後味が心地良かったです。これも漢方の成せる技なんでしょうね。中国の食文化がマレーシアで作り上げたバクテー(肉骨茶)は独自の料理です。このような日本人には作り出せない味わいを自宅に居ながら楽しめるのも現代の恩恵ですね。いずれにしましても、昨年、初めて念願のバクテーを味わうことができたのは、べがさぽ先輩のお陰でした。ありがとうございました。
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