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シイラ他3魚種のFritto misto (フリット・ミスト)

カテゴリー: 料理:釣り魚

siira1.jpg また、ハゼに続きまして、釣り魚ネタです。熱中症の危険を恐れつつも、仙台湾にサワラが入ってきているとの情報が飛び回っていますので、居ても立ってもいられず炎天下の海に飛び出しました。沖合は黒潮系特有の透明度の高い海水のため、黒々しく見えます。時折、トビウオが水面すれすれを滑空し、海の夏を感じさせます。








 ところが、中層には魚群らしき魚探反応はほとんどなく、当たりも全くありません。30回ほどジグ(魚の形をした金属のルアー)を投げ入れた時、突然、何かがかかりました。
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やった、サワラだろうか。それにしては水面での暴れ方が激し過ぎます。それに、金色に輝いています。







 上がってきたのは、なんとシイラでした。生きている時は全身黄金色に輝きます。
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大きさは60cmにも満たないペンペンシイラと呼ばれるサイズです。身も薄くリリースサイズなのですが、針のかかり所が悪く外しているうちに逝ってしまいました。
 






 この日はシイラの他にゴマサバアイナメをそれぞれ1尾ずつ追加して終了でした。
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シイラはハワイではマヒマヒと呼ばれ、グリルやソテーなどで食べられています。でも、日本ではあまり人気がありません。それにマンビキなどという不名誉な別名ももらっています。引き締まった身は淡白で油を使った料理によく合うのですが・・・ 。さて、今日はこの中途半端な数の魚たちをどうやって頂きますか・・・。








 ふと、思い付いたのが、Fritto misto di mare (海の幸の揚げ物盛り合わせ)です。以前、イタリアの海辺の町に勉強に行っていた時、が好きだと言ったら、こんな料理をご馳走してくれました。Port di Chioggia.Venezia.1992
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 小魚や貝類、タコイカにエビカニ・・・。海の恵みを取り揃えてFritto(フリット)にしたものです。イタリア人もこれには目がなく、私よりも先を争って食べていましたよ。今日は魚だけなのでFritto di pesce misto(魚の揚げ物盛り合わせ)を作ります。








 方針が決まれば、あとは速い。速攻で魚を捌き、味付けの工夫に頭を使います。
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イタリアみたいにどれも同じ味で同じ衣では芸がない。日本人のきめ細やかさを演出してみたいですね。







 それで、3種類の味わいの揚げ物にするために下味もそれぞれ変えています。
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スペイン、イタリア、日本の味わいを表現してみたいと思います。








 まず最初は、本日のメインであるシイラですが、Ajo(ニンニク)を利かせて、微細流のパン粉で揚げてみます。
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粗挽きの黒胡椒と塩も振って、味はこの段階で決めてしまいます。これはスペイン風のフリトもしくはフリートかな。







 これはオリジナルなんですが、レモンと塩で〆たアイナメにバジリコで風味を付けてパルメジャーノ入りの薄力粉で揚げます。
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以前、酢で〆た魚が余った時、即興でムニエルにしたら、殊の外、美味しかったのです。それをイタリア流に改良してバジコレモン風味のフリットに仕立てました。青魚より白身の方がこの料理には向いています。








 こちらは日本代表のサバの竜田揚げの下地です。他の揚げ物に負けないよう普段より生姜を多めに擂り下しています。本日はマサバではなく、ゴマサバですが。
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竜田揚げは醤油、味醂、日本酒の下地に肉や魚を漬けて、片栗粉を塗して揚げた逸品です。揚げた時の色合いを奈良の竜田川の紅葉に見立てたという情緒も溢れる料理です。先日の鯨の竜田揚げは子供の頃を思い出す懐かしい味でした。






 下味の付いた魚はこのように衣であるそれぞれの粉をポリ袋に入れて、その中で魚に粉を塗します。空気を入れて膨らませて振るのです。
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ただ、牛肉や鯨のように薄切りにして揚げる場合は、この方法でやりますと丸まってムラ付きになってしまいますので、バットに粉を広げ一枚ずつ丁寧に塗します。

 








 天ぷらと違って空揚げ系は揚げるのが楽でいいですね。まず、失敗はありません。
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天ぷらですといまでもかなり緊張します。









 で、こんな感じに盛り付けました。
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畑になっていた小茄子と万願寺唐辛子も素揚げして竜田揚げに添えています。ラテン系のフリットも盛り込んでいますので、レモンやフルーツトマトも合わせ盛り。









 シイラのニンニク風味揚げは狙い通りの美味しさです。
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ニンニクと黒胡椒の風味が締まったシイラの肉によく合います。脂気の少ない身なので揚げ物がよく合います。

 








 アイナメのバジリコレモン揚げは夏にピッタリのフリットです。
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ほんのり酸っぱさを感じるフリットは実に爽やか。畑のバジリコが元気なうちにもう何種かの魚で試してみたいですね。









 サバの竜田揚げの美味しさは語るまでもないでしょう。
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癖のあるサバの身を醤油と味醂が上手く引き立ててくれます。竜田揚げにはやはり甘味が加わらないと豊かな味になりませんね。







 さて、今夜もワインで海の幸を頂きます。
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サラダはレタスの千切りの上に、残っていた中華麺を茹でて適当に切って乗せ、茹でたオクラ、ナス、モヤシ、エノキダケとミョウガを散らしたものです。ポン酢醤油をかけ回して頂きます。








 いやぁ~、今日の海は暑かった。サングラスを忘れたのでいまでも目がヒリヒリします。強い太陽光は齢とともに目を傷めて白内障を引き起こしやすくするとされています。夏のアウトドアに帽子サングラスは忘れてはなりません。真っ赤になった腕や足をシャワーで癒して、テーブルに付きますが、酒飲んだら、火照って日焼けしたところがまた痛み出しました。情けないですねぇ。







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2010/09/12(日) 05:00 | trackback(0) | comment(2)
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kazu

URL | [ 編集 ] 2010/09/12(日) 12:45:15

シイラって、顔の前が絶壁みたいなのは、取材の折、佐渡の鮨屋さんでいただきました。目の前で、さばいてくれたのですが、淡白で味の記憶がありません。

鯖はトラウマで、ヤマサのそうめんのつゆに、鯖節使っているのを知って、以後、買わなくなりました。多分私が、唯一食べられないものです。

サエモン

URL | [ 編集 ] 2010/09/12(日) 13:10:12

 Ca va pas bien?

 ええっ、サバがトラウマなんですか。
もしかしたら、ヒスタミンのアレルギー様食中毒か
アニサキスによる激しい腹痛を経験されたのでしょうか。
だとしたら、辛かったでしょね。

 でも、サバは美味しい魚ですよ。特に釣り立ての鮮度
抜群なやつの刺身や〆鯖は堪えられません。秋サバの
シーズンですので、時々、登場しますがご容赦願います。^^

 シイラは成長ともにオデコが飛び出して、大人になると
顔の前に壁ができます。ペンペンシイラはまだあどけない
顔をしていますね。











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