稲庭饂飩を涼しく&滋味豊かに食べる技
カテゴリー: 料理:麺類
今年の猛暑で食欲も落ち気味だった方も多かったのではないでしょうか。そんな時、お昼はどうしても冷たい麺類に食指が伸びてしまいますね。でも、きちんと栄養も摂りませんと返って夏バテのスパイラルに陥ります。この写真はみちのくを代表する美麺、稲庭饂飩をちょっと涼しげに盛り付け、冷たくても肉や卵が食べられるように配慮したものです。雲間に見える花火のイメージなんですが、ちょっと稚拙かなぁ。^^
ご近所から稲庭饂飩を頂きました。稲庭饂飩は秋田県湯沢市稲庭町に300年以上前から伝わる手綯いの乾麺です。
刃物を使わず素麺のように引き延ばし、きし麺のように途中で扁平にするのが特徴です。以前の記事で、詳しく紹介していますのでこちらをご覧下さい。
まず、つゆを作ります。市販のつゆも使いますが、私は必ず別にだしを取り、それで薄めます。
もっぱら、田舎ダシのパックとダシ昆布を使っています。市販の麺つゆも本物のダシを加えることで見(味)違えるように美味しくなります。簡便さを求めて作られた主旨に逆行しますけれど・・・。
黄金色に取れたダシの一部を使って、稲庭饂飩の具を作ります。その1は茶巾絞りの蒸し卵です。
材料はダシと卵、缶詰か冷凍のミックス豆、味付けは塩と醤油です。残ったダシはつけツユ用に調製して冷蔵庫でがっつり冷やしておきます。
通常の茶碗蒸しよりダシを控え目にしてやや硬めにします。タマゴ1個に対し、ダシが80ml位でしょうか。
茶碗にラップを敷き、凹ませたところへ豆と卵汁を注ぎます。
ラップを破らないように茶巾絞りにして、沸騰する手前のお湯で10分ほど茹でます。
固まりましたら、冷水で粗熱を取り、冷蔵庫で冷やしておきます。
具のその2ですが、安くても良質なタンパク質である鶏のササミを使います。
味醂、塩、醤油に生姜の絞り汁を加えた調味液とササミを一緒にビニール袋の中に入れ、一晩寝かせます。調味液はササミに塗さる程度で十分です。よく漬かったササミは透明感が出て、飴色になります。それに、食感もねっとりとした感じになります。
このササミに葛粉(なければ片栗粉)を塗して、茹で上げます。
葛を打ちますと表面に透明なコーティングができ、舌触りが滑らかになり、食欲が落ちた時でも美味しく頂けます。
さて、それでは稲庭饂飩を茹でていきますが、ちょっと見せ方の工夫をします。
稲庭饂飩を袋から少し出して、そこを木綿糸で縛り上げます。そのまま、所定の時間茹でるのですが、縛った方は麺がくっつきやすいので、箸でほぐしながら茹でていきます。
茹で上がりました稲庭饂飩はよく冷水で洗い、縛ったまま盛り付けます。
位置が決まりましたら、調理ハサミで縛った部分を切り落とします。ここの部分が勿体ないのですが、再度、茹でても麺にはなりません。
こんな感じで盛り付けてみました。
もみじが流れる滝川の岸辺の巨大なキノコとか天の川と何処ぞ星団か星雲にも見えますね。^^
ギンギンに冷やしておいたつけツユと薬味を添えて頂きます。
これに麦茶でもあれば、休日のお昼には十分でしょう。
薬味は左から、長葱、大葉、茗荷です。茗荷は盆前から毎日のように出ています。
これらの他に、擂り胡麻や緩く溶いた芥子なんかも合いますね。
稲庭饂飩のツルンとした舌触りとプリンとした噛み心地が涼を誘います。
喉越しも滑らかで実に上品な饂飩です。
これは茶巾絞りの蒸し卵です。茶碗蒸しより少し硬めになります。
箸で割ると中から豆が出てきます。もちろんエビや鶏肉が出てきても構いません。^^
中まで味の染みたササミは葛のコーティングで口の中でツルンとします。
ミディアムレアくらいに火を通していますので、ぱさつき感がありません。
作り方を解説していませんが、これが第3の具でして、キュウリの浅漬けを蛇腹に切って丸め、プチトマトを乗せました。
細めのキュウリに塩をして一晩おき、両面に斜めに切れ目を入れます。生のキュウリより浅漬けの方が稲庭饂飩には合いますね。
今年は9月も平年より気温が高い予想です。残暑もまだまだ続くでしょう。冷たい麺類にもまだしばらくお世話になることでしょう。冷や麦や白石温麺も具にちょっと手を加えて栄養バランスの取れた食事として頂きたいですね。稲庭饂飩が美味しいのもやはり冷たさが恋しくなる夏ならではでしょう。秋が来る前にたっぷり楽しんでおきましょう。秋には秋で食べなくてはいけない美味しい物が目白押しですので。^^ ← ランキングに登録中です。クリックでご声援お願い致します。
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