今年の夏もゴーヤーチャンプル
カテゴリー: 料理:野菜・果物
これ、なんだかわかりますか。爬虫類の背中のようにも見えますが、これは今年、初収穫のゴーヤーです。ご承知のようにゴーヤーは沖縄方言で、大和ではニガウリと呼んでいましたが、近年はゴーヤーもしくはゴーヤがすっかり定着しました。でも、標準和名はツルレイシというのですが、あまり知られていませんね。ゴーヤーの苦みは夏バテ予防に最適とのことで、沖縄では夏になくてはならない食材なんです。宮城でも収穫が少し遅れますが、丈夫に育ってくれます。今年のような夏はゴーヤーにとっては最適なんでしょう。
ゴーヤーと言えば、やはりゴーヤーチャンプルーを外せませんね。
ゴーヤーの他に豚こま切れ、木綿豆腐、卵。そして、増量にモヤシを使いますが、モヤシが主体の炒め物はマーミナーチャンプルーになります。味付けは塩胡椒ですが、削り節を入れますので旨味が加わります。沖縄の豆腐と違って、大和の豆腐は水分が多いので予め重石をして脱水しておきます。時間がない場合は両手に挟んでゆっくりと水を絞り出します。
ゴーヤーは縦に割って、スプーンで種と掻き出します。それを4~5mmの厚さに切っておきます。
苦みに慣れていない場合は塩で揉んだり、水に晒したりしますが、ゴーヤーは苦みを味わうものです。すっかり慣れた私はそのまま炒めています。夏の暑さの中で体が苦味を求めるのはそれなりの意味があるのでしょう。
中華鍋に油を敷き、最初に豚こまを炒めます。肉の色が変わり始めたら、脱水した木綿豆腐を加えて炒め合わせます。
沖縄のチャンプルーは豆腐が入るのが基本ですが、例外も幾つかあります。
豚肉が炒まったら、ゴーヤーとモヤシを加え、しんなりしたら鍋の脇で溶き卵を炒めます。
溶き卵を全体にかけ回す作り方もあるのですが、私はある程度炒り卵状になってから混ぜ合わせたものが好みです。
最後に塩胡椒で味を決めてから、削り節をたっぷり混ぜ合わせます。
豚肉のコクに鰹節の旨味が加わって、深い味わいになります。ラーメンのスープもこの相乗効果を使っているものがありますね。
はい、ゴーヤーチャンプルーの完成です。天にも削り節を盛っています。
ともすると、夏バテ気味の時には倦厭しがちな炒め物ですが、ゴーヤーの苦みが爽やかに食べさせてくれます。
さて、もう1品。沖縄では素麺をソーミンと言って各家庭の常備品となってます。
台風で食料の供給がままならぬ時の蓄えでもあるのです。これを使った炒め物がソーミンチャンプルーです。
先ほどのゴーヤーチャンプルーを一部取って置き、茹で上げたソーミンを炒め合わせます。
彩りに人参を加えました。ソーミンは硬めに茹で上げ、水でよく晒し、水気を十分に切ってから加えます。これも味付けは塩胡椒です。
ゴーヤー入りソーミンチャンプルーです。豆腐も入っていますので、沖縄三大チャンプルーの合体ですね。
ゴーヤーの入った塩味のソーミンチャンプルーは夏にピッタリです。ソーミンチャンプルーには豆腐は入らないのですが、さほど邪魔にはなりません。好みで胡麻油を少々使ってもよいでしょう。
沖縄のチャンプルーは炒め物の総称ですが、語源はチャンポンと同じく混ぜ合わせるという意味のようです。学生の時の沖縄貧乏旅行で大衆食堂のチャンプルーにはずいぶんお世話になりました。ウチナースバと並んで沖縄の思い出の味です。いま、こうして自分でゴーヤーを栽培し、チャンプルーで味わっている自分を思うと隔世の感がありますね。もう一度、沖縄でのかつての足取りを辿ってみたくなりました。 ← ランキングに登録中です。クリックでご声援お願い致します。
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