穫り立てレモングラスでトムヤムクン
カテゴリー: 料理:甲殻・軟体・ほや
これ何だかおわかりになりますでしょうか?なんだか、ネギのようなススキのような植物の根っこに近い部分であろうことは見当が付くと思います。これはタイ料理には欠かせないレモングラスです。熱帯性の植物ですが、たいへん丈夫でみちのくでも栽培が可能なのです。もう、20年近く株分けしながら育ててきました。
いくら丈夫なレモングラスでも、さすがにみちのくの冬は越せません。冬の間は鉢に揚げて室内で管理します。
ところが、前記事の大根の冬囲いと同じように、すっかり、忘れてしまってて、とうとう雪に当ててしまいました。幸い、葉先は枯れていましたが、根元は瑞々しく、何とか無事に鉢揚げを完了しました。夏の間に増えた株の一部を鉢揚げし、残りは保存して料理に使います。根元の部分と葉っぱに分け、葉っぱは軒下で乾燥、根元は冷凍保存します。
今日はフレッシュなレモングラスが山のように収穫できましたので、冷凍保存する前にフレッシュな香りをタイ料理で楽しみましょう。タイを代表するスープ、トムヤムクンを作ります。
トムヤムクンはご存じのように、タイのエビのスープですが、辛酸甘鹹が溶け合う深い味わいとレモングラスを始め、バイマックルー、カーなど複雑に絡み合う香りが最大の魅力です。全部の材料を集めるのは時間がかかるので、バイマックルーは庭の柚子の葉、カーは日本の生姜で代用します。具にはフクロタケも不可欠ですが、これはシメジやエリンギに替えても味への影響はありません。
食材の代用が多いので、今回は缶詰のトムヤムクンをベースに、その味を壊さないように増量します。
それと外せないのが、ナンプラー(魚醤)ですね。これとレモングラスがあれば、かなりそれらしくなるでしょう。
レモングラスはきれいに切りそろえて、縦に切れ目を入れておきます。エビは殻ごと背中を切って腸を取ります。
レモングラスに切れ目を入れるのは、少しでも香りが外に出てほしいとの気持ちです。^^ 主役のエビは奇しくもタイ産のブラックタイガーでした。殻付きの方がよいダシが出ます。それにボリューム感を出すためにメカジキを使ってみます。
まず、鍋にトムヤムクンの缶詰を空け、鶏ガラスープで増量します。
缶詰のスープの味を舌に記憶させ、増量後はナンプラーや塩、砂糖、レモン汁、チリペッパーなどでベースとなる味の復元を図ります。
続いて、レモングラス、柚子の葉、ニンニク、生姜などで香りの調整を行います。味と香りが決まりましたら、キノコ類、エビ、メカジキを入れて、さっと煮立てます。
レモングラスは自前ですので、惜しみなくふんだんに使います。最後にもう一度味を見て、整えれば出来上がりです。キッチンにレモングラスの香りが立ち込めます。
今日は南米のチリから背負ってきたSOPA(スープ)用の土鍋で銘々に取り分けます。我が家は全員がタイ料理好き。特にトムヤムクンは辛い物苦手な娘もヒィーヒィー言いながら飲んでます。
タイのトムヤムクンも器にレモングラスやバイマックルーが入ってきますので、飾りとして盛り付けます。これらは硬くて食べられず、最後に残すのですが。
これまた付き物のパクチーも今は畑にありませんし、ここらでは売ってもいないでしょう。そこでセリの葉先で雰囲気だけを真似します。
この時期も室内でパクチーを育てていれば良かったです・・・。それにしても、この四味一体の美味しさは病み付きになりますね。驚いたのですが、メカジキがこのスープにドンピシャリなのです。メカジキを使った辛酸甘鹹のオリジナル料理が作れそうな気がしてきました。
スープを楽しんだあとは、トムヤムクン・ヌードルにしようという魂胆です。これはタイのライスヌードルです。
タイの平打ち乾燥米麺ですね。その幅により数種ありますが、これは3mm幅のセンレックです。食べる直前に熱湯で戻しておきます。
残ったトムヤムクンにライスヌードルを入れて、トムヤム麺です。
ここまでやりたかったので缶詰を増量してたっぷりのスープを作っておきました。タイ式の麺の汁にする場合は、卓上調味がありますので薄味が原則です。食卓でナンプラーやチリビネガーで味を加えながら頂きます。
すっかり、遅れてしまったレモングラスの鉢揚げ、でも、雪や霜にも耐えて枯れずに頑張っていてくれました。これで、長年継代栽培してきた我が家のレモングラスを絶やさずにすみました。レモングラスの香りはレモンより清々しく、どちらかというと夏向きなのですが、美味しい物はいつ食べても美味しいですね。かつてのタイ料理フリーク時代を思い出します。吉祥寺や新宿をよく食べ歩きました。体がタイ料理に反応してしまったようです。しばらく、タイ料理が続くかも知れません。^^
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