(19)韓式海苔巻キムパブ・・・具なし海苔巻もある
カテゴリー: 外食:その他
日本でもすっかりお馴染みになりましたキムパブは韓国式の海苔巻きです。キンパとかキンパブとか呼ばれることもありますが、ハングルをぴったり片仮名で表すのが難しいのでしょう。キムパブのキムは海苔、パブはご飯ですので、直訳すると海苔ご飯になります。日本の海苔巻きと大変よく似ていますが、ご飯は酢飯ではなく、胡麻油と塩が混ぜ込んであり、海苔の表面にも胡麻油を塗って、白胡麻を振るなどの特徴があります。巻き込む具材も日本の現代太巻きと似たり寄ったりですが、鉄火巻きのような生の海鮮物を巻き込むことはありません。ただ、その起源については、日本の海苔巻きだとする説や韓国の伝統料理だとする説もあり、迂闊に口を挟まない方が良さそうです。^^
起源はともかく、韓国ではキンパブの人気は日本以上かも知れません。専門店やコンビニ、市場の露天でも見かけます。
ソウルにはキンパブ専門店が何社もチェーン展開しており、カフェバーのような小洒落たお店もあります。左はチェーン店のキムパブ天国、右は市場でトッポギとともに売られているキムパブです。ただ、キムパブの味はよく知っていますので、今回は食べませんでした。と言いますか、その分のお腹の隙間が惜しかったのです。回数に限りある韓国での食事ですから、なるべく日本では食べられない物や珍しい物でお腹を満たしたかったのです。^^
右はスーパーの総菜コーナーでチャプチェとともに売られていた少しラフなキンパブです。断面を見ると日本の太巻きより具の割合が多いかも知れません。
伝統的な寿司屋の太巻きはともかく、チーズやソーセージ、さらにはカニかまやツナなど、近年何でもありの具材を巻き込んでいるのは日本も韓国も同じようです。
ちょっとこれを見て下さい。これは、釜山から晋州に向かう途中のサービスエリアで見かけたレストランのサンプルです。
一見、日本の食堂かと思ってしまうほどメニューが似ています。トンカツやエビフライ、オムライスにハンバーグ、うどんやにぎり寿司までありますね。最下段の中央にミニチュアサイズの海苔巻きが見えますね。これが慶尚南道で発祥した忠武キンパブです。
忠武キンパブは、以前忠武と呼ばれた統営市周辺のキンパブで中に具が入っておらず、一口サイズなのが特徴です。
現在はこのサンプルのように太巻きキンパブと並んで出ていますし、ソウルでもこの忠武キンパブが食べられます。
このような形でキムチやイカの辛子和えとともに供されます。
俵形のご飯とおかずが詰められた正統な幕の内弁当とも趣が似ていますね。ご飯を食べやすくしたところに共通の意味合いがあるのではないでしょうか。
日本よりブレークしている韓国の海苔巻き=キンパブ。日本でも節分の恵方巻きで太巻きが現代の食卓に定着した感もありますが、所詮、年に一度です。ところが、韓国ではチェーン店が何社もあるほど普及して、年中、食べられております。これは日本のおにぎりに匹敵するのかも知れません。ただ、不思議なのは中国人も韓国人も冷めたご飯を食べることを大変嫌ってきた民族ですが、このキンパブ人気はどう理解したらよいのでしょう。もし、キムパブが韓国独自の食べ物だととしたら、この辺の矛盾にどう説明がなされるのか知りたくなりました。


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