八戸の郷土料理あかはた餅
カテゴリー: 料理:海藻
前記事で俗にあかはたと呼ばれる海藻を料理しましたが、あかはたは赤い布状の海藻の総称であり、何種類か含まれます。また、地方によっても、それぞれ異なる海藻をあかはたと呼んでいるようです。青森県の八戸ではこのアカバギンナンソウという海藻をあかはたと呼んで、これからあかはた餅という食品を作るそうです。
アカバギンナンソウは宮城県の岩礁域でもよく見られますので、いつか、あかはた餅を作ってみたいと思ってました。ただ、岩礁に生えている海藻を無断で採取すると、マツモやフノリの密漁と間違えられ、要らぬトラブルの元となりますので、海が時化た後に打ち上げ海藻を探します。
アカバギンナンソウも八戸であかはたと呼ばれるように、若いうちは赤褐色のつるりとした美味しそうな海藻ですが、成熟すると嚢果が白いブツブツになります。
病気か卵が産み付けられたようで食欲が萎えますね。このような成熟した葉は食味も落ちますので、なるべく未熟な物を集めましょう。
集めたアカバギンナンソウは、よく洗って、根本の硬い部分を取ってから布巾を敷いた蒸し器で蒸して行きます。
今回、ケチって根本の先しか外さなかったので、後で余計な手間が掛かることになりました。舌触りを良くするためにも硬い部分は大胆に取り去りましょう。
蒸し始めて1時間もすると赤味はすっかりなくなり、緑がかった茶色になりました。
まだまだ、餅にはほど遠く、ただの柔らかい海藻です。郷土料理の本によりますと、5~6時間も蒸すとあり、長期戦の覚悟が必要です。
4時間ほど蒸しますとかなり柔らかくなり、粘りも出てきました。
ケチって硬い部分をしっかり取ってなかったので、探し出しながら回収しました。
痺れを切らして、4時間半で蒸し方終了。硬い部分をさらに取り出してから、包丁で叩きました。
擂り鉢を使わなくてもかなり滑らかになりましたので、布巾で包んでよく揉んで粘りを出します。
これを密閉容器に空気が入らないようにきっちり詰めてよく冷やします。
冷蔵庫に半日も入れて置きますと、このようにスコンと切ることが出来るように固まります。
まずは、定番の酢味噌で味見しましょう。
ん~。。。何だろう。餅と言うよりは柔らかい芋羊羹かういろうのような食感です。味はコンブやワカメをと共通した海藻の風味です。かつて、餅が食べられなかった時代には、これを餅と見立てたのでしょうか。
以前から作ってみたかったあかはた餅。期待していたより餅らしくならなかったのが心残りですが、きちんと擂り鉢で擂ればもっと弾力が出たのかも知れません。いずれにしましても、本場八戸のあかはた餅をまだ食べたことがなく、本物の食感が分からないのでなんとも言えませんね。^^ 食感はともかく、海藻食品ですからカロリーはゼロに等しく、いくら食べても安心です。それに糖分の吸収を抑制したりもしてくれます。食事の前菜として、しばらく頂くことにしましょう。


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