韓国に来て以来、参鶏湯を食べた以外は、ほとんどが海鮮料理か韓定食でした。韓国食文化のもう一つの基軸はなんと言っても焼き肉でしょう。これを食べずして帰国したら、鳴子に行って温泉に入らないで帰ってくるようなものです。違うか^^。ソウル最後の夜は本場のカルビと冷麺を食べに街へ繰り出しました。
韓国の方に紹介されたお店は日本語が通じる金剛山というお店でした。
一大繁華街、明洞での夕食を期待していたのですが、このお店はソウルタワーのある南山をトンネルで越え、漢河(ハンガン)に近い裏町のような所にありました。日本人のツアーの場合、大概、このお店が組み込まれているそうです。それもちょっと不安・・・。
ところで、金剛山(クムガンサン)とは、軍事境界線に近い北朝鮮の山岳地帯のことで美しい景観が有名です。古くから観光地として知られ、南北分断後も韓国からの観光を受け入れてきました。しかし、2008年7月に韓国人女性観光客が立入禁止区域に入ったため北朝鮮兵士に射殺されるという事件が起きて以来、観光再開の目処は立っていません。
ショーケースのサンプルや入り口近くの坪庭風のあしらいなど日本と共通するものがあります。
と言いますか、日本人客を意識してのことかも知れませんね。でも坪庭の造りをよく見ると中国風なところもあります。
メニューにも日本語が併記してあります。読みづらくて申し訳ありません。
カルビが2000~2400円、ビールが480円、韓国としては決して安くはありません。これはたぶん、日本人観光客向けの価格設定ではないでしょうか。でも、冷麺が560円なのは嬉しいですね。
例外なくパンチャンがテーブルを埋めます。炭火は練炭のようですね。
付けダレはヤンニョムと薄い醤油のようなものの2種類。もちろんサンチュは必須です。
パンチャンのレギュラーメンバーである白菜のキムチとナムル。
キノコのナムルが意外な美味しさ。これをレモン風味しても合いそうですね。
パンチャンに手を付ける間もなく、岩のような骨付きカルビが登場しました。
揉みダレに漬け込んだ骨付きカルビは握り拳ほどあります。日本では日頃、薄っぺらいカルビしか食べていないので一同大喜び。一人当たり握り拳が2個食べられました。
ほどなく店員さんが来て、骨の周りに巻き付けた肉を巻物のように紐解き、鋏で一口大に切り分けます。
漬け込み前に骨の周りの肉を切り広げて、切り込みを入れてあるのです。このパフォーマンスも美味しさのうちです。それにしても日本語がやたら上手。まるで日本の焼き肉屋さんにいる錯覚を起こします。^^
切り分けられてしまうと普通のカルビなってしまって、ちょっと淋しいのです。
この肋骨にへばりついた肉を囓り取るのもあとのお楽しみ。
とりあえず韓式作法に則って、サンチュに包んで頂きます。
でも、こんな立派なカルビは純粋にカルビだけを味わいので、後はサンチュと交互に食べていきました。^^
カルビの後はお楽しみの水冷麺(ムルレンミョン)です。それにしてもずいぶんラフな盛り付けですね。^^ 茹で卵もひっくり返っています。
ご承知のように、これは平壌冷麺(ピョンヤンネンミョン)ですね。細い麺を牛の冷たいスープで食べるヌルレンミョン(水冷麺)です。一方、同じ北朝鮮でも咸興冷麺(ハムフンネンミョン)は辛い醤と麺を混ぜて食べるビビンネンミョン(混ぜ冷麺)が有名です。ちなみに岩手の盛岡冷麺は咸興の麺を平壌式に水冷麺で食べる感じですね。
驚いたことに韓国ではこのように溶き芥子や酢を混ぜながら食べるそうです。
溶き芥子はともかく、酢を加えたら別の麺料理になってしまうのではないでしょうか。しかし、本場ではこれが常識なのでしょうか。まさか、冷やし中華好きの日本人向けに芥子や酢を出しているのではないでしょうね。
それにしてもこの麺、素麺くらいの細さです。ソウルでも一番細いと言われているそうです。
細くて弾力も弱く食べやすいのですが、やはり冷麺はあの食感がないと物足りません。
今回は無難に日本語が通じるお店を選びましたが、お客さんも日本人ばかりで異国情緒に欠けるのが残念でした。勇気を持って地元の方に人気のお店にトライするのもよい経験になりますね。金剛山さんの骨付きカルビは柔らかく付けダレの味もよく染みて大変美味しく頂きました。また、極細冷麺も日本では見られないので勉強になりました。もう少し日数があれば、焼き肉屋さんも何軒か回ってみたかったのですが、韓国最後の夜は更けていくのでした。 ← ランキングに登録中です。クリックでご声援お願い致します。
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