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みやぎ水産の日 海の幸料理教室 2017.3 【メカブ】

カテゴリー: 料理:海藻

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 みやぎ水産の日、今月のお薦めはメカブでした。メカブはご承知のようにワカメの株元に発達するヒダ状の部分で、ここから遊走子が放出されて世代交代が行われます。強いねばりがありますが、その主成分はアルギン酸フコイダン。どちらも食物繊維で人が消化することは出来ませんが、腸内細菌の餌となり、その分解物は人でも吸収することが出来ます。その他にも、血糖値やコレステロールの上昇を抑えたり、ピロリ菌の排除にも役立つとも言われています。ですけど、メカブは薬ではありません。旬の美味しい食材ですので、この時期に堪能しておきましょう。


 まずは生メカブの取り扱いを詳しく説明させて頂きます。
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 水で洗ったり、加熱したメカブは粘液のために大変滑りやすく包丁の扱いも危険です。そこで、よく水道水で洗ったメカブはキッチンパーパーで水気を拭き取った後、しばらく風に当てて乾かします。急ぐ時はドライヤーを使います。



 そうしますと、メカブが滑らず、逆に手に貼り付いてくれますので、千切りも楽に行えます。
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 これを1回分ずつフリージングバッグに入れて冷凍保存ができます。解凍せずに熱湯をかけ回せば、すぐに食べられます。とろろにする場合は、この加熱した千切りメカブを包丁で叩きます。



 それではまず、千切りメカブを使った中華風スープを作ります。メカブのとろみが堪りません。
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 最初に鶏胸肉の微塵切りをお湯で煮てスープを取ります。これに所定の半量の中華旨味調味料と塩胡椒で調味し、メカブを入れたら、すぐに溶き卵を回し入れます。メカブが少ない時はスープにとろみが付きませんので、片栗粉で補って下さい。


 
 続いて、中華風の炒め物です。メカブの他に卵と海老と長葱を使います。
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 最初に大粒のスクランブルエッグを作って取り出しておきます。フライパンに胡麻油と刻みニンニクを入れて、一口大に切ったメカブ、エビ、長葱を炒め合わせ、オイスターソース、塩胡椒、五香粉で調味し、最後に卵を混ぜ合わせれば完成です。



 最後はメカブとろろを使った三陸ビビンバです。ビビンバですから混ぜ合わせながら食べて行きます。
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 丼めしに甘酢生姜と白胡麻を散らし、まず調味したメカブとろろを乗せます。それに焼きほぐした塩銀鮭とイカ刺を盛り込み、周囲に調味イクラを、上から刻み長葱を散らします。
 

 はい、メカブ料理3品の完成です。よーく、味わって下さい。
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 メカブ三昧でフコイダン効果が期待出来そうです。^^


 メカブは歯触り、ねばり、色合いなど個性的な食材ですが、料理への応用はほぼ無限です。
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 メカブ料理の開発はメカブの消費拡大や地域振興にも重要ですので、常日頃、レシピ開発に努めております。^^
 


 皆様、生のメカブの甘さや風味に驚かれたことでしょう。パック詰めのメカブとは全く異なります。生メカブが出回るこのシーズンに1年分を堪能しておきましょう。筍や山菜もそうですが、保存食とは異なるの味わいは生を求めて自分で調理するのが一番。今回の料理の作り方は下記の料理名からリンクさせてあるそれぞれの記事を参考にして下さい。


【作り方】
 
 ・メカブの中華風かき玉スープ

 
・メカブの中華風炒め物

 
・三陸ビビンバ(混ぜめし)


 みやぎ水産の日海の幸の料理教室、毎月、その月のお薦めの旬の魚を使った料理を3品作ります。1年通いますと相当の魚料理を体験することになりますし、調理の知識や技術も身に付きます。毎月、第3水曜日の18:00~20:00にメルパルク仙台で開催しております。どの月からでも参加することが出来ますが、最少でも3ヶ月単位となります。お問い合わせは下記にまで電話でお願い致します。


【お問い合わせ・申し込み】 
   河北TBCカルチャーセンター 
    http://www.culture-ktc.co.jp/kouza/shoku.html


  【メルパルク教室】
  〒983-0852 宮城県仙台市宮城野区榴岡5丁目6-51 メルパルクSENDAI 3F
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  受付時間⇒ 日曜日、祝日を除く毎日10時~18時
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2017/03/30(木) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

 【メカブ料理シリーズ】 その③ 三陸ビビンバ

カテゴリー: 料理:海藻

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メカブ料理シリーズの最終回です。新潟に五郎という人気の居酒屋がありますが、こちらのメニューの五郎めしというのがあります。丼めしに納豆、明太子、塩辛、梅肉などのご飯の友を何種類も乗せた物ですが、これの三陸バージョンを考案し、料理教室でもご紹介してきました(関連記事)。三陸と言えば、やはり、メカブ銀鮭は外せません。メカブ料理の最後は三陸ビビンバ(混ぜめし)で締め括ります。^^


 まずメカブの下拵えですが、ヒダの中までよく洗ったメカブは芯から切り離します。
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 その後すぐに切らないで、キッチンパーパーで水気をよく拭き取り、少し乾燥させてから切りますと滑らずに安全です。千切りにした生メカブは熱湯をかけると鮮やかな緑になりねばりも出てきます。これに煮切り酒と薄口醤油で味を付けておきます。


 丼めしに乗せます材料はメカブの他に焼いてほぐしたギンザケ、イカ刺、イクラ、長葱、甘酢生姜、白胡麻です。
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 最近、スルメイカが不漁で手に入りにくくなりましたが、刺身コーナーには他のイカの刺身は並んでいます。


 ご飯の上に甘酢生姜と白胡麻を散らし、中央にメカブを盛り、さらにその上にギンザケとイカ刺を太極に盛り付けます。
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 最後にイクラと長葱の細々を振りかけて完成です。なかなか豪華ですよね。


 豪華な丼もこうやって混ぜ合わせてスプーンで頂きます。
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 あくまでもビビンバ(混ぜめし)ですので、これが正しい作法なのです。^^


 以前このような混ぜめしの記事を書いた時、様々なご意見を頂きました。どうしても日本の食習慣からしますと下品に感じてしまうようです。これがちらし寿司ばら寿司なら確かにそうですが、トロロめし納豆めしの豪華版だと思えばさほど抵抗はないと思うのですが。

 子供の頃、関西に引っ越した時、喫茶店でカレーライスに生卵を落とし、ソースもかけて全体をぐちゃぐちゃに混ぜてから食べる人を見た時の方が、相当、ショックでした。関西ではカレーライスは混ぜてから食べる物、最初から混ぜて出てくるカレー屋さんもありました。食習慣は狭い日本でも決して均一ではないのです。なんだか、メカブ料理の〆が混ぜめし論になっちまったなぁ。^^
2017/03/27(月) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

【メカブ料理シリーズ】 その② 中華風メカブ飯二品

カテゴリー: 料理:海藻

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 メカブも名残の節となった来ましたが、生メカブが手に入るうちはメカブ料理を堪能しましょう。前記事に引き続き、今回はメカブを使った中華のご飯物をご紹介致します。


 主な食材は洗って3cm角に切ったメカブと卵、海老、長葱です。これで二人前です。
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 調味料は胡麻油、ニンニク、塩胡椒、五香粉になります。これらに魚醤かオイスターソースが加わりますとさらに旨味が増します。

 
 最初に胡麻油で粗めのスクランブルエッグを作って取り出しておきます。
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 完全には火を通さなくて結構です。後から再度、炒め合わせますので。


 もう一度、胡麻油とニンニクでメカブ、海老、長葱を炒め合わせます。
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 ここに卵を戻し、調味料で味付けして、さっと炒めれば出来上がりです。オーバーライスにしますので、味付けは少し濃いめにしておきましょう。


 ご飯に乗せて出来上がりです。
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 混ぜながら食べ進みますと異なる食感と味が波状攻撃のように口に広がります。^^


 一方、こちらはオーバーライスではなく、炒飯にしています。
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 こちらは海老ではなく、ハムを使っています。調味料は炒め物と同じです。


 これもまた、春らしい色合いの炒飯となりました。
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 メカブの粘りがご飯に味をしっかり付けてくれています。


 これらにはメカブのスープを添えたいですね。
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 鶏ガラスープにメカブの千切りと豆腐を入れただけの手抜きですが、ほんのりととろみが付いて優しい味のスープとなりました。


 同じメカブの炒め物でもオーバーライスにするか、炒飯にするかでガラッと変わった料理になります。メカブは和の食材ですが、中華にもよくフィットしてくれます。これを洋食にどう取り合わせていくかを考えると楽しくなります。糸を引く粘りを嫌う欧米人にどう食べさせるか挑戦し甲斐がありそうです。^^
2017/03/24(金) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

【メカブ料理シリーズ】 その① 中華風スープ

カテゴリー: 料理:海藻

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 みちのくでも日に日にに近付いているのを感じます。養殖ワカメも間もなく終盤を迎えます。新鮮な生のメカブも程なく店頭から姿を消すでしょう。名残のメカブをしっかりと味わっておきましょう。三記事連続でメカブの料理をご紹介致し参ります。今回はメカブを使ったスープです。


 材料は実にシンプル。メカブの他は卵と鶏の胸肉だけです。これで二人前の材料です。
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 味付けは塩胡椒と中華の旨味調味料です。ただ、この旨味調味料だけで味付けをしますと、インスタントラーメンのスープになりますので、少しで結構ですから鶏肉または鶏皮を、もし時間があれば鶏手羽を煮込んでスープを取って下さい。


 メカブはよく洗い、少し乾かして千切りにしておきます。
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 卵は溶いて、胸肉は粗い微塵切りにしておきます。この鶏肉はダシを取る目的ですので、煮出してしまうのですが、キウイの絞り汁や酒粕などで揉み込んでおけば、煮出した後もあまり硬くなりません。


 400mlのお湯に鶏肉を入れ、旨味が出た頃に塩と旨味調味料を加えます。
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 これだけでインスタントラーメンのスープが本格中華に近付きます。^^


 味を調えたスープにメカブを加えます。
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 メカブが多い場合は自然にスープにとろみが付きますが、サラサラの場合は少し水溶き片栗粉を加えて下さい。とろみがあった方が次の掻き玉がふんわりします。


 スープを掻き回して、回っているうちに溶いた卵を箸で細く流し入れます。
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 一か所で卵が固まらないように同じところに長く注ぎ入れないのがコツですね。


 器にそそぎ、胡椒を振って完成です。
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 メカブの緑と卵の黄色で春らしいスープとなりました。


 メカブの粘り成分はアルギン酸も関与していますが、昨今、話題のフコイダンが多く含まれます。メカブを薬のように見立てるのは意に反するところですが、フコイダンの効能はかなり注目されています。血中でのコレステロールや血糖値の上昇を抑えたり、抗菌作用やピロリ菌の排除にも役立つとも言われています。しかしまあ、メカブは美味しいから季節に食べるのであって、四季折々、様々な新鮮な食材を満遍なく食べていくのが健康の一番の秘訣ですね。
2017/03/21(火) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

【村田町】蕎麦を求めて小旅行 後編

カテゴリー: 外食:蕎麦

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 千寿庵さん(前記事)から川沿いの道を少し走ると、幟旗が目に入ってきました。こちらは村田町の農家ほたる舞ファームさんが自家栽培、自家製分の蕎麦を食べさせてくれる週末手打ちそば屋けんちゃんちさんです。以前、イベントでこちらのご夫婦と知り合い、一度、伺ってみたいと楽しみにしておりました。



 小高い南斜面に立地した典型的な農家の佇まい。蔵の白壁も美しいですね。
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 けんちゃんちの幟旗と暖簾がなければ、ちょっとモダンな農家そのもの。どんな蕎麦を食べさせてくれるのでしょうか。


 
 店内はこじんまりとして全部で15席くらいでしょうか。
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 カウンター越しにけんちゃんこと渡邊賢治さんの姿が見えますね。^^


 
 献立は実に潔く、もり蕎麦と塩むすびだけ。
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 蕎麦には香の物や小鉢も付くようです。お替わりはいわゆる替え玉のことでしょう。


 
 お願いしましたもりそばです。
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 薬味には長葱と辛味大根が添えられます。

 
 山形の田舎蕎麦ほどではありませんが、やや色黒の蕎麦。
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 甘皮の部分を丹念に挽くことでつなぎの役割もしてくれるそうです。知らんかった。。。


 蕎麦を打っているのはけんちゃんのお父さんなのですが、色々ご教示頂きました。
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 蕎麦の美味しさは蕎麦の香りを感じる甘皮(実の外側)に近い部分にあるということで一致しました。


 蕎麦湯も頂き、至福のひと時を締めました。^^ 
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 けんちゃんは塩や醤油に相当の拘りを持ち、九州の塩や醤油に行き着いたそうです。


 
 こちらのもう一つの看板商品。ひとめぼれの塩むすびです。消費期限も今日中ですよ。
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 これは米の美味さが勝負ですね。確かに美味い。米粒一つ一つが生き生きとしている感じです。


 蕎麦処としては後発ですが、これからの発展を期待したい村田町蕎麦処とするためには、やはり何か個性が必要でしょうね。空豆を練り込んだ変わり蕎麦のような際物ではなく、蔵の街に相応しい蕎麦はあるはずです。

 大震災の風評被害から立ち直るために多大な苦労をされたけんちゃんちのほたる舞ふぁーむさん。蕎麦だけではなく、トマト狩り(30分500円)でも頑張っていますよ。村田インターからも近いので、是非、訪ねてみて下さい。


 けんちゃんち

・所在地   :宮城県柴田郡村田町大字小泉字北姥ヶ懐45
・電 話   :0224-83-4846
・営業時間  :11:00~15:00
・営業日   :土、日曜(予約すれば平日も営業)
・駐車場   :あり

2017/03/14(火) 05:00 | trackback(0) | comment(0)