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カレイのカレームニエル
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宮城県では師走に子持ちのナメタガレイ(ババガレイ)やマコガレイの煮付けを食べる習慣がありますが、若い世代の家庭では経済的にも負担であり、煮魚が嫌いな子供も多いのでこの食文化の継承が難しくなっています。そこで、仙台湾のカレイ類の中でも資源量が最も多く、値段も手頃なマガレイを使ってお子さんも好きになれそうな料理を考えてみました。仙台湾のマガレイは冷凍ではなく鮮魚で出回ることが多いので、カレイ本来の味も知ることが出来るからです。
まず、新聞紙の上でヌメリとウロコを掃除します。


カレイの両面の鱗を丁寧に出刃の刃先でこそげ落とします。これは頭を落としたり、内臓を取る前にやって下さい。
そして一工夫。調理ハサミで背鰭と尻鰭を切り取ります。必ず尾の方から鰭を立てるようにして切り取ります。

これには訳があります。マガレイを空揚げにしますと鰭までパリッと美味しく食べることが出来るのですが、ムニエルや塩焼きだとそうは行きません。そこで、鰭は鰭で料理して無駄をなくそうという魂胆です。その利用の仕方は後述します。
両側の鰭を切り取ったカレイは頭を落として内臓を引き出します。


さらに尾鰭も切り落とし、よく洗ってから正中線に沿って切り込みを入れておきます。こうしますと、肉の厚い部分にも火が通りやすくなるとともに、食べる時に身を骨から外しやすくなります。
前処理が終わって、いよいよ加熱調理です。

調味は塩とカレー粉だけです。香り付けに好みのハーブを用いても良いでしょう。カレー粉は十数種類のスパイスの複合体ですので、ハーブがなくても十分に香り付けが出来ます。淡白なマガレイの白身をスパイシーに演出しようという作戦です。
フリーザーバッグにカレイと調味料、ハーブ類を封じ込めて30分ほど寝かせます。

ハーブはローズマリー、セージ、タイムなどが魚とよく合います。
この間に切り取った鰭で煎餅を作ります。よく洗ってから水気を拭き取ってクッキングペーパーに並べます。



これを耐熱皿に乗せて、電子レンジで600W3分を2~3回繰り返します。一度加熱したら取り出し、庫内の蒸気を排出し、鰭も天地返しします。量が少ない場合は2回でも出来ますが、3回目は様子を見ながら時間を加減して下さい。油を使わないヘルシーな鰭煎餅が出来ます。カリッと仕上がったら塩を振ります。
さて、カレー粉が馴染んだカレイですが、バッグからハーブだけを取り出し、片栗粉を振り入れます。

バッグを膨らませて密封し、よく振りますとカレイに片栗粉が満遍なく塗せます。
余分な粉を叩いて、油を熱したフライパンでハーブとともに焼き上げます。

少し多めの油で焼き始め、傾けたフライパンの端に溜まる油をスプーンでカレイにかけながら両面同時に加熱します。鰭を切り取っていますので、フライパンが焦げ付きやすいと皮が剥けてしまうことがあります。その場合は、クッキングペーパーを敷いてその上で焼いて下さい。
両面こんがりと火が通ったら完成です。

好みの野菜とレモンを添えて頂きましょう。鰭を切り取ってあるので身が背骨から外しやすいのですが、縁側の中の小骨(担鰭骨)は紛れやすいので注意して下さい。
こちらはレンチンして作った鰭煎餅。軽く塩を振りました。

やや生臭さが残るので、これにもカレー粉を塗しておいた方が良かったかも知れません。
特に師走は生鮮のナメタガレイやマコガレイがお高くなります。かといって、どこの国のカレイか不明な冷凍切り身ではカレイ本来の美味しさは子供にも伝わりません。仙台湾はカレイの宝庫、特にマガレイは値段も手頃で生鮮物が販売されており、子供も喜ぶこのような料理で是非、味わってみて下さい。
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2016/12/14(水) 05:00 | trackback(0) |
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