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第69回塩竈みなと祭の美味いもの

カテゴリー: 料理:水産加工品

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 7月18日から19日にかけて、第69回塩竈みなと祭が開催されました。18日の夜は前夜祭の花火大会だったのですが、生憎、雲が低く垂れ込め、上の写真のような状況でした。海の日に因んでこの日に固定しているのですが、東北地方南部の平均的な梅雨明けは7月25日頃とされており、スッキリと見える確率は60%くらいでしょうか。



 花火大会が行われると松島湾内ではしばらく魚が釣れなくなるとの言い伝えがありますので、日中、イシモチ(シログチ)釣りに行ってきました。
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 水中スターマインなどの衝撃で魚が湾外に出るとされていますが、検証したことはまだありません。イシモチの塩焼きは絶品ですね。これを食べながら花火を鑑賞する予定でしたが、ただの晩酌になりました。^^ 小皿はイシモチの真子と白子の煮付けです



 翌日は晴れ上がって夏空となりました。塩竈神社を出発した神輿は市内を巡ってから御座船で松島湾内を巡航します(写真は(株)佐浦の冨谷さんの撮影です)。
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 この急な表坂を神輿が下りますので、緊張しますね。



 塩竈みなと祭りは日本の三大船祭の1つです(諸説あり  ^^)。
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 約100隻の漁船を従えて、5時間あまり太鼓や笛の音と共に巡航していきます(冨谷さん撮影)。



 再び、上陸して市内を巡って神社に戻ります。
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 氏子の皆様もかなり疲労の色が顔に出ています。時々、よろけそうになりながらも神社へと向かいます。


 今年の塩竈みなと祭りの最大の特徴は、東京ディズニーシーのキャラ達がパレードに加わったことです。上の写真はIKI-ZENのひろきちさん撮影です。どこに登ったんだろう。。。
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 2台のクルーザー型バスからミッキーやミニーが手を振ります。これには沿道の子供達が大感激。歓声がいつまでも続きました。これはディズニーシー開園15周年のイベントなので来年はないのですよ。。。



 ところで、塩竈・キオッジャ友好協会の会員であるマルブン食品さんの新製品を同じく会員である東洋の場末の居酒屋サライさんが露店販売をやるというので冷やかしに来ました。
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 売り子も協会員の中村さんと齋藤さん。沿道に花が2輪咲きました。^^ マルブンさんの新製品は鮪メンチカツホヤメンチカツです。



 彼の有名なオタフクソースさんが、これらのメンチカツ専用のソースを開発して下さいました。
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 オタフクソースさん恐るべしですね。これらのメンチカツに対する意気込みを感じます。^^



 
サライさんのお店に入り込んでメンチカツをエビスの琥珀で味わいます。
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 いや~、不謹慎ながらお祭りはいいなぁ~。^^ 


 
 ホヤメンチには大葉の細々も混ぜ込んであり、ホヤと絶妙なコンビネーションです。
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 すり身に蒸しボヤのミンチを混ぜ込んだそうです。ホヤ好きには堪らない逸品です。ソースよりポン酢が合いそうです。



 鮪メンチはしっかりとした歯触りもあり充実しています。
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 知らないで食べると畜肉のメンチと変わらないのですが、脂のくどさが全くないので後味が爽やか。



 お店の前には塩竈四郎が座り込んでいます。ピカチュウではありませんよ、念のため。^^
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 製造責任者なんだから、ビール飲んでないで呼び込みでもしなさい!! (^-^;


 
 それにしても隣の蔵王から来た農家のご一家。胡瓜の一本漬けの売り上げがおどけでねぇ。
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 数百本は軽く売り捌きましたね。呼び込まなくても常に行列が。そうか、夏は胡瓜が売れるんだぁ。



 今年のみなと祭は冷やかしのつもりで立ち寄ったサライさんに結局、夜まで居座ってしまい、気付いた時には売店の手伝いをしていました。^^ でも、お祭りって楽しいな。物を売る喜びも体感できました。いつか、胡瓜の漬物専門ブースでもやってみたいですね。定番の浅漬け、大人の味の辛子漬け、甘めの三五八漬け、さっぱり梅酢漬け、スパイシーなエスニック風漬物。。。イメージは勝手に膨らみます。^^



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2016/07/25(月) 05:00 | trackback(0) | comment(4)

煮貫と煎り酒

カテゴリー: 料理:農産加工品

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 この二つの液体は一体何でしょう。醤油とおのようにも見えますが、違います。これらは今から300年以上前の日本で最もよく使われていた調味料なのです。醤油が江戸の庶民に広まるのは享保年間(1716~1735年)以降のことであり、それまでは蕎麦つゆにも醤油は使われていませんでした。今回はそれらを実際に作ってみて、現代の食事に適用できるかを検討してみました。


 まず最初に上の写真の左側、煮貫(にぬき)から作ってみます。
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 赤味噌をその3倍量くらいの水に溶かします。


 15分くらい置いてから漉していきます。
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 そうしますとやや薄い醤油のような物ができます。これを生垂れ味噌と言います。 


 これに半量程度の日本酒と鰹節や昆布を加えて半分位になるまで煮詰めます。
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 再度、漉したら煮貫の完成です。

 いやいや、これは素晴らしい。味噌の香りは残りますが、甘味のない蕎麦つゆのようです。
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 大した量ではありませんが、煮沸滅菌した瓶で冷蔵保存します。


 続いて、もう一方の薄黄色の液体ですが、これは煎り酒と言います。
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 材料は日本酒と梅干し、それに鰹節や昆布などです。これも半量になる位まで煮詰めますが、梅干しを潰して風味を酒に移します。

 煮貫と同じく漉したら煎り酒の完成です。
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 程よい塩味と酸味で上品な調味料となっています。ダシも利いていますので、このまま酢の物に使えそう。

 同じく瓶に入れて冷蔵保存です。
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 酸味はありますが、白身魚の刺身に合いそうな予感。


 まずはそれぞれの個性を把握するために白石温麺で味わってみます。蕎麦よりも煮貫煎り酒の味わいが分かりやすいと思ったからです。
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 煮貫はまさに麺類にぴったり。味噌の香りも仄かなので蕎麦でも行けそうです。実際、醤油が普及するまではこれが蕎麦つゆとして使われていたのですから当たり前ですね。煎り酒は酸味があるので蕎麦には向かないと思いますが、このような小麦系の温麺や素麺には最適ですね。実際、梅酢を入れた麺つゆもありますし。


 さて、刺身との相性ですが、カツオ、スルメイカ、ホヤで試してみます。さて、その結果は。。。
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 驚いたことにそれぞれ煮貫煎り酒もどちらでも美味しく頂けました。イカやホヤに梅酢が合うのは想定内でしたが、カツオも柑橘酢が合うように煎り酒にもよく合います。煮貫は醤油の代用ですから何にでも合います。ただ、煎り酒は鰹節の香りが表に出てくるのでイカや白身の魚には邪魔な感じもします。たぶん、昆布のダシだけにすればよいのでしょう。



 江戸時代の調味料は実によく工夫されていました。煮貫煎り酒があれば、大概の物は食べられるでしょう。ただ、刺身には若干、塩味が足りないかも知れません。たぶん当時の味噌梅干し塩分濃度は現在よりもっと高かったはずです。特に我が家の梅干しはヘルシー志向の細君が漬けますので、通常の半分程度の塩分濃度ではないでしょうか。従って、さらに煮詰めるかを補うかの改良が必要です。しかし、刺身用と麺つゆ用の調味料が同じ塩分濃度というわけには行きません。ですので刺身用に調製して、必要に応じて薄めて使うのが良さそうです。(^-^;


2016/07/18(月) 05:00 | trackback(0) | comment(2)

山椒風味の糂汰味噌(じんだみそ)

カテゴリー: 料理:買い魚

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 今年も山椒の実がたわわに成りました。山椒は小粒でもぴりりと辛いと言われるように、これをそのまま食べることは出来ません。塩漬けにしたり乾燥させて粉にしたりして香辛料として利用します。これは朝倉実山椒という品種で、植えてからかれこれ四半世紀が経ちますが、全くの世話要らずで、毎年、木の芽や実を使い切れないくらい提供してくれます。

 

 山椒はミカン科の植物ですので、実をよく見ますと小さなミカンのような風貌です。
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 しかしながら、果肉は殆どなく、秋になると大きな種子がごろんと出てきます。


 今年は塩漬けとオイル漬けを作ってみました。
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 塩漬けは後に佃煮やちりめん山椒などに使います。オイル漬けは炒め物の香り付けや擂り潰して隠し味に使ったりします。


 こちらは1年を経過した山椒の実の塩漬けです。
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 時を経て辛味や痺味も少しマイルドになっています。


 前振りが長くなりましたが、今回は山椒の香りも加えた山口県周防大島の郷土料理、糂汰味噌(じんだみそ)を作ってみました。
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 糂汰味噌はメバルを使った調味料的な一品。山椒は私が直感的に合いそうと思って加えました。

 材料のメバルを釣りに行く時間がないので、赤魚(アラスカメヌケ)を使います。
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 アラスカメヌケもメバルと同じSebastes属、ちょっと身強いけど味は似てるんじゃないかなぁ。これをよく焼いて、身だけをほぐしておきます。
 

 本来は甘い麦味噌を使うのですが、手に入らなかったので白味噌にしました。
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 でも、この白味噌かなり甘いので代用にはなるでしょう。青葱や大葉も私流です。一年物の実山椒の塩漬けも隠し味に使います。


 最初に実山椒を擂り潰し、次に赤魚のほぐし身を入れて突き潰していきます。
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 ねっとりしてきたら白味噌を加え、微塵切りの青葱や大葉も混ぜ合わせます。最後に自家製の昆布酢(醸造酢にダシ昆布の細々を漬けたもの)を加えて味を引き締めます。

 
 はい、赤魚糂汰味噌の完成です。早速、味見を。
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 本物の糂汰味噌は食べたことがないのですが、たぶんこんな感じでしょう。それにしてもちょっと甘味が強いですね。本場のようにただでさえ甘い麦味噌を使い、それに味醂や砂糖を加えたりしたらとんでもない甘さになりそうです。そういえば、テレビの番組でこれを食べたタレントが「甘い。。。でも優しい味ですね。」としか言わなかったなぁ。。。


 糂汰味噌は、基本的に調味料として使うので、とりあえずお茶漬けにしてみました。
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 それでも甘いなぁ。みちのく人には仙台味噌で作った方がすんなり頂けるでしょうね。そうすると、焼き魚で作ったなめろうみたいになるのかな。


 この糂汰味噌と類似した料理は西日本に広く分布します。これを出汁で薄めていけば、愛媛のさつまや宮崎の冷や汁に近くなります。どれも焼き魚の香ばしさと味噌味が共通しています。ところで、この糂汰味噌の「じんだ」と言う言葉ですが、宮城の「ずんだ餅」と関連すると言う説があります。糂汰の本来の意味は塩を加えて発酵させた米糠のことですが、外見から今回の焼き魚の味噌混ぜも糂汰と呼ばれるようになりました。枝豆の餡も山形県の置賜ではじんだぢんだと呼んでいるところから、伊達家が宮城に持ち込み、それが訛って「ずんだ」になったのではないでしょうか。今回は山椒の話題から翻って、ずんだ餅の話しになってしまいました。^^


2016/07/11(月) 05:05 | trackback(0) | comment(0)

あまころ牡蠣全国デビュー

カテゴリー: 外食:その他

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 今年(2016年)3月18日にオープンしたエスパル東館、82店舗が営業を開始しました。3階は杜のダイニングと名付けられたレストラン街となっています。和洋中の8つレストランがありますが、本日はその中のザ・スチームさんで生産者の皆様とあまころ牡蠣を試食します。



 ザ・スチームさんはオイスターバーを全国展開する(株)ゼネラル・オイスターさんの店舗の一つ。
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 栄養と美味しさを逃さず、油を使わないヘルシーな蒸し料理が目玉ですが、生牡蠣ももちろん提供しています。


 あまころ牡蠣は東日本大震災の発展的復興の一環として取り組み、一昨年の試験出荷を経て、やっと今年、全国デビューです。
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 あまころ牡蠣は天然のシングルシードを養殖したバージンオイスターです。産卵を経験していないので雑味が少なく、爽やかな甘さが特徴です。


 まずは歴代の担当者とあまころ牡蠣生産者の皆さんと労をねぎらい乾杯です。
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 この突き出しが面白い。焼いた皮付きヤングコーンです。近年、人気が出てきた新商品ですね。間引きトウモロコシの有効利用、実にナイスな着目です。


 お立ち台に乗って供されましたあまころ牡蠣。みなさま自分の子供の晴れ姿を見るようです。
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 感無量ですね。全国チェーンのオイスターバーの晴れ舞台に上がったのですから。食べ慣れてはいるもののいつもより美味しく感じます。^^



 あまころ牡蠣には日本酒が合います。こちらには日本酒も常備してあります。
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 店長のお薦めは澤の泉。甘めの酒があまころ牡蠣を邪魔しません。


 ちょっと浮気して愛媛のイワガキも頂きます。
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 同じ牡蠣とは言え、種が違います。成熟していても甘みを感じる凄さがあります。


 こんな牡蠣のグリルも出してくれるザ・スチームさんです。
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 牡蠣が苦手の方や食べず嫌いの方もこちらで慣らしてみて下され。。。


 
 約2万人の方が瞬時に犠牲になった東日本大震災。あれから5年ですっかり昔話のような昨今です。しかしながら、傷ついた産業はそう簡単には復興しないのです。被災地でも震災以前以上の復興を目指して頑張っています。それを支えられるのは消費者の皆様方です。是非、食べ支えをよろしくお願い致します。m(_ _)m




SEAFOOD POT & OYSTER The Steam
  http://www.oysterbar.co.jp/shop/detail.php?sid=HW0033


・所在地    :仙台市青葉区中央1-1-1 エスパル仙台東館3階
・電 話    :022-792-2501
・営業時間   :11:00~23:00(ランチ~15:00)
・定休日    :不定休
・駐車場    :エスパル共通http://www.s-pal.jp/sendai/access/faq/
2016/07/04(月) 05:05 | trackback(0) | comment(0)
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