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浦霞の酒粕酵母でパン作り(2/3)
カテゴリー: 料理:穀・粉類

前記事で酒粕から酵母液を作製する過程を説明し、温度による発酵状況の違いを確認しました。次の工程は中種作りです。中種は元種ともいい、酵母液に小麦粉(強力粉)を加えながら培養を続け、パン生地内での発酵に適した酵母を増殖させるものです。さらに、中種作製からパン生地発酵、焼成と一気に進め、酵母液の発酵温度(冷蔵庫・室温・発酵器)の違いによる出来上がったパンの品質の差を検討します。
それぞれの実験区の酵母液10gに強力粉、水ともに10gを加えて攪拌します。



ちょうどお好み焼きの生地くらいの緩さです。発酵容器には丼を使い、ラップで密閉します。
3種類の中種を同時に発酵させるので培養器は使えません。オーブンならまとめて入るのですが、発酵機能がありません。


そこで、使い捨てカイロを上に乗せてタオルで包み、さらにビニール袋に入れて窓辺に置くという暴挙に出ました。^^ 寒い日だったのですが、大体20~22℃を維持できました。
途中でもう一度、強力粉と水を足して、さらに発酵を続けさせます。

目立った量の増加はありませんが、どの区も表面が細かい泡で覆われています。
さて、いよいよパン生地の作製過程に入ります。それぞれの配合は下記のとおりです。

各温度区の中種50gに強力粉125g、水70ml、砂糖大さじ半分、塩小さじ半分、油少々を加えて捏ねます。砂糖はてんさい糖で分量のぬるま湯に溶かしておきます。
それらを捏ね合わせ、また例の丼に収容して、同様に発酵させます。


5時間ほどで倍近くに膨らみましたので一次発酵は終了。それぞれにガス抜きをし、ベンチタイムを取ってから次に進みます。
それらを3つに丸めてさらに二次発酵を1時間ほど。


左の生地は覆っていた触れ布巾にくっついて表面が荒れてしましました。
それぞれの酵母液実験区がわかるように、冷蔵庫区にはゆかり、室温区にはパプリカ、発酵器区には白胡麻を乗せています。


マーキングの前に卵黄水を塗っておきました。210℃で10分ほど焼成します。
焼き上がりました。焼成過程でも膨張して隣とくっついてしまいました。^^

どれも美味しそうですが、果たして酵母液の発酵温度による美味しさの差はあるのでしょうか? 外観には差が見られませんが。
断面を比較していますが、差がないと言ってもよいでしょう。

当然ながら目を瞑ってじっくり試食を行いましたが、はっきりって食感も味も全く同じ。なお、これらのパンには酵母液の酒粕も含まれることになるのですが、少しもそれを感じません。
少なくとも酒粕酵母の培養温度はパンの品質には影響しないようです。温度が低ければ増殖速度が低下しますので培養には時間が掛かります。時間がない場合に発酵器を使えば宜しいでしょう。発酵器も冷蔵庫も電気を消費しますが、冷蔵庫は常時稼働していますので、週末にパンを焼く場合は、1週間前に酒粕酵母液を仕込んで冷蔵庫に保管すればよいのです。
でも、もしかしたら友人が言った発酵温度とは、酵母液だけではなく、中種やパン生地についてもなのでしょうか。だとすると気の遠くなるような時間が掛かります。今回の作り方でも十分美味しく頂けましたので、今回の工程をベースとして自分なりの酒粕酵母パン作製プロトコルを確立させたいと思います。
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2016/05/23(月) 05:00 | trackback(0) |
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