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蒲しゃぶとCAMの水産加工品

カテゴリー: 料理:水産加工品

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 塩竈の揚げ蒲鉾の老舗、マルブン食品さんがユニークな蒲鉾の食べ方を発案しました。蒲鉾のしゃぶしゃぶ、略して蒲しゃぶです。最初、聞いた時しゃぶしゃぶ用に平べったい帯状のニュータイプの蒲鉾でも作ったのかと思ったのですが、通常の蒲鉾で良いとのこと。すなわち、食べ方の提案なのでした。しかも、もうすでに登録商標も取っているとか。早速、本塩釜の東洋の場末の酒場さらいさんで試食会です。



 用意するものは蒲鉾類と昆布だしです。醤油や塩などで調味は致しません。
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 その中に蒲鉾類を沈めて温めるのですが、決して煮立ててはいけません。しゃぶしゃぶと言うよりは湯豆腐に近い感じです。



 それを好みのたれで頂くのですが、私はタイスキのすり身団子のイメージからタイ風のタレを2品用意しました。
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 これらの台風のタレの作り方は前記事で報告しています。丑田さんが作った胡麻油とサムジャンを利かせた韓国風のタレ(下の写真)もベストマッチでしたよ。もちろん和風にポン酢や辛子醤油でも行けますが、今回は新しい可能性の探索でした。^^



 この蒲しゃぶ、いくつかの凄い点があります。


1 醤油や味醂などの調味料が染み込まず、蒲鉾本来の味を楽しむことができること。
2 作り立てに近い味わいが楽しめること。
3 様々なタレや薬味と蒲鉾との新たなマリアージュが探索できること。
4 蒲鉾の質が悪いと水分を吸って膨らんだり溶けたりすること。(正体がバレる)
 



 蒲しゃぶの最後にはダシに蒲鉾の旨味も加わりますので、具材を足して雑炊や麺類を楽しめます。
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 写真はブラウンエノキ(柿の木茸)をどっさり入れたところです。最近よく見かけるこのキノコはエノキダケの原種に近い菌とのことで太陽の光に当てて栽培しています。



 さて、本日のもう一つのハイライトはイタリアのシーフード食品です。
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 昨年の7月末にイタリアの港町キオッジャで情報交換と食文化交流会関連記事)を行った水産流通加工会社CAMさんの水産加工品をマルブンさんが取り寄せたのです。全て冷凍のシーフード加工品です。デザインセンスはさすがイタリアですね。




 まずはバッカラです。塩乾品のタラの身を戻してからミルクで煮てオリーブオイルを加えながら練り上げたベネツィアの郷土料理です(製品の外観写真はマルブンさん提供です。以下同)。
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 これはイタリアで食べたバッカラより、かなり原魚の風味を強く感じます。これをご飯の上に乗せて、醤油を垂らしてもよさげです。



 こちらは北イタリアで有名なクモガニのほぐし身です。クモガニといっても日本のズワイくらいの大きさになります。
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 これの美味しさは言うまでもありませんね。タラバガニくらいの噛み応えがあります。



 続いて、冷凍のスープですが、大振りの具もゴロゴロ出てきます。
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 濃厚な海鮮シチューと言ったところ。一箱でたっぷり二人前はあります。便利で美味しくてありがたいのですが、冷凍庫のスペースにゆとりがないと厳しいですね。



 こちらはムール貝のトマトソース煮でした。アップの写真は撮り忘れましたが、下の写真の右端のような状態です。
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 そのまま食べましたが、パスタを和えれば、Pasta alla cozze e pomodoro がすぐにできます。それにしてもテーブルの上は蒲しゃぶ用のタレやらイタリアンの食材やらで実に賑やかです。^^



 和食離れ魚離れが深刻な現代ですが、伝統を守りつつも現代の若い世代にもすんなりと食べてもらえる食べ方やスタイルは常に研究していく必要があります。おでんを継承しつつも新しい蒲しゃぶを世に問う姿勢は学ぶべきものがあります。イタリアのシーフード加工品も若い世代には受けが良いかも知れません。ただ、日本の水産物消費を考えるとイタリアの企業を誘致するか、提携により日本企業がイタリア製品と同じもの(パッケージデザインも含め)を日本の材料で生産する方法が考えられます。とにかく、あの手この手で日本の水産物を食べて頂くための努力を続けて行かねば、この国の水産業は息絶えてしまいます。。。




 東洋の場末の酒場 さらい

・所在地   :宮城県塩竈市本町(壱番館裏)
・電 話   :不明
・営業時間  :18:00頃~
・定休日   :日曜祭日らしいがやっている時もある
・駐車場   :なし

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2016/04/04(月) 05:00 | trackback(0) | comment(3)
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