JAN
FEB
MAR
APR
MAY
JUN
JUL
AUG
SEP
OCT
NOV
DEC
21

早いものであれからもう
5年が経過しました。3月11日には県庁に
犠牲者追悼献花所が設けられましたので、記帳と献花を行ってきました。仙台の街中で
大震災の傷跡を見つけるのは至難の業ですが、三陸沿岸の街ではダンプカーが走り回り、
赤茶けた台地が広がっています。一方、海面の漁業や養殖業はかなり
復興し、生産量も震災以前に近付きつつあります。仙台湾の魚貝類からも
放射性物質が検出されることが殆どなくなりました。
この日には宮城県漁協主催の養殖生産物を使った料理教室が仙台市ガス局ショールームGAS SALONで開催されました。


復興しつつある宮城の
養殖生産物を知って頂き、美味しき食べる調理法も併せて覚えて頂こうという企画です。恥ずかしながら講師に抜擢されてしまいました。ここ、
GAS SALONは昨年の
おむすびコンクールで
グランプリを取った縁起の良い場所。何かの因縁を感じます。
コンクールの様子やレシピはこれらの記事をご覧下さい。
グランプリ受賞 おむすびレシピ おむすび販売化
今回は次の世代へも魚料理を継承して頂きたく、主婦の方限定でお集まり頂いております。

情報誌
ぱどさんで告知しましたところ、定員20名に対し100名以上もの応募があったそうです。これは1回限りではなく、何回もやる必要がありますよね。宮城県漁協さん前向きにご検討を。^^
いつものように最初の小一時間は三陸の海や魚貝類についてお勉強して頂きます。

併せてスライドを使って本日の献立とその作り方も解説してしまいます。
本日のお献立は次のとおりです。 汁 物 海苔と春雨の生姜スープ
刺 身 ホタテガイの刺身 海人風
炒 め 物 ワカメの卵炒め カリカリガーリックしらす
御 飯 復興飯(銀鮭とワカメの混ぜ御飯) 作り方はこの記事の最後に掲載してあります。
最初に海苔と春雨のスープをセッティングしておきます。


これは全てが出来上がり食卓に着いてから熱湯を張ります。
続いて、ホタテの脱殻に挑戦して頂いています。


ハーフシェルで頂きますので、貝柱の下面は外さずに殻に付けておきます。
ヒモや
真子白子の生臭さを取り去る
前処理の仕方もしっかりと覚えて頂きました。
次はワカメの卵炒めですが、最初にスライスガーリックとしらすを胡麻油で炒めます。

ちょっと時間が掛かりますが、茶色くカリカリになるまで気長に炒めて下さい。
スライスガーリックとしらすを取りだし、香りと旨味が移った油でワカメを炒めます。


ワカメに調味をしたら、片側で
スクランブルエッグを作り、最後にさっくり混ぜ合わせて出来上がり。器に盛り付けたら
カリカリガーリックしらすをトッピングします。これはサラダにも使えますよ。
最後は復興飯です。ご飯をダシ昆布と炊いている間に混ぜ込む具材を刻みます。


塩銀鮭は皮と骨を取り除き、微塵切りにしておきます。水で戻したワカメも同じく微塵切りです。ご飯が炊けたら、最初に銀鮭を混ぜ込み蒸らします。ワカメは食べる直前に混ぜ込みます。
取り除いた銀鮭の皮や骨はパリパリ煎餅にして無駄なく頂きます。

耐熱皿にキッチンペーパーを敷いて、皮や骨を重ならないように並べ、さらにキッチンペーパーを被せて、500W3分を2~3回繰り返します。途中で庫内の水蒸気を扇ぎ出すことが大切です。油で揚げていないのでヘルシーな骨皮煎餅になります。酒のつまみにも最高です。
はい、全品が完成しました。ヽ(´▽`)/

食卓に運び、お楽しみの試食となります。
もう一度、完成したお料理の勇姿を眺めましょう。^^

海苔と春雨の生姜スープは頂く直前に熱湯を張ります。スープ春雨は2分で戻りますので便利です。生姜は普段からも摂っておきたい食材です。ショウガオールやジンゲロールが体を温めます。
ホタテガイのハーフシェルは醤油を垂らしながら頂きます。

アイスクリーム用の平スプーンが食べやすいですね。貝柱にスプーンで縦に切り込みを入れてから底を外しながら食べ進みます。きちんと処理された
ヒモや
真子・
白子は生臭さを感じません。
カリカリガーリックスライスしらすがトッピングされたワカメの卵炒め。

お子様も食べやすいワカメ料理です。酒の肴にもなりますね。
復興飯は大震災から一番早く立ち直った養殖種目である銀鮭とワカメをシンボルとして考案しました。

銀鮭はご飯の余熱で低温加熱しますのでふっくらしています。焼いた鮭では味わえない食感です。
それでは皆様召し上がれ。頂きま~す。




是非ご家庭でもご家族に作ってあげて下さい。そして、お袋の味として次の世代にも繋げて頂ければ幸いです。
東日本大震災追悼5周年の日にぶつけた
養殖生産物の料理教室。復興しつつある宮城県の養殖業を知って頂き、それらを食べ支えて頂こうという趣旨です。生の
魚貝類を料理しない家庭が多くなっているという話しもよく聞きます。そういう家庭で育った子供達は
魚貝類は外食するものとして認識し、
嗜好品的な存在としてしまいます。そして、自ずと食べる回数も減っていくことでしょう。
日本は海に囲まれた国です。国土面積は狭いですが、
EEZ(排他的経済水域)の面積は
世界6位の海洋大国です。マグロやエビカニなどに執着しなければ、水産物は自給できる下地があります。それに、魚貝類の一人当たり消費量と心筋梗塞や脳梗塞の発症とは逆相関関係にあり、魚から摂ることのできる
高度不飽和脂肪酸が日本人の長生きの源であったことを再認識する必要もありますね。
忙しい共働きの
お母さん方に手間のかかる
魚料理を押し付けるつもりはありません。切り身だって缶詰だって構いませんので、魚を食べることが重要です。
お父さんに釣りをやらせて、
魚料理も覚えさせれば、家庭で新鮮な
海の幸を楽しめますよ。^^
水産物をもっともっと食べましょう!!
◆ 海苔と春雨の生姜スープ 材 料: 焼き海苔・・・・・・2枚
スープ春雨・・・・・4玉
生姜・・・・・・・・親指大
青葱・・・・・・・・1/4束
粉末鶏ガラだし・・小さじ4
煎り白胡麻・・・・小さじ2
薄口醤油・・・・・・・・・少々
作り方
① 焼き海苔は3cm角に千切っておく。
② 生姜は皮を剥いて細めの千切りに、青葱は小口に切っておく。
③ ①、②と鶏ガラだし及び春雨をカップに入れて熱湯(150ml)を注ぐ。
④ 3分後によくかき混ぜる。
⑤ 味が薄ければ醤油で調整し、白胡麻を振る。
※ 時間がある時は、水800mlに粉末ダシを小さじ2杯、鶏手羽2本に切れ目を入れて加え、20分煮たスープを使いましょう。断然美味しくなります。手羽の肉も骨を外して具に使えます。
※ 胡麻油や胡椒を加えることで味の変化が楽しめます。
◆ 活ホタテガイの刺身 海人風 材 料: 活ホタテガイ・・・・4枚
塩・・・・・・・・・小さじ1
醤油、練り山葵、ホタテ開けヘラ
作り方
① ホタテガイの貝殻の付着物を洗い流す。
② 金属ヘラかテーブルナイフを貝殻の隙間から差し込み、平らな方の貝殻だけを外す。
③ ウロ(黒い内臓)を引き剥がし、それにつながる卵(白子)とヒモも取り去る。
④ 卵は一口大に切り、ヒモはお湯をかけてから塩を振って金ザルに擦りつけて白くする。
⑤ ②の貝柱の周囲に④を盛り付ける。練り山葵を天盛りする。
⑥ 醤油を垂らして平スプーンで貝柱を縦に裂き、底を外しながら食べる。
◆ 若布の卵炒め カリカリガーリックしらす 材 料: 塩蔵ワカメ・・・・・・・60g
小女子(しらす)・・・・半カップ
卵・・・・・・・・・・・2個
ニンニク・・・・・・・・2片
胡麻油・・・・・・・・大さじ1
麺つゆ・・・・・・・・大さじ1/
醤油・・・・・・・・・大さじ1/2
七味唐辛子・・・・・・・少々
作り方
① 塩蔵ワカメは水で戻して適宜に切り、ニンニクはスライスにしておく。
② フライパンに胡麻油を敷き、ニンニクを炒めて香りを出す。
③ ②に小女子を加えて、きつね色になるまで炒める。
④ ③がカリッとしたら、取り出してキッチンパーパーで油を切る。
⑤ ④のフライパンでワカメを炒める。
⑥ ワカメの脇で溶き卵を炒め、スクランブルエッグにする。
⑦ ワカメに麺つゆと醤油をかけて馴染ませる。
⑧ ワカメとスクランブルエッグを混ぜて、皿に盛り、④を天盛りする。
◆ 復興飯(若布と銀鮭の混ぜ御飯) 材 料:米・・・・・・・・・・2合
塩銀鮭・・・・・・・・2切れ
塩蔵ワカメ・・・・・・10g
塩・・・・・・・・・・適量
ダシ昆布・・・・・・・名刺大1枚
作り方
① 米をよく研ぎ、ダシ昆布を入れて炊き上げる。
② 銀鮭の皮と骨を取り除いて、微塵切りにする。皮と骨はとっておく。
③ 塩蔵ワカメはさっと水に浸し、まだ、塩味があるうちに水気を切って微塵切りにする。
④ 飯が炊き上がったら、昆布を除き、②をさっと混ぜて蒸らす。
⑤ 銀鮭に熱が通ったら、③を混ぜ込み、塩味が薄い場合は塩で調整する。
※ 皮と中骨は電子レンジで加熱して皮骨煎餅とする。皿にキッチンペーパーを敷き、皮と中骨を重ならないように並べ、上にもキッチンパーパーを被せる。500Wで3分を2回繰り返す。途中で庫内の水蒸気を扇ぎ出す。味が薄い時は塩を振る。