今年もペスト(バジルペースト)を作ります

カテゴリー: 料理:野菜・果物

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 この記事も9月上旬の話題です。イタリアレポート執筆で滞った分を取り戻すのに必死です。^^ 今回もちょっとイタリアに関連するペスト、つまりジェノヴァ式バジルペースト作りの話題です。



 毎年数株ずつ植えているバジリコも穂の実が膨らみ始めています。枝から葉を外していますが、辺り一面にバジリコの香りが漂います。
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 慌ただしい夏が終わろうとしているのに、秋冬野菜への植え替えが遅れてしましました。名残の夏野菜にもまだ実が付いていますが、畑が狭いので一気に引き抜きます。



 ペストの材料は至ってシンプル。バジリコの葉と塩とニンニクとオリーブオイルです。
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 料理にすぐ使う場合は、最初から松のなどのナッツ類も摺り合わせますが、長く保存する場合は、後から加えましょう。




 今回はイタリア土産の最高級EXヴァージン、SALVANGNOのオーリオを使います。
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 北イタリアのヴェローナでオリーブ農園を見学し、痛く感銘して買ってきました。宮城でもじぇるぶ岩沼さんで扱っていますよ。




 フープロで洗って乾かしたバジリコの葉を攪拌していきます。
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 最初にニンニクを1片分入れておきます。少しずつ葉を押し込みながらペースト状にしていきます。あらまし攪拌出来たら、オリーブオイルと塩を加えさらにねっとりするまでウィ~ンです。バケツ一杯もあったバジリコの葉が情けないくらいにまとまってしまいます。




 煮沸滅菌した瓶に詰めて出来上がり。
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 長期保存をする場合は冷凍庫に入れて下さい。




 ペスト(バジリックペースト)はパスタだけではなく、このような豚しゃぶのタレとしても使えます。
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 同じ豚しゃぶでも卓上にジェノヴァの風が吹いてきます。^^




 茹でスルメイカに和えてみました。
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 バジリコの清々しい香りとオリーブオイルのコクで非日常的な和え物となります。これはアンティパストに使えるな。




 この夏のイタリア遠征で北イタリアの料理をいろいろ勉強してきましたが(関連記事)、ナッツ抜きのペスト(バジルオイル)を焼き魚や肉に垂らして供するプレートを見かけました。パスタだけではなくあらゆる食材に適合するイタリア万能ソースなんですね。これから色々試してみます。^^

 
2015/10/29(木) 05:00 | trackback(0) | comment(2)

三陸海の幸勉強会 ホヤ三昧 in 七ツ森

カテゴリー: 料理:甲殻・軟体・ほや

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 イタリア関連の記事が続いたので、日々の記事が溜まってしまいました。ホヤも名残の候になってしまいましたが、これは8月下旬に開催したホヤをテーマにした三陸海の幸勉強会の様子です。会場は旭ヶ丘の料理教室七ツ森さんです。有名な浅野先生の教室ですね。

 ホヤ養殖も復興途上なのでこの時期には4年子は品切れで、レモンサイズの3年子が主体となってしまいました。





 いつものように料理実習に先立って、ホヤに関する講義をさせて頂きます。豆坊の青木さんが美味しい挽き立て淹れ立ての珈琲をサービスして下さいます。m(..)m
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 ホヤの体の仕組み、生活史、水中での様子、養殖の仕方、捌き方などホヤにちょっと詳しくなって頂いてから料理に取りかかります。本日の献立は以下の通りです。レシピはこの記事の最後に記載します。


【お献立】

お造り   保夜の水貝風

主 菜  子持ち保夜(茹で卵印籠)

御 飯  保夜ご飯

浅野先生の野菜料理4品


 ※ ホヤ保夜の字を当てているのには訳があります。精力剤的な効果を期待してこの字を使っている方もおりますが、平安時代中期、まだ平仮名も片仮名もなかった頃、ほやという音に当てた万葉仮名がこの保夜だったのです。ですから表音文字であり意味はありません。





 まずはホヤを裁いていきます。殻の中の海水であるほや水も大切な食材。ボールにガーゼを敷いて固形物は取り除きます。。
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 口に相当する入水孔の下部をやや深く切り、あまり強く絞らないようにほや水を回収します。伊達政宗も推奨したようにこれもホヤ好きには堪らない調味液です。




 最初に保夜ご飯を仕掛けます。
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 ホヤ水や調味料で煮たホヤの煮汁を薄めてご飯を炊きます。ホヤの身は炊き込んだ場合と後から混ぜ込んだ場合の違いを比較するために両方の炊き方でトライします。殻からもダシが出ますので一緒に炊き込みます。




 こちらは子持ち保夜の下準備です。
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 半熟茹で卵をホヤの身で包むのですが、小ぶりの三年子なので、皆様、苦戦しております。




 それでも何とか炊き上げますとホヤの身が締まってきっちり包まれました。
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 半熟卵を使っていますので、調味液で炊いてもまだ黄身がしっとりしています。時間があれば、半熟卵もじっくり冷やし、70℃位の調味液でゆっくり炊けば、もっと半熟に近付けることが出来ます。




 続いて、保夜の水貝風です。好みの海藻やキュウリなどを浮かばせます。
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 裁いたホヤの身を氷を張ったほや水ベースの食い酢に泳がせます。食い酢は飲める程度の味加減にするのがポイントです。




 保夜ご飯も炊き上がりました。
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 大葉の千切りを天盛りして食卓に運びます。




 即興で浅野先生がホヤの味噌焼きを作って下さいました。
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 これで純米酒でも呑めたら最高なんだけどなぁ。。。




 さて、出来上がったホヤ料理と浅野先生の野菜料理を卓上に並べて試食の開始です。
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 結構盛り沢山になっていますね。ホヤ好きには堪らない光景でしょう。^^





 浅野先生の野菜料理4品です。
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 トマトと紫玉葱のサラダ、キュウリの即席カクテキ、青ネギとコーンと若布と薩摩揚げの中華風和え物、気仙沼のなまり節とキュウリのさっと炒めです。




 さて、皆様でかんぱーーい。でも、お茶なんですよねぇ~。TT
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 さて、昨年から生産量も復活してきた養殖ホヤですが、韓国輸出が出来ないために復興が加速化しません。科学的根拠を無視した一歩的な措置に日本政府はWTOへの提訴に踏み切りましたが、今後どうなることでしょう。このままでは来年はかなり生産過剰になる懸念もあります。我々も復興への支援として少しでも多く食べて行きましょう。





【ホヤ料理のレシピ】

保夜の水貝風

【材料】 『4人分』
  殻付きホヤ           4個   
  海藻サラダ            一つまみ
  キュウリ              1/2本
  レモン               1個 
  プチトマト              4個
   ダシ昆布            名刺大2枚
  日本酒               大さじ2
  味醂              大さじ1/2
  角氷                20個

【作り方】 
①  殻付きボヤは入水孔(+の突起)を切り落としホヤ水を回収する。 
② レモン半分を絞り果汁にする。酒と味醂は混合して煮切っておく。
③ ①のホヤ水をガーゼで漉して、②を調合してやや薄めの吸い酢にする。
④ ホヤの殻を外し、内臓や糞を綺麗に掃除して一口に切る。
⑤ 鉢に5cm角の昆布を敷き、③のホヤ吸い酢、④のホヤ、海藻、キュウリ、レモン、プチトマト等を適宜に切って盛り込み、氷を放つ。

※ 水貝とは、生の鮑を塩洗いして身を締め、角切りにして氷を入れた塩水に浮かせた涼やかな料理。三杯酢などで食べる。
※ 吸い酢とは、だし汁などを加え、飲める程度に酢の割合を控えて作った合わせ酢。懐石の向こう付けなどに用いる。



子持ち保夜

【材料】『4人分』  
  殻付きホヤ          4個  
  茹で卵              4個
  醤油               大さじ2
  日本酒              大さじ2
  味醂               大さじ1
  塩蔵ワカメ            10g
  爪楊枝 適当


【作り方】
① 殻付きホヤは二つの水管を根元から切り落とし、殻に切れ目を入れて身を取り出す。裏返して内臓や糞を綺麗に掃除しておく。
② 半熟ゆで卵を作り、殻をむいておく。
③ ①に②を詰め、爪楊枝で止めておく。
④ 調味料を合わせて煮立て同量の水で薄めて70℃程度に冷ましてから③を入れる。
 ⑤ 転がしながら低温でホヤの身が縮むまで煮付け、そのまま冷ます。
 ⑥ 水で戻したワカメを適宜に切り、⑤の煮汁で和える。
 ⑦ 皿に⑥を敷き、縦二つに切った⑤を並べる。


※ 半熟ゆで卵 は冷蔵庫から出し立ての卵を小鍋に入れ、ひたひたに被るくらいの
水を注ぎ、強火にかけて沸騰するまでゆっくりと箸で回す。沸騰したら火を弱めて
6~7分茹で、その後、直ちに流水で冷やし、殻全体にヒビを入れてから水中で殻
を剥く。



保夜ご飯

【材料】 『4人分』
  殻付きホヤ           2個
  米                 2合
  薄口醤油           大さじ1
日本酒             大さじ1
自然塩              少々
  ダシ昆布           名刺大1
  大葉(青紫蘇)         2枚


【作り方】
① 米はよく研いでザルに揚げておく。
② 殻付きボヤは入水孔(+の突起)を切り落としホヤ水を回収する。
③ ホヤ水は半カップほどガーゼで漉し、塩以外の調味料を合わせる。
④ ホヤの殻を外し、内臓や糞を綺麗に掃除して幅1cmに切る。殻も綺麗に洗っておく。
⑤ ③を煮立てて④を加え、熱が通ったら、ザルに空け身と煮汁に分ける。
⑥ 炊飯器に①の米、ダシ昆布、⑤の煮汁を加え、味加減をして水を定量に整える。塩味が足りない場合は自然塩で調整する。
⑦ 炊き上がったら、⑤のホヤの身を混ぜ合わせる。
⑧ 茶碗に盛り、大葉の千切りを天盛りする。

※ ホヤの色を目立たせるために薄口醤油を香り付け程度に使う。塩味はホヤ水と塩で補う。
2015/10/26(月) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

北イタリア食聞録(2015.7.26~8.2)目次

カテゴリー: 未分類

イタリア食聞録
(2015.7.26~8.2) 

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 我が伊達藩が派遣した慶長遣欧使節がローマ法王に謁見した1615年からちょうど400年を経過した2015年7月末に北イタリアを訪ねました。様々な目的を持ったミッションでしたが、それらの遂行途上に三つの都市で食べたものを題材としてイタリアの食文化をあれこれ愚考してみました。以下の全13話になりますが、ぜひ、順を追ってご笑覧下されば幸甚です。


       目 次



【今回
のミッションに関係する都市とその位置
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 ミラノベネチア間は300Km弱、ヨーロッパ国際列車ユーロスターで2時間半掛かります。
 
2015/10/10(土) 05:05 | trackback(0) | comment(0)

12 北イタリアの料理とイタリア人のホスピタリティー

カテゴリー: 未分類

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  今回のイタリアミッションという視点から振り返ってきましたが、とうとう最終章になりました。この章のタイトルのような総括的な考察ができるほどの滞在日数ではないのですが、今までのイタリアとの付き合いも総合した雑感を綴ってこのシリーズの終止符とさせて頂きます。




【北イタリアの料理について】

 よくイタリア料理は「南に行くほどくなり、北に行くほどくなる。」などと言われてきました。すなわち、南イタリアではトマトを使った料理が多く、北イタリアはアルプスにも近く牧畜も盛んなので乳製品を使った料理が多くなるということです。 確かにイタリアは日本ほどではありませんが、南北に長くその距離は約1000Kmあります。それに加えかつては独立した都市国家が幾つもあって、それぞれに独自の食文化が継承されていましたので、地理的特徴がそのような傾向を維持していたのでしょう。

 日本もかつてはそのような傾向がありましたが、札幌発祥の味噌ラーメンが全国で食べられ、豚骨ラーメンや讃岐うどんもチェーン店が全国展開しています。魚についても西日本はブリ文化、東日本はサケ文化とされていましたが、節目以外の日常生活では、養殖ハマチが東日本でも当たり前に食べられ、逆に西日本ではサーモン類の消費がブリを上回りつつあります。

 イタリアについても同様で現在はナポリの伝統ピッツァをミラノで食べることができ、食文化の全国的混合が進行しています。従って、このような現象に埋もれつつある伝統的郷土料理を見極めることでしかイタリア国内の地域性をつかみ取ることが出来ないのです。




 イタリアを北中南に三分した場合の北イタリアエミリア・ロマーニャ州(州都ボローニャ)以北を指し、ポー川流域のPadania(ポー平原)とそれを取り囲む山岳地帯で構成されます。
ポー川
 ポー川は北イタリアを東西に横断する延長652㎞のイタリア最長の河川です。日本で最も長い河川は信濃川ですが、それでも367㎞ですのでその長さは想像を超えます。フランス国境のアルプス山脈に源があり、ミラノやベローナの南を流れ、アドリア海に注ぎ込みますので、まさにイタリアを分断しています。

 当然ながら、その流域には肥沃な土地を利用した農業地帯が誕生します。上流のピエモンテ州やロンバルディア州では牧草栽培と酪農が発達し、その下流のポー平原一帯では稲作が発達しました。




 稲作酪農が融合して生み出されたのがリゾットと言えるかも知れません。リゾットにはバターやチーズが使われます。
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 ミラノでもベローナでもそれぞれ個性的なリゾットに巡り合えました。稲作が盛んでもコメの種類が日本と異なり、粘りが少ない中~長粒種なので茹でてインサラータにするか、リゾットのような雑炊風の料理に発達したのでしょう。


 
 牧畜が盛んですので肉料理は美味しかったですね。
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 ミラノ風カツレツは揚げ油にバターも使うので、日本のカツのようにソースをかける必要がありません。ビフテッカは赤身肉のステーキですが、塩だけで十分でした。これにジビエの季節だったら、鹿や兎にも出会えたのですが。。。^^



 それと北イタリア発祥と言われるティラミス。ほぼ毎回登場しました。
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 ミラノのあるロンバルディア州名産のマスカルポーネチーズを使った定番ドルチェは今やイタリア全土どころか、日本でも四半世紀前に大ブレークしました。



 このように北イタリアというと米や野菜、畜肉に乳製品のイメージが強いのですが、ベネト州はアドリア海に面し、キョッジャのように大きな漁港もあります。決して、シーフード料理は南イタリアのシチリアやナポリだけではありません。



 ベネト州で食べた様々な魚貝類料理。もちろんタコやイカも使います。
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 これについては第9章の魚貝類料理満喫 @ Verona e Chioggiaをご覧ください。


 とてもこれらだけで北イタリアの料理を物語ることは出来ません。山岳地帯が控えていますので秋にはキノコ類が豊富に採れますし、冬が寒いので様々な煮込み料理が発達しています。今回は真夏の訪問だったので、煮込み料理には出会えませんでした。特にミラノのオーソ・ブッコは課題として残されました。



 この寒さのために北イタリアではオリーブは自生せず、ガルダ湖周辺がオリーブ栽培北限とされています(関連記事)。
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 厳しい環境で育つオリーブは品質が良く、虫害も少ないので農薬使用も南より少ないのです。今回、訪れたベローナのオリーブ農園Salvagnoオリーブオイルは飲み物かと思えるくらいに爽やかでした。参加メンバーの一人は宮城でオリーブ栽培を始め、北限同士の繋がりを持とうとしています。


 

【イタリア人のホスピタリティー】

 これも難しい課題を取り上げてしまったものです。私は学生時代からの親友であるイタリア人としか深い付き合いがなく、イタリア人全体を見てきたわけではないのです。そもそも、イタリア人と括ってしまえるわけもなく、料理のように北南、かつての都市国家ごとに気質の違いもあるようです。 ただ、同じキオッジャでも陽気な南イタリア人みたいな方もいれば、あまり笑わず慎重な態度で接する方もおります。それでも共通して感じるのは、日本人以上のホスピタリティー、すなわち、持て成しの心です。

 キオッジャは長年の付き合いがある親友の本拠地なので、その影響も少なからずありますが、それを遥かに超える歓待を受けております。それは、事前にキオッジャと類似点の非常に多い塩竃から日本人がやってくるという期待感が町全体に走ったのかも知れません。



 想定外の歓待を受けたキオッジャの街。リストランテから出ると音楽隊が待ち受けていました。
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 文化交流会の会場となるシティーホールまで大行進となりました。そして、ホールの前では両国の国家斉唱です。完全に日本代表の扱いとなってます。何なんだろう。旅人の歓待はこの街の方々の楽しみなんでしょうか。

 きっと1585年にキリシタン大名の息子たちによる天正少年使節もローマからの帰路でこの街に立ち寄っており、このような歓待を受けたことでしょう。そのことをキオッジャの方々がご存じだからでしょうか。でも、これが逆の立場であったら、私たちはこのような歓待ができたか甚だ疑問です。




 そして、交流会の最後にキオッジャ市役所や主催された皆様から持ち帰れないほどのお土産を頂いています。
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 ミッションメンバー全員と塩竃市長には、ベネチア湾の伝統的漁船Bragozzaの小型模型。塩竃市長へは大型模型とキオッジャ市のも頂いています。その他、古典的な海産動物の図譜、キオッジャ市に関する出版物の数々。これらについても親友が空輸で宮城に送ってくれました。どこまでも面倒を見てくれます。




 水産会社CAMの見学時に試食品の盛り付けに描かれた両国の国旗
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 これは社長の指示なのか、従業員の機転なのかよくわかりませんが、相手を喜ばそうとする気持ちの表れには違いがありません。




 ミラノのリストランテでは、スタッフに日本から来たことを告げると急に会話が多くなります。
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 年配の方にとっては、日本はともに戦争で負けた間柄なので親しみが湧くようです。年配のご主人は店の外まで見送りに出て一人一人と握手です。




 確かに日本人の持て成しとはタイプが異なるかも知れません。地味ながら相手の痒い所に手が届く日本の持て成しと感情を表面に出して全力で面倒を見るイタリア人ホスピタリティー。どちらが良いということは出来ませんが、即効性があり、世界的な標準は後者です。

 2020年の東京五輪は誘致の際、お持て成しをキーワードとして使いました。恥ずかしがり屋の日本人の持て成しは短時間には発揮できないので、長く接することのできない外国人向けの持て成し法も身に付けておいた方が良いかも知れません。



 
 ここまでイタリアミッションのレポートを読んで下さった皆様に心より感謝いたします。


 私はこれから日本人としてのお持て成しの心を塩竈キオッジャとの友好促進という形で続けて行きたいと思っています。政宗公の夢や常長の意思をたった1回のミッションで済ませてはなりません。今後も二つのよく似た水産都市の交流と産業提携を促進するための仲介役としてNPOではありますが、「塩竈・キオッジャ友好協会」を設立しようと考えている次第です。


     
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2015/10/09(金) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

11 再現 隠れた名品ハゼのリゾット @ Chioggia

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 今回のイタリアミッションの目的の一つにベネチアの隣町キオッジャでの文化交流があります。宮城や塩竈の歴史と食文化を紹介し、相手側からもその情報を頂くというものです。その中でキオッジャGiannaさんは水産物の料理をご紹介下さったのですが、その中にRisotto di Go(ハゼのリゾット)というものがありました。これはある意味で大きなサプライズでした。上の写真は彼女がプレゼンテーションで使ったものです。


 以前、ベネチアを訪れた時に魚市場でハゼの仲間が売られているのを目撃しているのですが、リストランテでも書籍でもハゼを使った郷土料理は見つけられず、食材としてはマイナーな存在なのだろうと思っていました。しかし、ハゼのリゾットはあまり表にはでないものの伝統的な料理の一つらしいのです。なんだか松島湾のハゼの雑煮と似ているなと思いました。


 塩竈キョッジア松島湾ベネチア湾の類似性は大きいのですが、ハゼが漁獲され、それらが伝統的な郷土料理に使われているという共通点も今回、見つけることができたのです。遠浅で閉鎖性の強い内湾で海底には泥が溜まり、各所にアマモが繁茂するという似たような環境では洋の東西を問わず、類似した魚類相に収斂していくのかも知れません。これは人間の文化についても言えそうです。



 これはイタリア人の親友から今回プレゼントされたベネチア湾産ハゼ科魚類4種のスケッチ(上)と以前、送ってもらったスケッチのデジタルファイル(下)です。
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 これらのスケッチは彼の友人である画家(Luigiさん)に描いてもらったものですが、今回、プレゼントのために4種類を選んで描き直してくれたようです。実はこれには伏線があり、私が若い頃に松島湾のマハゼの生態を研究していたことを彼が知っており、松島湾とベネチア湾に共通するシンボルをハゼにしようと決めていました。正確に言いますと共通種はいませんので、ハゼ科魚類、大雑把に言ってハゼなのです。

 それはともかく、ベネティア湾にはハゼ科魚類が何種類も棲んでいるようです。では、リゾットに用いるハゼは一体どれなんでしょう。帰国してからも気になって仕方がなく、ネットで調べても特定できませんでした。そこで、メールで尋ねたところ、意外にも1種類だけで、イタリア語でGoと呼ばれるZosterisessor ophiocephalus というハゼとのことでした。上のスケッチでは右上に頭を向ける最も大きなハゼ、下のスケッチでは右上に尾を向けるハゼとして描かれていました。





 ベネチア湾沿岸でハゼのリゾットに使われるGo(Zosterisessor ophiocephalus)です。左は以前ベネチアの魚市場で、右はWikipediaからです。
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 松島湾のマハゼにも似ていますが、縞模様があり目の下にジャガーのような黒斑が垂れ下がります。このハゼの英名はGrassGoby、すなわち草のハゼです。属名のZosterisessorの前半のZosteriは両湾に繁茂する海草アマモの属名Zosteraから来ているのでしょう。内湾のアマモ場で見られるハゼであるので、英語でもGrassGobyと言うのだと思います。マハゼと同じように全長25cmに達する大型ハゼなので食用にするにも扱い易いのでしょう。





 それであれば、塩竈や松島湾岸の新名物としてハゼのリゾット、もしくはハゼ雑炊を創製してみたくなり、材料調達に出かけました。
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 一人前に3匹は必要でしょうね。レシピについてはキオッジャとも話し合い、日本の料理手法と融合させたものにしました。すなわち、ハゼは頭と胴に分け、頭はオーブンで焼き干しにしてスープ用に、胴は炙って身をむしって具材として使う作戦です。


 
 お披露目はイタリアミッションの報告会。カッフェ・トムテさんで作ります。
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 焼き干しのハゼの頭や昆布、乾椎茸でダシを取っています。




 いきなり完成ですが、報告会ではプレゼンテーションの対応もあり厨房に引きこもることができず、ひゃくさんの手を煩わせました。
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 日本の米で生米からリゾットを作るのは難しいので、水を2割弱減らして炊いた米を上のダシで煮詰めていき、塩とバター少々で調味しています。最後に焼いてほぐした身を乗せて出来上がり。具と混ぜながら食べ進みます。




 残念ながらイタリアでハゼのリゾットを食べることが出来なかったので、自己流で作っていますが、ダシに拘っていますので十分に行けます。
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 皆様にも好評であったのが何よりです。ハゼは身をむしるとボリュームがなくなるので、3枚に下ろした身を唐揚げにしてトッピングしても良かったかも知れません。米にはハゼの旨味が十分旨味が染み込んでいますので。




 似たような環境を持つベネチア湾松島湾。棲んでいる魚もそれを捕って食べる人間の食文化も似てきます。イタリアにははありませんが、北イタリアのポー川流域は米処です。しかし、ハゼのこのような組み合わせは宮城では生まれませんでした。今後、塩竈キオッジャの友好を深めて参りますが、シンボルであるハゼを使った料理対決なんかも面白そうです。ベネチア湾Goジュズコ釣りで釣って、船上で天丼にして食べさせたら、さぞ驚くことでしょうね。イタリア人は松島湾ハゼで何を作ってくれるでしょうか。今後の交流が楽しみです。



     
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2015/10/06(火) 05:00 | trackback(0) | comment(0)
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