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5 イタリア人に日本酒を問う @ Milano e Chioggia

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 イタリアでは酒屋のことをENOTECA(エノテカ)と呼びます。本来はギリシャ語から派生したワインの箱やケースという意味でしたが、現在はワインに特化したライブラリー的な販売店をそう呼ぶようです。ワイン以外の酒類や食品も扱ったり、軽食を提供したりする店舗もあります。



 ミラノにはWineMIという5店舗のエノテカの共同体があり、ミラノのワインの伝統を守りながらも革新的な活動も行っています。
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 今回は5店舗のうちMassimo Malfassi(マッシモ)さんが経営するenoclub(エノクラブ)において、日本酒の試飲や日本の食品の紹介を行います。



 紹介する日本酒は塩竈の銘酒浦霞(佐浦)です。純米酒や吟醸酒でイタリア人の評価を受けます。
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 日中の試飲は3日間ですが、一晩だけパーティー形式の試飲会も行っています。さらに、ベネティアに近いChioggia(キオッジャ)においても交流会や昼食会で試飲を実施する予定です。   



 エノクラブにおける浦霞の試飲の様子。お客様のほとんどの方が純米酒や吟醸酒は初めてだったようです。
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 残念ながら他の活動があり試飲には長時間立ち会えなかったのですが、皆様、日本酒の概念が変わったとのこと。イタリアにおいても知識人は最近の日本酒が以前のように大メーカーの量産酒だけではなく、純米酒や吟醸酒等の高品質な日本酒が地方の蔵元で醸されていることを少しずつわかって来ているようですが、そう簡単に入手できないのが現実です。



 この日は夜に日本酒と和食を楽しむ会があります。日中から和食プレートの準備です。sakesiin10.jpg
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 同行した居酒屋の料理長がテキパキと拵えて行きます。その手下になって手伝っています。献立は純和風でコンニャクや野菜の煮物、インゲンの胡桃和え、サーモンの押し寿司等です。参加するミラネーゼは全部食べてくれるでしょうか。。。



 マッシモさんの軽快なトークで口火が切られ、浦霞の一連の醸造工程をDVDで紹介します。
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 皆様、食い入るように見ています。そりゃそうですよね。葡萄から造るワインと違って、主食の米がなんでこんな気品のある酒になるのか不思議がっていましたから。



 浦霞は全部で5種類試して頂きました。左から純米酒浦霞(まなむすめ65%)純米吟醸 浦霞禅(山田錦、トヨニシキ50%)特別純米酒生一本浦霞(ササニシキ60%)純米大吟醸浦霞(山田錦45%)浦霞梅酒です。()内の%は精米歩合です。
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 試飲の後で気に入った酒を挙手により伺ったところ、きき酒でも食中でも特別純米酒生一本が一番人気となりました。きき酒では吟醸香の強い浦霞禅も二位に付けたのですが、食中では三位に後退し、純米酒が二位を奪いました。ササニシキで醸した限りなく吟醸酒に近い生一本の程よい風味が繊細なイタリア人の舌と鼻にマッチしたようです。

 ただ、日本酒ベースの梅酒は食後酒的に出したのですが、これを含めて好きな酒は何?の問いかけに梅酒が一番だったのは冨谷企画課長も複雑な面持ち。でも、ワイン文化圏においてはフルーティーな酒にも慣れ親しんでいますから十分理解できますね。


 和食の方は42プレートを提供しましたが、食べ残しがほとんどありませんでした。ほぼ完食と言っても良いでしょう。ユネスコ世界遺産に登録された和食は、イタリアでもかなり注目されています。小細工をしない真っ当な和食はイタリア人にも通じることがわかりました。それにしてもほぼ全員の方がを上手に使います。あとで伺ったら、ミラノには中華料理店が多いからとのことでした。たしかに途上国の田舎町でも中華は見かけますからね。



 最後に日本酒とチーズのマッチングを試して頂きました。
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 チーズマッシモさんのセレクションです。手前の賽の目に切ったチーズはSALVA CREMASCO(サルヴァ クレマスコ)。ロンバルディア地方の特産で牛乳から作るウォッシュタイプです。従って、臭いはきついですが、味わいは繊細で上品。牛乳の甘味もあり、仄かな酸味も感じましたが、少しモサモサした口触りです。右に細かく切る前の姿を示しましたが、珍しく断面が四角形です。スイスに近い渓谷部で作られるので運搬時に安定させるための知恵ですね。

 奥のスプーンに乗った真っ白いクリームタイプのチーズはCAPRINO FRESCO(カプリーノ フレスコ)です。山羊の乳で作ったフレッシュタイプのシェーブルチーズですね。多少、山羊の癖は感じますが、まろやかで爽やかな口当たりでした。胡椒とオリーブオイルをかけて食べてみたいです。因みに羊で作ったフレッシュチーズはペコリーノ フレスコと言います。


 準備中にチーズの味見はしていたのですが、試飲会が始まると給仕に追われて浦霞との相性をチェックすることが出来ませんでした。ただ、マッシモさんが睨んだとおり、両方とも上品な味わいなので、純米酒や吟醸酒ともベストなマリアージュとなったはずです。



 ミッションの後半はアドリア海の港町ベネト州ベネティア県キオッジャでの活動です。
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 いつ来ても好い街です。建物の色形こそ違いますが、雰囲気はまるで塩竈です。塩竈とのキオッジャの驚くべき共通点は、このシリーズのトップ記事(1なぜイタリア? 平成遣欧使節団)をご覧下さい。



 キオッジャ市民との交流会の前にリストランテで打合せだったのですが、食事が終わって外に出てみますと、、、
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 楽団が待ち受けていまして、交流会場の市民ホールまで嬉し恥ずかしのパレードでした。交流会では様々なPPプレゼンテーションを日伊交互に行いました。その中で塩竈キオッジャの共通性には参加者一同から驚きの声が上がりました。最後に副市長さんから運び切れないほどのお土産を頂き、それもイタリア人の親友が空輸してくれました。何から何まで Grazie mille



 その交流会終了後、隣の部屋で浦霞の試飲会を開催しました。
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 立食ですが、浦霞2種と揚げ蒲鉾が中心の和食プレートを提供しました。これらも完食に近かったでのすが、しらす干しを使った珍味には親友から「資源学的にこの利用は問題ではないのか?」と指摘されました。さすが、国立環境保護研究所長です。ですが、「カタクチイワシの資源変動は主に気候変動に左右され、人間の漁獲が小さかった時代から大きな変動を繰り返しており、極端な低水準期以外はシラスを獲っても持続的な利用が可能である」と教科書通りに答えておきました。^^





 翌日も快晴、朝から強い日差しが照り付けます。
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 この日の午前中はキオッジャ市内の水産会社見学や貝類養殖セミナーでの講演が主な活動です。



 その後、地元信用金庫主催の昼食会にお呼ばれしました。
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 昨晩の文化交流会、そして、本日の貝類養殖セミナーの成功を祝して浦霞で乾杯です。



 皆様、日本酒とイタリア料理のマッチングは如何でしょうか。
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 この会場では純米酒浦霞浦霞禅を味わって頂きました。各テーブルに一本ずつですから、すぐになくなってしまいました。それくらいの方が印象が強く残ってきっと好かったのでしょう。



 今後のキオッジャ塩竈の友好に浦霞が架け橋の1つとなってくれることを期待しています。是非、キオッジャの皆様にも塩竈へお越し頂いて、寿司と日本酒を堪能して頂きたいと思います。ただ、イタリアで日本酒を普及させるためには、やはり、イタリア人が日頃食べている物との相性が重要になります。イタリアチーズは400種類とも600種類とも言われるくらい多種多様です。今回のサルヴァ クレマスコカプリーノ フレスコ以外にもきっと合うチーズが見つかるはずです。チーズ以外にも美味しい料理に溢れるイタリアです。日本酒とのマッチングも今後の課題となるでしょう。 



     
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2015/09/12(土) 12:00 | trackback(0) | comment(2)

4 ミラノの伝統料理に出逢えた @ Milano

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 ヨーロッパの街造りは中心に教会が配置され、それを取り囲むように広がるスタイルがよく見られます。ミラノの市街地の中心部には巨大なドゥオーモ(大聖堂)がそびえ立ちます。14世紀から5世紀もかけて建造され、全長158m、幅93m、高さが108mで世界最大級のゴシック建築として知られています。

 日本とイタリアはともに第二次世界大戦の敗戦国ですが、ミラノドゥオーモは日本の京都や奈良の神社仏閣と同様、連合国軍の空爆の標的から外され、温存されました。

 

ミラノ
は経済都市としては首都のローマ以上であり、世界の料理も集まっていますが、伝統的なミラノ料理も数多く受け継がれています。
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 この景色はドゥオーモの屋上回廊からミラノの街の北側を眺めたものです。中世から現在への時間の流れをイメージさせますね。しかしミラノは地震がないのかな。それとも免震構造にでもなっているのだろうか。
 


本日はミラノに在住のTOMOKOさんのご案内でミラノの伝統料理を食べに参りますが、その前に自然食品店を覗きます。

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 イタリアではポー川流域のパダーナ平原の穀倉地帯を中心に、一時、化学肥料や農薬を投入し、機械化された近代農業が推進されましたが、1960年代初頭に有機農法による農業が誕生し、今ではヨーロッパ有数の有機農業国となっています。その背景にはイタリアで誕生したスローフード運動の高まりがあり、国民のオーガニック食材へ関心を醸成したのでしょう。



 オーガニックでもさすがイタリア、オリーブオイルもバルサミコ酢もパスタもその種類の多さには目を奪われます。
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 ただ、最近イタリアでも注目を集めているというZENPASTA(乾燥シラタキ)は見付けられませんでした。
 


 本日伺ったのは、Trattoria Masuelli San Marco(トラットリア マズエリ・サン・マルコ)さん。創業1921年ですから、かれこれ100年になります。
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 ドゥオーモから東南東へ2Km弱、並木の美しいウンブリア通りに面しています。トラットリアはイタリアの肩肘張らないカジュアルなレストランです。
 


 店内は4人掛けテーブルが全部で8つほど。奥にも部屋があるようです。
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 今晩はミラノ料理をみんなでシェアして頂きます。

 

 
  とても暑い日だったので、最初は ヴィッラ(ビール)を頂きます。イタリア人はピッツェリア以外であまりビールを飲まないのだけど。。。
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 でも、このビールはイタリアの草分け的存在の baladin isaac(バラデン・イザック)。ホワイトエールで口当たりも柔らかでフルーティー。乾いた体に染み込みます。^^



 
 胴巻きのグリッシーニがボンとテーブルに置かれます。
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 不揃いなのできっと自家製なんでしょうね。好い味を出しています。



 アミューズBaccala mantecato (バッカラ・マンテカート メルバトースト添え)。塩乾品のタラを塩抜きし、水とミルクで煮た後、オリーブオイルとともにペースト状にしたものです。
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 イタリア料理でもアミューズの提供が定着したのでしょうか。元々、日本の突き出しがフランス料理界に渡った習慣ですが、ミラノで出くわすとは。それとも、お任せアンティパストなのかな。

 バッカラ・マンテカートはたしかベネティア料理だったはず。でも、バッカラの原料であるタラは地中海では獲れず、北欧から塩蔵や乾物で輸入しています。従って、イタリア全土に運ぶことは可能であり、各地でこの料理が作られても不思議ではありませんね。


 
ワインはピエモンテ州ランゲDOCのネッビオーロ(Pelissera社)。
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 ガッシリした赤とお願いしたのですが、少し私にはライトでした。エントリーだから気を利かせてくれたのでしょうか。



 ここからはオーダーしたアンティパスト。サラメやハムの盛り合わせ、ORATAのカルパッチョ、インサラータ。
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 ORATA(オラータ)はクロダイと似た魚ですが、日本で言えばヘダイです。ミラノのスーパーの鮮魚コーナーでもよく見かけます。ベネト州のキオッジャでも焼き魚として出てきましたので、かなりポピュラーな魚なのでしょう。



 プリモでオーダーしたil risotto alla milanese(ミラノ風リゾット)
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    ミラノで是非とも試したかった料理の1つです。サフランのリゾットとも呼ばれます。ベーシックなリゾットにサフラン液で黄金色と香りを付けています。イタリアで栽培される中粒種米で作られるために煮崩れせず、程よいアルデンテに仕上がっています。ミラノもポー川流域である米処のパダーナ平原に位置しますので、中世から米を利用してきたのでしょう。



 同じくプリモでTagliatelle con fagiolini al pomodoro(トマトとインゲンのタリアテッレ)。
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 これはミラノに限らずよく見かけます。イタリア中南部ではタリアテッレに代わってフェットチーネが使われますけど。



 ここで、ワインを替えます。フルボディーを頼むと念を押したら、これが来ました。
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 ピエモンテ州アスティのバルベーラ・ダスティDOCG。1本目のワインと産地は近いのですが、こちらはブドウがバルベーラ種になり、しかもフリーズ製法なのでどっしり濃厚。ちょっと甘めにはなりますが。これは美味いと褒めますと、お店の方が大喜び。イタリア人は素直です。^^


 
そして、セコンドでは la cotoletta alla milanese(ミラノ風カツレツ)。細かいパン粉で黄金色に揚がっています。
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 肉は厚いタイプと薄いタイプがありますが、これは叩いて伸ばした薄いタイプ。バターも使って揚げていますので衣も美味しいのです。肉は牛ですのでビフカツになります。子供の頃過ごした神戸では、豚カツよりビフカツがメジャーだったので妙に懐かしく感じます。ミラノでもチキンやポーク、さらには茄子やモッツァレラでも作ることがあるそうです。
 
ドルチェ
は日本でもすっかり有名になったティラミスです。
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 材料のマスカルポーネチーズはミラノのあるロンバルディア州が名産で、北イタリア発祥のドルチェとされていますが、23年前にローマでも食べています。その頃、日本でもブームになりつつあるとトラットリアの店員に話すと「信じられない」と言われました。イタリア人に「今、イタリアではしらたきが流行だ」と言われたら、やはりにわかには信じられませんよね。^^



 日伊友好を祈念致しまして、Trattoria Masuelli の親子三代で記念撮影です。
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 まもなく創業100年の老舗ですので、現在の店主で何代目だったのでしょうか。ご主人は店の外まで見送りに出てきてくれて、一人一人と握手です。この年代の方には日本人は同朋のように親しみを感じるようです。
 

 ミラノ風 alla milanese
が付く料理は大体、上記のミラノ風リゾットミラノ風カツレツぐらいで、これら2品が典型的なミラノ料理なのでしょう。あと、オッソブッコOsso buco にもalla milaneseが付く場合もありますが、そのまま使われることの方が圧倒的に多いです。

 オッソブッコは子牛の骨付きすね肉を輪切りにしてトマトと煮込んだ料理です。これを食べてこそ、ミラノ(ロンバルディア)三大伝統料理を制覇したことになるのですが、残念ながらこの煮込み料理はが本番だからでしょうか、どこの店でも見つかりませんでした。

 まず、それでもミラノ風リゾットカツレツを目と舌に焼き付けましたので、日本でも再現できるでしょう。ミラノは古くから経済発展を遂げてきた街、そのためかミラノ風リゾットカツレツ黄金色と例えられることもあるそうです。


 

Tratttoria Masuelli San Marco http://www.masuellitrattoria.com/


・Viale Umbria 80-20135 Milano.Lombardia.Italia
・Tel.  +39 025 5184138
・Fax   +39 023 9844063




     
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2015/09/08(火) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

3-2 食がテーマのEXPO2015 (後編) @ Milano

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 これはEXPO2015のシンボルタワー生命の樹です。夜はライトアップされて、光のショーも楽しめるそうです。本命の日本パビリオンも無事に見物が終わり、ワインとともにランチも頂きました。次の目標はイタリア人の親友が薦めてくれたイタリアワイン館です。気温は33℃位、飲んだワインもすぐに蒸発する感じです。^^



 ふらふらと散策しながらの移動。メインストリートにはこのような食べ物のブースが所々にあります。
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 ですが、これらはイタリアの食品のイミテーションです。原料の豚もフィギュアの展示になってます。



 こちらがイタリアワインパビリオン。グラスワインのロゴマークにイタリア人のセンスが伺えます。
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 イタリア全土からワインが集められているそうです。無事に戻ってこれるでしょうか。いざ行かん!!


 
 巨大なフラスコのようなボトルに入った各種のワイン
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 濃紫色から明るい黄色までのグラデーションが美しい。一通り飲んでみたい。^^



 小さな行列があったので並んでみたら、セミナールームみたいな部屋に入れられました。
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 どうもイベントのようで、無料でスプマンテが試飲できるようです。テーブルには試飲用のグラスと水とグリッシーニが用意されていました。日本酒の試飲もこのスタイルを導入したのですね。 



 どうやら、TERNTODOCBRUT(ブリュット)を飲み比べるようです。
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 TRENTODOCとは、上の地図に示しましたようにイタリア最北部のトレンティーノ=アルト・アディジェ州のトレントで生産されるワインの品質を守るための統制原産地呼称でブドウの品種、栽培方法、収量、醸造方法に至るまで規定され検査もしているワインに付与される格付けです。TRENTODOCではスプマンテ・クラシコ(瓶内二次醗酵)という製法で発泡ワインを生産し、24ヶ月以上の熟成を経て出荷されます。BRUTはフランスのシャンパーニュの分類で添加される糖の量が15g/l以下の辛口のことを示します。



 飲み比べたのはトレントの5つワイナリーのスプマンテトレントの商工会議所の方でしょうか、雄弁にBRUTを語ります。
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 最初、個性的な風味のLETRARIから始まり、CAVITのALTEMASIに向かって徐々に気品のあるスプマンテへと移ったように感じました。進むにつれて泡立ちも細かく、持続時間も長く、シャンパーニュに近づいたようでした。そして、最後はFERRARIのロゼのスプマンテで締めるという趣向でした。




  少しずつですが、TERNTODOCの凄さを感じることが出来ました。
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 イタリアではワインだけではなく、オリーブオイルについてもその地域を名乗る以上、DOC(統制原産地呼称)の厳しい掟に従わなくてはならないのです。こういう努力によって、その地方のブランドが守られているのですね。
  


 

 スプマンテを堪能した後は有料の試飲です。イタリア全土から集めたワインを10EURO(1400円)で3杯飲めます。さぁ、次はいよいよVINO ROSSOだ。!!
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 代金と引き替えで渡される赤ワイン色の袋にはお持ち帰り可のワイングラスとカードが入っていました。



 自動販売機のようなサーバーにカードを挿入して好みのワインを注ぎます。
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 イタリアの州ごとにコーナーが分かれており、それぞれに100種類以上ありますので迷います。そんな時には各所に立っているソムリエさんに好みを言えばチョイスしてもらえます。


 
 かなり呑んだのですが、ギンギラギンの太陽の下では酔いもすぐ醒めます。正面ゲートに向かってふらふら散策です。
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 特徴的なパビリオンを3つ紹介。上から民族織物をデザインしたエクアドル、棚田のようなカンボジア、エリンギが生えたようなベトナムです。エクアドルはかつて仕事をしたことのある国だけに懐かしさが溢れ出ました。




 そしてこちらが、正面ゲートに近い木造のパビリオンゼロです。大地の丘陵を表現しているとか。デザイナーはMichele De Lucchi。この写真は公式HPのものです。
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 国際連合UNがEXPO2015のテーマであるFeeding the Planet, Energy for Life「地球に食料を、生命にエネルギーを」を表現・展示しているとのこと。キュレーターはDavide Rampelloです。



 エントランスを入ると暗闇の中に巨大な木造建築が現れます。引き出しもあり博物館の資料室のようです。
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 その脇には巨木が生えていますが、オブジェなのでしょうか。建築物のゲートくぐって中に入ります。



 中は体育館のように広く、みんなが入り口の方を見ているので振り返りますと。。。
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 そこには巨大なスクリーン。磯辺でイワシの塩漬け(アンチョビー)を作っている光景が広がっています。大昔の食料生産やその加工作業が次々紹介されていきます。



 次の部屋では穀物や豆を使ったアーティスチックな壁面展示や天井からは魚の群れが垂下されています。
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 人間はこれらを食べ物にして現在まで生き延びてきたんだという実感が湧きます。



 そして、一旦外に出て次の展示へと誘導されます。
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 そこにはエントランスの巨木が突き出ていました。これは元々ここに生えていた木を活かしたのでしょうか。



 再び館内に入るとそこにはジオラマが広がります。
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 手前には田園風景が広がり、遠くに摩天楼が林立する大都会が見えています。時間の流れを表現しているのでしょうか。子供の頃の絵本「ちいさいおうち」が蘇ってきました。



 大都会を横切ると次の空間は世界の食糧相場が示されたディーリングルームのよう。
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 食料もマネーゲームの手段とされている現実に直面します。



 そして、次の部屋にはショッキングがインスタレーションが展開します。廃棄される夥しい量の食物。越後妻有アートトリエンナーレで見たクリスチャン・ボルタンスキーのインスタレーション(関連記事)を思い出します。
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 これは決して誇張ではないでしょう。回転寿司やコンビニで廃棄される食品や価格の暴落で畑に放置される野菜など地球上では日々、これ以上の食品が無駄にされている反面、飢えて餓死する子供達も多くいるこの惑星。考えさせられます。




 ミラノ万博の後半ではイタリアワイン館でのワイン呑んだくれから、パビリオンゼロにおいて食料生産や食品消費の現代の歪みを目の当たりにし、酔いも一気に醒める思いをさせられました。グルメだの大食いだのと食料生産の現実を考えることなく消費することの多い現代、を大切にするイタリアにいる間に何かを学んで帰りたいと思います。




 驚愕のインスタレーションであった廃棄食物の展示室に掲載されていた掲示板にはこのように書いてありました。



全世界の食糧のうち毎年その30%に当たる約1億3000万トンが、無駄になります。
これは慢性的な飢餓に苦しむ世界中の約8800万人を養える食料の4倍以上です。

その傍ら、5歳以下の肥満の子供は42万人存在します。
さらに、この地球では大人のうち5億人が肥満なのです。

 


     
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2015/09/04(金) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

3-1 食がテーマのEXPO2015 (前編) @ Milano 

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 慶長遣欧使節の支倉常長がローマ法王と謁見してから今年でジャスト400年。この記念すべき年にイタリアのミラノで「」をテーマとしたEXPO2015が開催されています。スローガンはFeeding the Planet, Energy for Life「地球に食料を、生命にエネルギーを」です。我々の今回のイタリアミッションも日本の「」に関する普及やイタリアの「」を調べることが目的なのです。これを単なる偶然ではなく、常長の導きと考えたい伊達藩民の末裔です。^^

 折角、ミラノにも行くのにEXPO2015を見ないで帰ったら一生悔やまれます。会場はミラノの郊外ですが、その規模が大きく、メインストリートは延長2km弱もあります。事前情報によりますと人気のパビリオンは30分以上待つのは当たり前、中でも日本パビリオンの人気は断トツとか。イタリア人の親友からはイタリアワイン館の試飲を薦められています。移動時間、待ち時間、見学時間を考えてもこの二つに絞り込んで攻め込んだ方が良さそうです。



 作戦を立てました。日本パビリオンは正面ゲートと反対の東ゲートに近いのです。地下鉄を少し手前で降りて、タクシーで乗り付けました。
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 じぇじぇ、開場前なのに既に行列が幾つも。。。落ち着け、全員が日本パビリオン狙いではないであろう。



 
 途中で見つけたイタリア発祥のスローフード館。見たいけど、ひたすらメインストリートを早歩き。
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 広いですねぇ。正面ゲートの方を見ていますが、遙か彼方です。




 やっと到着。日本パビリオンです。カラフルな酒樽が目を引きます。
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 しめしめ、行列も見当たらないぞ。^^



 と、思ったら、エントランスに続く通路には延々と行列。
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 オープンと同時に飛び込んでも、既に40分待ちだそうです。どんだけ人気があるんだ。この後、わかったのですが、30人位ずつ小分けにして入館させています。いわゆる、バッチ処理ですね。



 幻想的な光と影のアート。右の水墨画や文字はアニメです。
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 そうです。「花萌ゆ」のオープニングも手掛けたチームラボが作製しています。世界に誇れるクオリティーですね。



 こちらも素晴らしかった。睡蓮の葉のような揺れる円盤がびっしり生えたシアター。
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 そこに田園風景の四季が映し出されていきます。




 これも感動的でした。滝のように流れ落ちる青い光に乗って料理や食材の写真が流されてきます。
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 これらの写真は手で自分の方へ引き寄せることが出来ます。円形のテーブルがタッチパネルになっているようです。さらにエントランスで専用アプリをインストールさせれば、スマホ等の端末に写真とその情報を入力出来るのです。こんなの他のパビリオンでは見られません。スマートジャパン!!




 こちらは日本のお家芸、食品サンプルのコーナーです。
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  寿司や料理、食材のサンプルが美しく並べられています。外国の方の滞留時間が長かったですね。日本人の誇りを実感できるコーナーでした。




 最後の食堂のようなところに行き着きます。FUTURE RESTAURANTとのこと。
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 観客は周囲のテーブルに座ってスクリーンや中央の解説者を眺めます。




 各テーブルにはモニターがあり、そこにが添えられています。
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 この箸で様々な注文にタッチするとその通りの料理が映し出されます。それにしてもこの料理のレベルが高かった。きちんとした懐石のコースになっていました。



 建物から出ますとイベント広場のようなスペースがあり、そこで、東北フェアが開催されていました。この日がこのイベントの最終日で、ちょうど宮城県の地酒が振る舞われていました。
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 このイベントのスタッフである東北経済連合会や宮城県庁、石巻市役所の方々とも鉢合わせ、知っている顔もあったのでびっくり仰天。なんだかこのスペースが勾当台公園に見えてきました。^^
 


 さて、本命の日本パビリオンを午前中に攻略できたのでゆとりのランチです。
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 いつの万博もそうですが、パビリオン内のレストランは割高です。スタッフも利用するようなビュッフェスタイルの食堂がリーズナブル。



 様々なコーナーがあります。サラダは好みで調製してくれます。
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 もちろん、その場で温めてくれる料理ももちろんあります。




 こちらは私のチョイス。インサラータにムール貝のトマト煮
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 軽めに見えますが、ちゃっかりビールとワインは付けています。このムールは日本に帰化したムラサキイガイとは異なる種類。小粒ながらこちらの方が旨味が強いように感じます。




 こちらは同行者の方々のお料理を何品かご紹介。
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  焼き茄子の美味しそうなこと。鶏モモをベーコンで巻いて焼いた料理はちょっと珍しいですね。




 ここまでがEXPO2015見物の前半です。日本パビリオンは噂通り感動的でした。この後、行列のないパビリオンもいくつか見ましたが、日本の質の高さを改めて認識するだけでした。それに加え、宮城の知人にもばったり会えて、思い出がまた一つ加算された感じです。後編では、イタリアワイン館でしこたま楽しんで浮かれたところで、このEXPOのコンセプトを具現化したパビリオンゼロで一気に酔いが醒める様子をお届けします。


     
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2015/09/02(水) 05:00 | trackback(0) | comment(0)