fc2ブログ

本格中国料理店で裁ち蕎麦??

カテゴリー: 外食:蕎麦

tatisoba1.jpg 
 GWも過ぎ去った最初の日曜日。スッキリ晴れ上がっているのですが、風が強く肌寒いのです。定植したばかりの野菜の苗にも厳しい天気です。さて、今日はこれから街に出て、いま注目の中国料理の若手シェフのお店を訪ねます。




 そのお店は荒町にあります楽・食・健・美-KUROMORI-さんです。
tatisoba2.jpg tatisoba3.jpg

 以前、長町南の伊達餃子楼で腕を振るっていた黒森洋司シェフが自分のコンセプトを実現するためにオープンさせたお店です。




 宮城県産のフカヒレ・乾鮑・乾海鼠に拘り、化調を使わない健康を意識した中国料理を提供しています。
tatisoba4.jpg

 お店は完全予約制なのです。さて、今日はどんなご馳走だろう。。。




 ところが、今日は黒森シェフが最近始めた日本蕎麦を食べる会なのです。^^
tatisoba5.jpg

 この幅広い取り組みも彼の探究心の現れですね。やがては中国料理に蕎麦を取り込むのだと。




 蕎麦とお稲荷、野菜のかき揚げのセットです。
tatisoba6.jpg

 中国料理の店で食べる和食。なにか不思議な雰囲気に包まれます。^^




 春野菜のかき揚げもサクッと上がってます。
tatisoba7.jpg 

 出来れば、山椒塩などを添えて欲しかったですね。




 この蕎麦は通常の打ち方とは異なり、裁ち蕎麦と言われます。
tatisoba8.jpg

 駒板と蕎麦包丁で打つのではなく、重ねた生地を専用の包丁で削り取るように切っていくのです。福島県檜枝岐村に伝わる独特の打ち方です。




 凄く立派な本山葵が出されました。
tatisoba9.jpg

 おろし立ては甘味もあって山葵そのものが美味しい。そばつゆは甘味より塩味が勝った感じでどっぷり浸けると塩っぱいです。




 蕎麦が香り豊かでもう一枚お替り。^^
tatisoba10.jpg

 品種は会津のかおりかと思ったら、そうではなくて、地元で代々伝承されている伝統蕎麦とのこと。これを打ってみたいなぁ。




 まさか、本格中国料店で日本蕎麦を食べるとは思いませんでした。黒森シェフならやがて寿司も握ってしまうかも知れません。それを中国料理に取り入れ、彼独自の世界を作り上げることが彼の理念ですから。今度はゆっくりと中国料理を楽しませて頂きましょう。



クロモリ (KUROMORI) http://kuromori.jimdo.com/


・所在地   :仙台市若林区荒町136
・電 話   :022-211-0306
・営業時間  :不定(完全予約制)
・定休日   :不定休
・駐車場   :なし

スポンサーサイト



2015/05/27(水) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

【塩竈市】イタリアンの銘店 TAVERNA GIRO

カテゴリー: 外食:その他

GIRO0 
 震災後の復興工事により空き地が目立つ本塩釜駅前。そんな中、ポツンと取り残された建物にイタリアンの銘店TAVERNA GIROがあります。TAVERNAは元々はギリシャ語ですが、小規模な食堂や居酒屋の意味です。バイクが止まっている時はオーナーシェフのGIROさんがいるサインです。^^




 このゴタゴタとした感じが下町の洋食屋を想像させますが、純粋なイタリアのTAVERNAです。
GIRO1.jpg

 GIROさんはイタリアで修行し、神戸のレストランで働いた経験もあり、大震災を2回も経験されています。




 アンティパストミスト。
GIRO3.jpgGIRO4.jpg 
 GIROさんに適当に見繕ってもらいました。レバーや自家製のリコッタが秀逸でした。




il passo 、シシリアのフルボディーな赤。ブドウを日光で乾し上げてから醸すのが特徴です。
GIRO5.jpg 
 ブドウの品種はネッレロ・マスカレーゼとネーロ・ダーヴォラの2種が記載されています。エチケットも渋いデザイン。




GIROさんの名物。トマトに溺れたタコ
GIRO6.jpg 
GIRO7.jpg 
 腕一本丸々煮込んであります。ナポリ辺りの料理でしょうか。ワインにめっちゃ合いますね。




CASALE VECCHIO Montepulciano d'Abruzzo  これも好みのフルボディー。
GIRO8.jpg 
 アブルッツォ州は長靴の国イタリアの脹脛(ふくらはぎ)の下の方。アドリア海側の中部に位置します。ファルネーゼ家が1582年より作り続ける伝統のワイン。CASALE VECCHIO はイタリア語で古い家。だけど、エチケットは十字に切ってあり、斬新です。



 
パンも適当にお願いしました。
GIRO9.jpg 
 ソースを最後まで楽しみたいですからね。




有名なトスカーナのPoggiopianoで造られたM'ama non M'ama。飲みやすいミディアムな赤。
GIRO11.jpg 
 マーマ ノン・マーマとはイタリア語で花占いの台詞ですね。例の花びらを一枚ずつ抜いていくやつ。トスカーナは長靴で言えば膝下くらいでしょうか。^^




 手づくりPizza bianca ai quattro formaggi です。
GIRO12.jpgGIRO13.jpg  
 4種のチーズが織りなす醍醐味。直球勝負の美味さですね。




 カンパニア州カンパーニャのBENEVENTANO AGLIANICO。少し重めの赤。
GIRO14.jpg
 Aglianico (アリアーニコ)という品種のブドウから造られています。カンパーニャの位置は足の甲と脛(すね)の角。^^




 この後ももう1~2本呑んだようですが、記憶がありません。^^ 気の置けない仲間とワインのガブ呑みは楽しいですね。どんどん陽気になっていきます。ふっと気が付くと、本当にイタリアのTAVERNAだったりして。そんなデジャブになる予感がします。^^



TAVERNA GIRO


・所在地   :宮城県塩竈市海岸通8-10
・電 話   :022-385-6609
・営業時間  :月18:00~23:00、火~土12:00~14:00/18:00~23:00
        日12:00~15:00
・定休日   :第2、第3日曜日   
・駐車場   :なし

2015/05/20(水) 05:00 | trackback(0) | comment(0)

心に染みる山里の味 山椒漬け

カテゴリー: 料理:水産加工品

2015sansho1.jpg  
 今年も木の芽の時期がやってきました。木の芽とは料理用語では山椒の若葉のことです。この香りを生かした会津の郷土料理に山椒漬けがあります。これを漬け込むのが毎年恒例なので今まで何回ご紹介したことでしょうか。




 材料は山盛りの木の芽身欠き鰊です。
2015sansho2.jpg

 調味料は醤油、味醂、醸造酢だけです。後から鷹の爪も登場します。^^




 さて、問題の身欠き鰊ですが、本来はがっつり乾燥させた硬いものなのですが、近年はこのソフトタイプが主流になりつつあります。
2015sansho3.jpg
 スーパーを何件か探し回ったのですが、ハードタイプは見つかりませんでした。たしかにハードタイプは米の研ぎ汁に一晩漬け込むなどの手間が掛かるのですが、噛み締めると旨味が出る老鶏のような味わいが魅力なのです。若干不安ですが、今年はこのソフトタイプで作ってみます。




 身欠き鰊は尾柄とカマの部分を切り落とします。
2015sansho4.jpg

 そのまま漬け込んでも良いのですが、容器に入らないもので。^^




 容器に木の芽木の芽と積み込んでいきます。
2015sansho5.jpg

 鷹の爪の輪切りもパラパラと加えます。




 積み込みましたら、漬け込み液を注ぎます。
2015sansho6.jpg 
2015sansho7.jpg
 割合は醤油:味醂:醸造酢が2:1:2です。表面にも漬け込み液が回るようにラップを被せます。




 1週間後、試食してみました。
2015sansho8.jpg 
2015sansho9.jpg
 じぇじぇじぇ! 生っぽい。やはり、ソフトタイプは水分と脂が多く、漬け込み液の染み込みが悪いようです。身も締まらないので、醸造酢をカップ半分位加えて、さらに二日ほど寝かせます。




 なんとか身も締まって完成しました。
2015sansho10.jpg

 柔らかいので食べやすいのですが、噛み締める喜びにはやや欠けます。




 山椒漬けを焼いてみますと、佳い感じになります。
2015sansho11.jpg 
2015sansho12.jpg
 味醂も入っていますので、照りも出て立派な焼き物になります。




 ふっくらと柔らかで脂も多く秀逸な焼き物になりました。
2015sansho13.jpg

 脂が酸味と拮抗して上品な味わいになっています。焼き物はソフトタイプ身欠き鰊に軍配が上がりますね。




 身欠き鰊は本来、産卵期に接岸したニシンで作られるもので脂も落ちていますので酸化もしにくいのです。常温でも輸送できるようにカンカンに干してあります。ですから、古くから内陸部や山間部へと運ぶことが出来たのです。今回のソフトタイプ身欠き鰊は冷凍保存されており、一夜干しのような出来具合でした。乾物には乾物なりの味わいがあり、手間を掛けて戻して調味することで深い味わいが生まれます。


 昨今は便利さを追求することで失っていくものが目に付くようになっています。でも、そうでもしないと絶滅してしまう郷土料理も多いのかも知れません。それでも、本物本物として細々ながら伝えていくことが重要と考えます。

2015/05/13(水) 05:00 | trackback(0) | comment(1)

【美里町】匠の技の蕎麦を頂く

カテゴリー: 外食:蕎麦

aoi0.jpg 
 風の噂で美里町に美味い蕎麦を食べさせる店ができたと聞いたのは昨年のことでした。美里町には料理教室で何度も来ているのですが、作った料理を食べますのでお腹に隙間がないのです。美味しい蕎麦はベストコンディションで頂きたいし。随分、時が経ちましたが、先日やっと暖簾を潜ることができました。




 そのそば処はさんと申します。鳴瀬川を渡って県道19号を北上し、小牛田駅近くの通り沿いにあります。
aoi1.jpg aoi2.jpg
 
駐車場も10台は止められそうですが、昼前にはほぼ満車となりました。日曜日だったので開店と同時に入店された方々もいたようです。正午には店外にプチ行列も出来ました。2012年8月のオープンですが、すっかり人気店になったようです。




 お品書には蕎麦天ぷら以外にも山菜、辛味大根、とろろなども見られます。
aoi3.jpg

 この裏面には温かい蕎麦もありました。ざるそば850円は相場ですね。出されたお茶は蕎麦茶でした。到着からここまでに30分近く掛かりました。




 蕎麦天ぷらの両方を確かめたかったので、当然こうなります。天ぷらざる1400円也。
aoi4.jpg
 ということは、天ぷらが550円ですね。^^




 天ぷらはボリュームがありました。漬け物も自家製とのことです。
aoi5.jpg
aoi6.jpg
 
 エビの他は精進ですが、蓮根、茄子、舞茸、南瓜、オクラ、パプリカで全7品。抹茶塩が添えられているのが有難いですね。蕎麦の旨い店でもそばつゆと兼用で天ぷらを食べさせる店がありますが、蕎麦が台無しです。




 実に綺麗に打ってあります。細打ちながら短く切れた麺も見当たりません。簀子は使わず皿に直盛りです。
aoi8.jpg

 これは水回しや練りも丁寧かつ的確に行われ、延しも短時間に処理されたものと思われます。こんな蕎麦打てるようになるにはあと何年かかるのだろう。




 これだけ細くても適正な茹で時間のため十分な噛み心地もあります。薬味は晒し葱と練り山葵。
aoi9.jpg 
aoi7.jpg
 エッジが立って、きらりと光る美しい蕎麦ですね。つゆは厚削り節の燻煙臭をしっかり感じ、甘味は後を引かない爽やかさ。




 さて、食べ終わってしばらくになりますが、蕎麦湯がでないので立ち上がろうとしたその時、すみませんと蕎麦湯が届きました。
aoi10.jpg

 フロアー係の方が忘れていただけのようです。トロリと蕎麦の香りがある蕎麦湯です。これは茹で湯ではなく、ちゃんと別に調製しているのでしょう。



 もともと料理人であったご主人が、蕎麦の魅力に取り憑かれ、名人に師事して修行を積んだとのことです。そして、蕎麦一本でやっていくことを誓い、この店をオープンさせています。気合が違います。それは蕎麦を見ればわかります。本格的な蕎麦処が不毛であった宮城もこの四半世紀の間にどんどん銘店が増えています。このような蕎麦処が宮城に出来て私達は幸せですね。




そば処 葵


・所在地   :宮城県遠田郡美里町字姥ケ沢36-2
・電 話   :0229-32-2005
・営業時間  :11:00~14:30(蕎麦がなくなり次第終了)
・定休日   :水曜(祝祭日の場合は木曜)
・駐車場   :あり10台

2015/05/06(水) 05:00 | trackback(0) | comment(2)
| ホーム |