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春の海の隠れた旬味・・・生ヒジキ

カテゴリー: 料理:海藻

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 これを見て下さい。これがヒジキだと言っても信じてもらえないでしょうね。普段、購入するヒジキは真っ黒いマッチ棒のような乾物ですからね。海に生えている時は褐藻類特有の黄褐色です。この生ヒジキは流通に乗ることはまずありません。これを茹でて乾すことにより保存性と輸送性が高まり、付加価値が付き、収入が上がるので浜で加工されてしまうのが現状です。


 この生ヒジキは、今年の春、宮城県漁協の志津川支所(戸倉出張所)から提供を受け、料理教室日本酒を楽しむ会などで試しに使ってみたところ、大絶賛でした。これは春の旬味として、時期限定の山菜のように商品化できると実感しました。




 まずはその容姿をご覧下さい。ホンダワラ科なので主軸から枝が分かれます。
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 穂先は細かく枝分かれしていて、この周辺が軸元より柔らかく感じます。




 最初にお湯で1分ほど湯がきます。すると、見る見る鮮やかな緑色に変化していきます。
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 黄色い色素であるキサントフィルが熱で分解し、緑のクロロフィルだけが残ります。これもさらに茹で過ぎますとくすんだ色になってしまいます。




 茹で上がったら、直ちに流水で熱を取り、色止めします。
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 この鮮やかな緑も美味しさのうちですからね。



 穂先の部分と軸元とに切り分けてみました。硬さが違うので適する料理法も異なると睨んだからです。
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 手前が穂先部分で後方が軸元なのですが、よくわかりませんね。^^



 まずはダイレクトに穂先を葱ポン酢で食べてみます。
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 乾燥ヒジキとは全く異なる食感と味わいです。ボクボクとした野性的な歯応えでありながら、優しい甘味も感じます。これは病み付きになる海藻です。




 これは穂先を春キャベツと浅漬けにしてみました。彩にパプリカも。
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 春キャベツと対照的な生ヒジキの食感が楽しい浅漬けです。春の息吹を感じましょう。




 こちらは穂先のシーチキンマヨ和えです。
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 練り山葵も加えてピリッとした刺激も加えています。こんなこってり味にも充分勝てる食材です。




 これは生ヒジキの軸元の金平です。
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 胡麻油にラー油を加えて炒め合わせています。これは保存性もある定番お惣菜ですね。




 定番の煮物。ボリュームを出すために豚肉、油揚げ、茹で大豆も加えています。
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 乾物と違ってヒジキの歯応えが存在感を高めます。酒の肴にもご飯にもよく合います。




 こちらは料理教室七ツ森の浅野先生の作品です。
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 彩り豊かな煮物ですね。食べやすく少し短めに切ってあります。




 これは、m-tableのひゃくさんのオリジナル、生ヒジキの炒めナムル。茹でた生ヒジキを炒めてからカクテキ(キムチ)の素で調味しました
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  画像を頂きました。これは食べてみたいですね。さっそく作ってみましょう。




 生ヒジキは乾物と違って保存性は高くありません。多く入手して食べ切れない時は乾しヒジキも作ってみましょう。
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 3分くらい茹でた生ヒジキを晴れた日に乾し上げます。




 春の日差しですが、夕方までに九割方乾し上がりました。
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 後は室内のエアコンの前で完成させました。これはジップロックに収容して冷凍庫にしましました。まだ、料理していませんが、これは市販の乾燥ヒジキと同じでしょう。

 ところが、、、後日、水で戻して煮物にしてみたら、市販の乾燥ヒジキよりはるかに硬い。れれっと思って、いろいろ調べてみましたら、市販のヒジキは茹で時間が3分どころか、緑色が消え去り、真っ黒になるまで煮込んでいるそうです。そこまで煮込んであの柔らかさが出るのですね。勉強になりました。




 春の海の隠れた旬味、生ヒジキをご紹介しましたが、どうやったら手に入るのかと突っ込まれそうです。そこが問題なのです。漁家としては、乾燥ヒジキにして付加価値を付けた方が収入も多くなるので、このような保存性のない生海藻を販売してくれるでしょうか。。。


 でも、ワカメしゃぶしゃぶがブームになり、茶色い生ワカメもスーパーで見かけるようになりました。生ヒジキもブームにして、消費者側からの要望が大きくなれば、扱うお店も出てくることでしょう。生産者への説得と消費者への普及の両面からアクションを起こしてみたいと思います。

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2015/04/22(水) 05:00 | trackback(0) | comment(4)
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