アンデス原産の根菜を料理する
カテゴリー: 料理:野菜・果物
これはなんでしょう。レンコンでもサツマイモでもありません。今年初めて栽培してみましたけど、収穫までに7ヶ月も掛かり、その後の作付に大きく影響しました。フラクトオリゴ糖がこの貯蔵根に含まれるとのことなので甘味はあるのでしょうが、デンプンを含まないので芋のような料理は合わないかも知れません。これ、以前にも何回か食べたことがあるのですが、記憶があいまいです。ましてや、素材から調理するのは初体験です。
これは9月末頃の様子。草丈は180cm程度になり、黄色い花を咲かせました。
アンデス原産のこの植物、真夏にも草勢が衰えず、9月末でも青々しています。畑の南側に植えてしまったので、日陰となる北側の夏野菜の生育に大きな影響が出てしまいました。収穫はこれらが枯れ始める頃とのことなのですが、一体いつになったら枯れてくれるのだろう。
12月に入り、霜が降り始める頃になって、やっと萎れ始めました。
これまた、大根などの秋冬野菜の生育にも影響を及ぼしました。
引き抜いてみますと、芋状の貯蔵根がいくつもの出てきました。そうです。アンデス原産のこの植物、ヤーコンでした。
これで一株分です。レンコンのように大きいのが5~6本、サツマイモ位のが7~8本は回収されました。
二株でこれぐらいの収穫となりました。
一ヶ月くらい貯蔵すると甘味が増すそうなんですが、果たしてヤーコンは、どんな料理向くか、試さずにはいられなくて、1週間後に一部を料理しました。
まずは皮をピーラーで剥いていきます。
手に伝わってくる感覚はまるでレンコンですね。デンプンを含まないのでシャキシャキしています。
最初は輪切りにして十字に包丁を入れ、電子レンジにかけてからオリーブオイルで炒めて行きます。
両面にこんがり焦げ目が付く頃でもシャッキリ感は残っています。
仕上げにバルサミコ酢と醤油を混ぜた調味液をジャーっとかけ回して出来上がり。
シャリシャリとした食感で、これはこれで美味しいのですが、大根でも似たようなものが出来ますね。
続いて沖縄の人参シリシリ用のおろし金で棒状にしていきます。
包丁で切るより、表面が荒くなるので味が染みやすいと判断したからです。
これはオリーブオイルで炒めてから挽き肉を加えカレー味に仕上げました。
カレーパウダーではなく、カレールーを削ってお湯に溶かしてから使ってますので、キーマカリーのようになってます。ご飯に乗せて食べると最高です。キーマカリーにシャリシャリ感が加わりました。
切り方がさらに細かくなっていきます。かなり細めの千切りにして、水で晒しました。
スライサーを使わないのは、今度は表面のスキッリ感を活かしたいからです。
手前はハリハリヤーコンのおろしゆずポン酢かけ、後ろは豆乳で伸ばしたマヨネーズをかけています。
丁寧に千切りにして水で晒しましたので、大根とは違うシャキッとした味わいでした。1ヶ月貯蔵して、梨のような味になったヤーコンでもう一度試してみたい惣菜です。
最後は擂りおろして料理します。水分が多いので水切りをしてから使います。
デンプンが貯蔵されていないことは予備知識でありますので、片栗粉を加えたものと蒸して比較します。
蒸し上がったおろしヤーコンに蕎麦つゆをダシで割って餡を作りかけてみました。
片栗粉を入れないおろしヤーコンは想定通り、固まりません。片栗粉入りは蓮根蒸しのような食感になりましたが、だったら、レンコンで良いですね。^^
7ヶ月もかけて栽培、収穫したヤーコンですが、狭い菜園では場所を塞ぐし、期待した貯蔵根もヤーコンならではの料理がなかなか思い当たらず、既存の根菜類で十分事足りるものでした。効能も豊富に含まれるフラクトオリゴ糖が乳酸菌の増殖を促すそうですが、ヨーグルトを毎日、食べた方が良さそうです。さらに整腸作用や血糖値抑制効果もあるとのことですが、ヤーコンを毎日食べるのも現実的ではないですね。それでも食感は面白いし、1カ月貯蔵後の甘みを増したヤーコンへの期待はまだあります。家庭菜園においては品種改良で地上部の矮小化と収穫までの短縮化がなされると有り難いですね。