この大根とヘチマのハイブリッドのような物体は夕顔の実です。近所で大規模家庭菜園をやっている先輩から頂きました。子供の頃から夕顔といいますと、ツル性で夜から朝にかけて咲く清楚な白い花のことで、よくテレビで干瓢の原料を夕顔と言っているのに紛らわしさを感じていました。
でも、私が夕顔と呼んでいた花は正しくは夜顔であってヒルガオ科。この夕顔はウリ科の植物で瓢箪(ヒョウタン)と同一種だそうです。瓢箪は苦味が強く食べられませんが、品種改良により夕顔が作出されました。この実をロクロで回しながら細長く削って干したものが干瓢です。つまり、干した瓢箪ですね。
さて、これをどうやって食すか。。。一部は干瓢も作ってみようと思いますが、夕顔は冬瓜より癖がなくて食べやすいとのことでしたので、まずは冬瓜風の餡掛けにしてみましょう。
最初にピーラーで皮を剥き、中の種と綿を取り除きます。
綿と果肉の境界が不明瞭でともすると果肉まで削ってしまいます。
二口大くらいに切り分けておきます。
果肉はしっとりとした白色で如何にも美味しそうです。
ここでダシを取りましょう。本日は昆布と気仙沼のサメ節です。
数時間水に浸けた昆布を水ごと沸騰させ、火を弱めてサメ節を投入。再沸騰したら漉しておきます。
薄口醤油、塩、日本酒で調味して夕顔を炊いていきます。
所々穴を開けたクッキングシートを落し蓋にして柔らかくなるまで弱火で炊きます。癖がなさそうなので下茹では省略。
その間に葛餡の具になる枝豆とトマトを準備します。
意外でしょ。でも、夏らしい具材だし、彩も美しいので。。。
夕顔を炊いた煮汁にしらす干しを加えます。
トロミを付けたら、具材を投入。味を整えたら餡は完成です。
先ほどの夕顔にかけて頂きます。なかなか、佳い感じでしょ。^^
この彩、夏らしくて佳いでしょ。夕顔は教えられたとおり、優しい食感で冬瓜より食べやすいですね。
先ほどのダシ殻ですが、めんつゆ少々と水を加えて炒め煮にしていきます。
毎回ではありませんが、時間がある時はこのような佃煮を作ったりしています。
これご飯に良く合います。
キュウリに挟んだのも酒のアテになりますよ。
初めての夕顔料理、冬瓜と全く同じ手法で調理出来ました。しかも、冬瓜より瑞々しく、香りも癖もなく実に食べやすい食材です。菜園のキュウリも食べ切れず、ご近所に配っている状況ですので、来年から一部を夕顔に置き換えてみようかな。今回はダシで炊いて餡掛けでしたが、次回は干瓢作りに挑戦します。家庭でまともな干瓢など出来るものでしょうか。お楽しみに。