生銀鮭のポシェ レモバタマヨソース
カテゴリー: 料理:買い魚
大震災による津波で本県沿岸の養殖業は壊滅しました。特に特産のギンザケ養殖は出荷間際で被災しましたので、それまで苦労が全て流されてその年の収入も失いました。不幸はさらに増幅します。宮城のギンザケ養殖は当面復興しないだろうと目論んだ商社が外国からの買い付けを増やしました。ところが、ギンザケの稚魚は山間部の養魚場で育てられますので次年度の稚魚は温存されました。海面の方も各方面からの支援や復興予算で生簀も復旧し、翌年には震災前の60%程まで回復したのですが、供給過剰により価格が暴落したのでした。
でも、その後は価格も回復し、やっとマイナスからの復興に向かっております。それにしても、外国からの輸入サーモン類はそのほとんどが冷凍品や甘塩物ですが、ギンザケの産地宮城県ではこのシーズン、生のギンザケが食べられるのです。サーモン類の生と冷凍の違いは実際に味わって頂かないとわかりません。今回はその両者の違いがよく分かり、しかも、簡便な料理法をご紹介致します。それは切り身のポシェ(低温ボイル)を好みのソースで食べる方法です。
材料は生ギンザケの切り身の他はお好みの生野菜。。。
ソースの調味料はバターとマヨネーズ、それにレモンと塩胡椒。ポシェには日本酒を使います。
お好みの生野菜は食べやすいように切っておきます。
ドレッシングも好みの物を使って下さい。ギンザケのソースがマヨ系ですのでさっぱりとポン酢やシンプルフレンチがお薦めです。
それでは最初にレモバタマヨソースを作ります。
バターを電子レンジに15秒ほどかけてトロトロにします。それにマヨネーズとレモン汁を加えてホイップします。マヨネーズがギンギンに冷えていると混ぜる前にバターが固まりますのでご注意下さい。
ギンザケのポシェは最後の要です。切り身がヒタヒタに被る80℃のお湯にカップ半量ほどの日本酒と大さじ半分位(1%)の塩を加えます。
こればかりは温度計を使わないと安定した低温加熱は出来ません。ポシェしている間、80℃以内に収めるように留意して下さい。6~7分経過して、切り身に爪楊枝を刺し、数秒おいてから引き抜いて、唇に当てて温かく感じれば加熱終了です。
すかさずお湯を切り、粗熱が取れたら骨や皮を掃除します。生ギンザケは身が柔らかいので取り扱い注意です。
この時、魚用の骨抜きがあると便利ですが、なければ爪切りやピンセットでも何とかなります。指でほじくるのは身割れの元です。
皿に生野菜を盛り付け、ギンザケを手前に置き、レモバタマヨソースを乗せます。
生野菜の盛り込みが無骨だなぁ。。。(´・_・`) 予定外だったのですが、レモバタマヨだけでは手前が寂しすぎるのでトマトピュレを点々と飾ってみました。 これが案外、佳い結果でレモバタマヨに飽きた時の味変に役立ちました。
生ギンザケの食材としての可能性はまだまだあるでしょう。和洋中で色々試して頂きたいのですが、最大の留意点は熱を加え過ぎないことです。加熱し過ぎますと他の冷凍サーモン類と差がなくなります。本来はタンパク質が固まり始める65℃位でじっくり加熱すると最高なんですが、時間も掛かります。そこで今回は10分以内で調理が済む80℃にしています。温度×時間の問題ですが、65℃以上であれば低温ほどふっくらして美味しく感じます。